シラバス情報

科目名
財政学Ⅱ
授業コード
21026
担当者名
一橋 信之
副題
税金と日々のくらし
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類
高校一種(商業)

授業内容
財政学Ⅱは、財政支出を扱う財政学Ⅰを踏まえてその収入側(財源)をどのように調達するのかを学びます。その意味で、財政学Ⅰと財政学Ⅱは両方を学んではじめて財政学の全容が理解できるものです。財政学Ⅱのテーマは税と国債です。税の基礎的な知識は・理解は社会人には必要不可欠のものです。また、現在では国債が税を補完する制度として重要であり、新聞やニュースにもしばしば登場する話題です。授業では実際の新聞記事や雑誌記事も教材に使い、社会常識としての税と国債問題を基礎レベルで扱います。授業の最後に毎回小テストを実施し、次回の授業の冒頭で正解を解説します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
財政学のうちの税制と国債について、標準的な理論を理解し説明できるようになることと、現実の財政問題についてデータや情報を収集し、それらを理論に沿って考える方法を習得します。消費税は増税するのがいいのか、巨額の借金で日本は破たんするのか、このような課題に対して論理的に考え、ある程度の解決策を提示できる能力を習得します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「問題解決力」
授業計画
第1回 財政のしくみと役割
      財政の意義、財政の3機能、予算の種類と構造について学びます。
第2回 わが国の租税制度(理論とデータによる租税論)
      租税の意義と租税データ、どのweb-siteをみれば何がわかるのでしょうか。
第3回 租税の歴史と租税の分類
      日本の近代租税制度の変遷を学び、租税の形の変化を学びます。         
第4回 租税の目的と租税原則
      租税3原則と財政の機能の関連を学修します。
第5回 租税負担と国際比較
      国民の負担が大きいにもかかわらず国民は幸福だと感じてるある国の事例を学びます。
第6回 所得課税のしくみ
      所得税、法人税を学びます。とくに累進課税制度を理解します。
第7回 消費課税のしくみ 
      一般消費税と個別消費税のしくみを学びます。
第8回 租税の公平と事例研究
      公平な租税とは何か、アメリカのある都市の事例を学びます(ビデオ視聴の予定)。
第9回 国債のしくみ
      国債の意義、種類、債務の特徴、発行市場を学びます。
第10回 財政赤字の過去と現在
      財政赤字の意義、その推移と原因について学修します。
第11回 国債管理政策と債務問題
      国債の減債制度とその有効性について学びます。
第12回 国債の国世代間負担と中立命題
      国債発行が後世代に与える負担の有無を考えます。
第13回 国債による財政破たん問題
      プライマリーバランス論と格付問題を学びます。   
第14回 財政政策の信頼性
      市場の失敗と政府の失敗について学び、国のあり方を考えます。
第15回 総まとめ
      14回分の総復習と練習問題を行い、理解を深めます。 
関連科目
経済入門、財政学Ⅰ、租税論
準備学習等の指示
毎回授業内容の復習を30分以上60分程度行う必要があります。不明な個所を残しておくとどんどん授業が分からなくなっていきます。授業で財務省や国税庁などの政府のweb-siteを使いますので、自宅で確認し慣れておいて下さい。
教科書
教科書は使用しません。毎回レジュメを授業で配付します。
参考文献
税については国税庁HPより税務大学校講本『税法入門』が、国債については財務省HPより『債務管理リポート』が参考になります。いずれもインターネットで入手できますので自分で毎回確認してください。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験70%、出席状況・受講態度(小テストを含む)30%で評価します。
11回以上出席の場合は加点します。その場合の加点分は100点満点の外枠で評価します。したがって、100点を超えた場合は100点とします。
実務経験と授業との関連
企業の経済リサーチ部門で公共セクターの政策分析を担当し、また税理士事務所の所長税理士として課税の現場事務を経験したことから、政府はどのようにしてムダのない公平な社会をつくろうと考えているのかを分かりやすく解説します。
備考
授業中の私語は厳禁です。守れない学生には退室していただく場合があります。