シラバス情報

科目名
地域経済論
授業コード
21058
担当者名
藤谷 則夫
副題
地域の経済活動を理解する
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類
高校一種(地理歴史)

授業内容
人口減少や高齢化の波が押し寄せている中で、地域社会の再生及び地域経済の活性化は喫緊の課題となっています。本講義は、日本で起きている人口の波の影響をはじめ、自分の暮らしている地域や故郷の抱える問題を取り扱います。地域経済の構造やその変化をマクロ的に捉える視点や分析力を養成するとともに、それぞれの地域に根ざして地域活性化を目指す人々の具体的な取組みを取り上げ、事例研究を行います。
前半は、統計データに基づき、人口動態や広島県を中心とした産業形成の歴史、産業構造の特性を体系的に修得し、後半は、各地の先進事例に学びながら、地域における資源の発掘から活用、実践提案までを含む地域活性化策を検討していきます。 
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
地域経済に関する統計データ、施策動向などを交えながら、地域経済を分析・理解する基本的な視点を修得するとともに、先進事例を通じて、地域活性化の手法を学び、それらを実践で活かせることを目指します。
【身につく力】「問題解決力」、「チャレンジする力」、「論理的思考力・分析力」
授業計画
第 1 回 ガイダンス—地域経済論の目的と方法
第 2 回 人口動態からみた地域構造
第 3 回 産業構造の変化と地域構造
第 4 回 地域社会の変化と地域構造・地域経済計算
第 5 回 産業連関分析(仕組み)
第 6 回 産業連関分析(具体的事例1)−投入係数表を使って産業連関表を作成する
第 7 回 産業連関分析(具体的事例2)−逆行列係数を使って経済波及効果を計算する
第 8 回 産業連関分析(演習)−2産業の経済波及効果を計算する
第 9 回 都市システムと都市の形成
第10回 地方財政と地域政策
第11回 地域課題解決の分析手法
第12回 中山間地域を取り巻く課題と活性化策−6つの要素
第13回 地域活性化成功事例−長野県小布施町・徳島県上勝町他
第14回 地域活性化をどう考えるか?−地域づくりの視点
第15回 これからの地域活性化・まとめ 
関連科目
「実践地域経済論」
準備学習等の指示
(1)自分たちのまちについて、日頃から新聞等の地域経済面に目を通し、地方の抱える問題や取組みに
  ついて情報を集め、考えること。
(2)授業課題
  ①自分たちのまちの“宝”は何だろうか。思いつくものを書き抜いてみてください。
    (例)瀬戸内海の魅力とはどんなものが挙げられるだろうか?
  ②どんな田舎まちであったならば、住みたいと思いますか?例を挙げてみてください。
    (例)コンビニは不可欠、物価が安い、まちがきれいなど。
  ③「廃校」をどういう活用ができるか、アイデアを出してください。
    (例)地域の集会所、スポーツクラブ、産直市、田舎体験宿泊施設等、思いつくものを挙げてください。
 上記は、授業後半にアンケートの形で訊きます。 
教科書
授業テキストを配布します。その他、適宜参考資料を配布します。
参考文献
山田浩之・徳岡一幸編(2018年)『地域経済入門(第3版)』有斐閣

枝廣淳子(2018年)『地元経済を創りなおす』岩波新書
河合雅司(2017年)『未来の年表』講談社現代新書
中村良平(2014年)『まちづくり構造改革』日本加除出版
根本祐二(2013年)『「豊かな地域」はどこが違うのか』ちくま新書
藤山浩(2015年)『田園回帰1%戦略』農文協
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
成績評価は、定期試験(70%)、出席状況・受講態度等(30%)で評価します。出席回数が11回以上の出席については、各1点ずつ加点します(最大5点)。
定期試験は、用語問題(穴埋め・選択形式)と論述問題で参照不可です。データを読み解き、自分の考えを論理的に説明する力を評価します。
実務経験と授業との関連
 一般財団法人ひろぎん経済研究所時代から現在まで、広島県をはじめ全国各地の地域活性化の取り組みを調査・研究してきました。その中で、地域活性化に必要な6つの要素を発見しました。授業の中で、各地の活性化事例紹介を紹介するとともに、6つの要素の重要性も取り上げます。
備考
・授業開始10分経過後は入室禁止。
・私語厳禁。
・活発な意見交換を望みます。
・第5回〜第8回産業連関分析には、電卓を持参してください。