シラバス情報

科目名
身近なボランティア活動
授業コード
35023
担当者名
中村 隆行
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】
 1995年阪神淡路大震災、2011年東日本大震災、2014年広島市土砂災害,2018年西日本豪雨災害と毎年のごとく大自然の脅威・災害が発生しています。そのたびに多くのボランティアが活躍しました。一方、ボランティアに関心があるという人は7割余りですが、実際に活動をした人はそのうち3割といわれています。ボランティアは、いったいなぜ取り組まれているのでしょうか。無償性や自発性がボランティアの特徴といわれます。利己的でない、利他的行為はなぜ行われるのでしょうか。このような行為は世の中に必要なのでしょうか。魅力的なボランティア活動について調査し発表してもらいます。ボランティア活動の意義や課題解決力・実践力を学んでほしいと考えます。そこに社会の中で生きていく力がつくと考えています。
【授業方法】
 関心のあるボランティア活動について情報収集、文献調査、報告書を作成するなどのワークを行います。
調べたことについて、発表、プレゼンテーションを行います。
【フィードバック方法】
 調べてきたボランティア活動のレポートは添削して返却します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
 本事業は、興動館科目「人間力」の4つのフィールドの内、行動力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)フィールドワークを通じて、地域で行われているボランティア活動の現状を把握します。
(2)ボランティアの意義を考えます。活動の意義に共感する志が、失敗を恐れずに挑戦をする実行力を養うことにつながることを体感してもらいます。
(3)知って、学んで、その後は実践あるのみです。実際の行動につながることを目標とします。
【身につく力】①働きかけ力、②プレゼンテーション力、 ③実行力(問題解決力)
授業計画
第1回 ガイダンス・オリエンテーション
    本授業の目的、ボランティア活動の意義、講義の進め方、スケジュールなどについて説明します。
第2回 ボランティア活動の歴史と意義と特徴
    ボランティア活動の歴史的な背景や社会的な意義(古典的意義と近代的意義)、特徴につい
    て解説します。
第3回 ボランティア活動の実際
    高齢者、障がい者支援の活動、環境保全、まちづくり、スポーツや文化の振興につながる活
    動、災害救援の活動など様々な領域での活動を紹介します。
第4回 ボランティア活動の実際
    広島県内で行われているボランティアの活動を調べます。犬猫の殺処分ゼロを目指す活動、
    平和の継承を目指す活動、神楽という伝統文化継承など広島ならではの活動を把握します。
第5回 ボランティア活動を 調べる、知る、学ぶ—
    ①関心があるボランティア活動の情報収集の方法ー調べる、②実際にどのような活動か、
     整理を試みる。③知識から実践へむけて、何が見えてくるか。議論します。
第6回 ボランティア活動を調べる 知る、学ぶ —
    受講生、各自で調べてきたことについて発表します。
第7回 ボランティアをする上で、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。
    ボランティアセンターの役割を考える。ボランティアをコーディネートすることの重要性について考える。
第8回 課題発見—国連で提唱されているSDGsについて考えます。
    ボランティア活動で社会貢献を行いたい皆さんに社会問題の課題発見につながる方法を検討します。
第9回 ー自ら実践するとしたらー
    あなたならどんなボランティア活動ができますか。活動を考えてもらいます。 
第10回 ボランティア活動を計画する
    ①題材を意識する→②課題が浮上する→③課題からビジョンとゴールを設定する→④目標達
    成の戦略を考える→⑤課題解決に必要な原因究明のための情報獲得→⑥課題解決策・アイデ
    アを出す
第11回 行動につなげるには—なぜボランティアに踏み出せないのか—
    ボランティアに踏み出せない要因として考えられている「傍観者効果について」採り上げ、議論します。
第12回 ワークショップ
     第10回で、これをやってみたいと考えたボランティア活動の計画をプレゼン資料として再考・制作
     します。
第13回 プレゼンテーション
    各グループで作成した資料をもとにプレゼンテーションを行います。
第14回 世界のボランティア活動
    海外の取り組みを紹介するとともに、プレゼンを通じて見えてきた、ボランティアの意義をもう一度
    みんなで考えます。
第15回 まとめ
    総括として、ボランティアの今後や将来展望について話し合います。  
 
関連科目
興動館プロジェクトの計画と実施
準備学習等の指示
 身近な問題でかまいませんので、関心がある領域、問題についてのボランティア活動の現状を調べ、授業に臨んでください。問題意識があれば、モチベーションもあがり理解がよりスムーズになります。
新聞やインターネット検索などの情報収集に30分は必要です。
教科書
 教科書は使用しません。適時レジメを配布するか、必要なものがあれば授業でその都度指示します。
参考文献
河口清史 田尾雅夫 新川達郎 編 『よくわかるNPO・ボランティア』 2009年 ミネルヴァ書房
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
平常の出席状況(25%)、授業内でのワークへの積極性(20%),レポート(30%)プレゼンテーション(25%)などから総合判断して評価をします。
実務経験と授業との関連
広島県社会福祉協議会の災害被災者生活支援委員会の委員や広島市の社会福祉協議会のボランティセンターの運営委員・JICA中国の草の根活動審査委員等の立場から様々なボランティア活動に関わってきた経験を活かし実践の立場から講義を進めていきます。
備考
定員30名

「興動館科目では、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長度をはかるため、「プログレスシート」を作成していただきます。
※社会人基礎力とは・・・組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」