シラバス情報

科目名
新読書ナヴィゲータ
授業コード
35014
担当者名
中村 克洋
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】
「私は本が大好き」そして「文章を書くことが大好き」という方が本講義の受講者として最適です。まず、読書案内の文章を書いてもらいます。その皆さんの文章を集大成して一冊の文集としてまとめて、図書館や興動館に置いて、希望者に配布します。こうして、「書く楽しさ」とともに「読んでもらう楽しさ」も実感できるはずです。
【授業方法】
(1)この授業では、毎回、はじめに「文章を書く面白さ」を実感するためのさまざまな講義を行い、小テストの実施やリポートの作成を行います。その解答や解説は、次週の授業の冒頭で行います。(2)続いて、講義内容に沿って、実際に「文章を書くこと」を楽しんでもらいます。(3)そして、あなたの推薦本の「案内文(ナヴィゲータ)」をつくります。(4)一作、二作、三作と作っていくうちに、あなた自身も「文章表現の達人」になっていきます。 
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、企画力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。(1)ただ単に「本を読むのが好きな人」から、魅力的な文章も書ける人に変身できるはずです。なぜなら、自分の愛読書の魅力を、最も効果的な文章(案内状)にして、他の人にアピールできるからです。(2)「読むこと」「書くこと」そしてそれぞれの「表現能力」、そのすべてが向上します。
【身につく力】「プレゼンテーション能力」「斬新な発想をする力」
授業計画
第 1 回
【講義・学習パート】 オリエンテーション・
【作文パート】 自己紹介文の作成。まず、数人の班を編成します。
第 2 回
【講義・学習パート】 自己紹介文の書き方、自己紹介文、例文紹介 頼朝の文書作戦(文書の力)
【制作パート】 自己紹介シートから自己紹介文作成
第 3 回
【講義・学習パート】 自己紹介文の作成・発表 文章の書き方(基礎・1.2)
【制作パート】 作成した自己紹介文の推敲
第 4 回
【講義・学習パート】 課題図書 ナビゲート設計図の書き方
【作文パート】 「名人伝」設計図・例文
【制作パート】 課題図書の設計図(企画書)作成。
第 5 回
【講義・学習パート】 句読点の打ち方・「私の古生物誌」吉田健一著筑摩書房の研究・紹介
【作文パート】 例文による句読点の打ち方学習
【制作パート】 共通課題本のナヴィゲータ(案内文)作成。
第 6 回
【講義・学習パート】 『起承転結』
【作文パート】 『桃太郎の起承転結』の作成
【制作パート】 共通課題本の完成・インプット。
第 7 回
【講義・学習パート】 嘘八百「悪筆」解説(悪文の例示)
【作文パート】 悪文の魅力について
【制作パート】 一冊目の(自薦)ナヴィゲータ設計図(企画書)作成。
第 8 回
【講義・学習パート】 文章表現による『説得術』
【作文パート】 文章の嘘を見抜く
【制作パート】 一冊目のナヴィゲータ(案内文)作成。
第 9 回
【講義・学習パート】 文章表現による『逆発想法』
【作文パート】 文章表現による『逆発想法』の演習
【制作パート】 一冊目のナヴィゲータ 完成・インプット。
第10回
【講義・学習パート】 芥川龍之介による『桃太郎』
【作文パート】 『桃太郎後日談』作成
【制作パート】 各人のペースで『ナヴィゲータ』を作成
第11回
【講義・学習パート】 格言カレンダー
【作文パート】 格言カレンダーに反論する文章の作成
【制作パート】 各人のペースで『ナヴィゲータ』を作成
第12回
【講義・学習パート】 「逆文」。『吾輩は猫である』の逆文例示
【作文パート】 「逆文」否定語・反対語・別語を駆使して、原文のネガティヴ文章を作る
【制作パート】 各人のペースで『ナヴィゲータ』を作成
第13回
【講義・学習パート】 カフカの「変身」例示(フィクションの想定)
【作文パート】 「変身」小説でフィクションの世界を広げる
【制作パート】 各人のペースで『ナヴィゲータ』を作成
第14回
【作品づくりまとめ】 各人のペースで『ナヴィゲータ』を完成
第15回
【小冊子制作、プログレスシート記入、リポート提出】
関連科目
日本語文章表現
準備学習等の指示
企画力フィールドの達成目標は①無から有を生み出す創造力をもつ②企画書に基づいて、その規格を相手に説得する力をもつ、の2つです。本授業の「創造力」にあたる部分は、自分の言葉で、自分の文章を創造すること。「企画書」の部分は、「ナヴィゲーター設計図」。「説得力」の部分は、効果的な文章構成を工夫することです。この三つの要素を意識して、楽しみながら文章を書いていくよう心がけて下さい。また、必ず次週の授業内容を提示しますから、そのための準備学習として、復習・予習を1時間以上してください。 
教科書
教科書は使用しません。必要なものがあれば、授業でそのつど指示します。毎回レジュメを配布します。 
参考文献
「金田一春彦著作集」(第一巻) 金田一春彦著 玉川大学出版部  「李陵・山月記」中島 敦著 角川文庫他  「声に出して読みたい日本語」①②③④ 「声に出して読みたい方言」 「理想の国語教科書」 ともに斎藤 孝著 草思社
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
出席状況と受講態度…25%
「ナヴィゲータ文」(自己紹介、課題図書、自薦図書)の提出…50%
ミッションシート(毎回行う講義部分の演習やリポート)の提出と内容…25%
尚、毎回の提出物が出ていない者は欠席扱いとします。
実務経験と授業との関連
アナウンサーとして、音声メディアにおける理論、実践を研究し、体得してきた。また、文章表現のあらゆる現場にも身を置いてきた。その経験を活かして、文章を通じて自己表現することの喜びを伝えていきたい。
備考
定員を30名とします。
興動館科目では、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長度をはかるため、「プログレスシート」を作成していただきます。
※社会人基礎力とは…組織や地域社会の中で様々な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力です。