シラバス情報

科目名
人を動かすことばと話し方
授業コード
35033
担当者名
中村 克洋
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】
すべてのコミュニケーションは『言葉』と『話し方』で成り立っています。ソシュールという言語学者はこれを「パロール(はなしかた)」と「ラング(ことば)」に分けて表現しました。本授業では、まず「パロール」の学習として、身体表現を中心に学びます。そして、「ラング」の学習として、言語表現の具体的かつ意図的な使い方を身につけていきます。そして、その二つを統合して「コミュニケーションの全体像」を学び、その応用として「プレゼンテーションテクニック」を具体的に実践していきます。
【授業方法】
まず、理論の講義、そして、それを受けての実践で、コミュニケーション能力を培っていきます。適宜、小テストを実施し、解答を次週の授業の冒頭で解説付きで行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、共生力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)人に対する共感と思いやりの心(共生力)が生まれます。
(2)良好なコミュニケーションをとるための、ことば(言語表現)と話し方(音声・身体表現)が学べます。
(3)「自己表現」が豊かになり、楽しい人間関係を(対話を通じて)作り出すことができるようになります。
【身につく力】「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」
授業計画
第 1 回 オリエンテーション コミュニケーションについて 
第 2 回 ヒトにおける表情・言語の発生とその意味(言語はいかにしてスーパーDNAとなり得たのか)
第 3 回 音声・身体表現のコミュニケーションの現場での位置づけ
第 4 回 「アイ・コンタクト」 ミラーニューロン効果から導かれるコミュニケーションの極意
第 5 回 パロールの実践 「E&E会話技法」の研究
第 6 回 基本的な会話技法 「アイスブレーキング」「ラべリング」「ミラーリング」「バックトラッキング」「ペーシング」「コンサルティング」
第 7 回 すべての会話サイクルの原動力としての「質問会話技法」「Open・Closed Question」 「Wide・Narrow Question」 「Disturbing Question」 「Neutral Question」 「Q(uestion).Encourage Question」
第 8 回 理想の質問技法をもとめて アサーティブ(自己主張)・クエスチョン 自己主張から質問への切り替え アグレッシブ・クエスチョンの回避 クオリファイヤー(一歩引いた言い方)の活用 オープン・クエスチョンの活用 コミュニケーション・サイクル
第 9 回 説得現場での「リーディングクエスチョン」の研究 
第10回 プレゼンテーションの表現技法研究(プレゼンの基本)
第11回 プレゼンテーションの表現技法研究(具体的プレゼン技法の研究)
第12回 プレゼンテーションの表現技法研究(テーマの設定と企画)
第13回 パワーポイントの実践(取材・制作・コメント作成・役割分担・表現研究)
第14回 発表とディスカッション
第15回 身体・言語表現・会話テクニック・プレゼン技法 全般のまとめ
関連科目
音声メディア論 コミュニケーションと文化 メディアビジネス特講 I
準備学習等の指示
この授業は、共生力フィールドの授業です。「人を動かす」ということは、まさに、以下①と②にあげるこのフィールドの達成目標が大前提となっています。①他者を共感的に理解する力を持つ。②豊かな自己表現力を持つ。つまり、「人を動かす」ためには、他者に深い共感を持ち、その人の立場に立っての言動が何よりも大切なのです。授業全般を通して、常に「相手」を尊重するスタンスを貫いてほしいと思います。自分の言う事を聞いてほしかったら、まず、相手を理解し、相手の言うことを聞いてあげることが何よりも大切だということを忘れずに授業に臨んでください。また、本授業では、毎回、ミッションシート(質問に答える形でのリポート)を提出してもらいます。さらに、前回の理解度をはかるため、小テストも実施します。そのための予習、復習は、少なくとも30分以上はしてください。 
教科書
特にありません。毎回、レジュメや資料を配布します。必要な文献はその都度支持します。
参考文献
「実践言語技術入門」 言語技術の会編 「説得技術のプロフェッショナル」 伊東 明著 ダイヤモンド社 「ソシュールの思想」 丸山圭三郎著 岩波書店 「言葉力による逆発想のススメ」 中村克洋著 広島経済大学地域経済研究所
尚、授業の最終回に、すべての文献をまとめてお知らせします。
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
(1)出席状況と受講態度…25%
(2)グループワークにおける貢献(発言やリーダーシップの発揮)…25%
(3)ミッションシート(毎回行う講義部分の演習やリポート)に書かれた内容…25%
(4)小テストの成績、「リポート」の提出状況…25%
尚、毎回の提出物が出ていない者は欠席扱いとします。  
実務経験と授業との関連
アナウンサーとして、音声メディアにおける理論、実践を研究し、体得してきた。また、言葉表現のあらゆる現場に身を置いてきた。その経験を活かして、「人を動かすことば」という言語表現と「人を動かす話し方」という会話(身体)表現を研究、指導していきたい。
備考
定員を30名とします。
興動館科目では、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長度をはかるため、「プログレスシート」を作成していただきます。
※社会人基礎力とは…組織や地域社会の中で様々な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力です。