シラバス情報

科目名
宗教学Ⅱ
授業コード
14005
担当者名
岡本 貞雄
副題
宗教と教育・社会
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類

授業内容
本講は、教職に関する講座ですから、身につけた宗教に関する見識が、教職に就かれる方に、実際に生徒指導上役立つような内容にしたいと思っております。
日本という国はどのような精神構造を持つ国なのでしょうか。その基盤を形成する宗教について考えてみたいと思います。身の回りの宗教について考え理解することによって、自分なりの宗教認識を持っていただくことを狙いと致します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
日本人的生き方を理解するうえでの宗教の意味を考えます。生き方の根幹には宗教が介在するということを理解し、そのことを自分なりに説明できるようになることを目標とします 。そのためには幅広い人間的能力を理解しなくてはなりませんので、しっかり自分自身について考えて、社会とのかかわりも考えるようにしてください。【身につく力】 「知識・理解」 「論理的思考力・分析力」 
授業計画
第 1 回 宗教とは何か  この問いに対してまともに答えられる人はほとんどおられません。この講義を通して
の狙いはこの問いにあります。
第 2 回 日本人と宗教1(祭り) 祭りというと皆さんは楽しいフェスティバルのようなものを考えられるかもしれ      ませんが、実際は宗教の根源にかかわることです。そして祭る作業は政治にも関わってきます。
第 3 回 日本人と宗教2(葬儀) 日本では宗教というと葬式と考えがちですが、本当はどうなのでしょうか。葬      儀も宗教の大切な儀式ですが、その機能について考えます。
第 4 回 日本人と宗教3(家族) 家族、先祖というものと宗教を結び付ける考え方はどこから出てきたのでしょ      うか。そこには日本で変化した仏教の特質が大きくかかわっています。
第 5 回 日本人と宗教4(集団) 日本はほぼ単一民族で構成されているため、独特の宗教観があります。日      本の宗教団体を具体的に見ていきます。
第 6 回 民族宗教としての日本の宗教 宗教が個のものであるのか集団のものであるのかを考えてみます。      多くの人は日本人の宗教感覚に矛盾を感じていませんが、その意味を考えます。
第 7 回 日本宗教の諸相 一体どのような宗教があるのでしょうか。日本は世界宗教地図には、仏教国という      位置づけですが、多くの宗教が混在しています。その成り立ちを考えます。
第 8 回 暮らしの中の宗教1(季節) 意識するとしないとに関わらず、生活の中に息づく宗教を見ていきます。宗教儀式というよりは習俗と呼ぶ方がふさわしいものが多くあり、かえって理解が難しい部分もあります。
第 9 回 暮らしの中の宗教2(人生) 私たちの人生の中で無意識にかかわっている宗教について考えます。自分がこれまで生きてきた中で、よく考えてみるとずいぶん宗教的活動をしてきていることを確認します。
第10回 新興宗教 いろいろ問題はありますが今もなを発生し続ける新興宗教について考えます。新興宗教と      いうと何か胡散臭いものと考えがちですが、なぜ興るのでしょうか。そのニーズを考えます。
第11回 新新興宗教 現代においても毎年発生している、最新の宗教について考えます。現代史的には新興      宗教と、新新興宗教という分類がなされていますので、その分類についても考えます。
第12回 宗教がわかるということ 宗教をいかなるものとみなせばよいのか、じっくり考えてみます。ただ何とな      くイメージしているものと実際の宗教の在り様の相違点を理解します。
第13回 現代と宗教 宗教がわからないと世界の重要なことが理解できないことがよくあります。どのように把      握すればよいのか考えます。
第14回 宗教の未来 世界中で宗教は今後どのような変遷をたどるのでしょうか。授業をふまえて予測してみ      ます。今年は世界が宗教によって激変するかもしれません。
第15回 宗教の授業 教職に就いた人がどのように宗教を講義すればよいのかを考えてみます。まず自分の      宗教理解が問われることを認識してください。
関連科目
世界の宗教
日本の宗教
日本の思想と文化
準備学習等の指示
常に授業でどのように宗教を伝えればよいのかを考え続けてください。自分がしっかり理解していないととんでもない内容になってしまいます。宗教とは何かを常に考え続けることが大切です。 できるだけ宗教に関する感度を上げて、日々の生活の中で、宗教的問題を見逃さないようにしてください。そのためには授業の前後で、各2時間程度は関連図書を読む時間を確保してください。
教科書
指定しませんが、
新聞雑誌を含めて、宗教に関する記事には注意を払い、読む癖をつけておいてください。適宜、時事関係の宗教についてのものを提供して皆さんで考えられるようにしていきます。
参考文献
特に指定しませんが、世界は宗教で動いている部分が随分あります。社会の動きに敏感に反応し、広く知識を深め考える癖を身につけるために、新聞雑誌を含め多くの書物に接してください。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験の成績を重視(80パーセント)しますが、出席や受講態度も(20パーセント)評価の対象にします。自分という存在の中で宗教はどのように位置づけされるのかがはっきりつかめていることが重要なポイントになります。その思考の道行も重要なポイントです。さらに宗教が社会と関わる問題も知識として理解されることが大切です。
実務経験と授業との関連
備考
自分自身の問題として宗教との関わりをしっかり考えてください。