不動産実務法務Ⅰ

33007

河口　忠史

不動産取引の契約、権利関係・その他（民法を日常生活に活用）

4.00単位

1年

2019年度後期

不動産実務法務Ⅰ、Ⅱ、Ⅲでは、毎年10月に行われる宅地建物取引士資格試験
（通称、宅建試験）に向けて、国家資格取得を目指すための授業を行います。
宅建士は不動産業界では必須の国家資格で、関連する建設業界や金融業界などでも
評価されており、履歴書に載せて就活のアピールとして活用できます。

実務法務のⅡ、Ⅲは前期に実施し、実務法務Ⅰは後期に実施予定です。
これら３科目で試験範囲をカバーしますが、各科目は重複なく独立していて、
どの科目からでも履修することができます。
モデル履修例　（後期にⅠを履修）→（前期にⅡ、Ⅲを履修う）→10月宅建試験を受験

この「不動産実務法務Ⅰ」では、３分野の内の「権利関係（契約）」分野を学びます。
不動産売買や賃貸の契約に伴う権利や義務、その根拠になる、
民法や区分所有法などの基本的な法律と、その考え方を学びます。
学ぶ内容は不動産取引に限らず身近な生活でも役に立ちます。

この分野は、範囲が広いこともあって勉強に取り組みづらい分野です。
他分野と違って、丸暗記よりも、一つずつ理由付けをして自分で納得しながら
進めていけるかどうかがカギになります。
授業は、おもにスライドを用いて説明を行います。

問題演習は、主に頒布する問題集を使った自宅学習に任せます。

不動産ビジネスに必要な法律の知識を体系的かつ効率的に身につけ、不動産業の業務遂行に
不可欠な専門的知識を習得します。
最終的には、国家資格である宅地建物取引士資格試験に向けて、資格取得に必要な知識の
理解と獲得を目指します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」

2020年４月施行予定の改正民法に対応するため、スケジュールが
たいへん変則的なものになりますので、ご注意ください。

テキストに従って目次の順に全範囲を学習していきます。
第 1回　ガイダンス、契約の成立 9月23日（月）4限
・契約って何？
第 2回　意思表示（詐欺・強迫）　12月12日（木）4限
・いったん結んだ契約でも取り消せる（白紙にできる）
第 3回　意思表示（虚偽表示・錯誤・心裡留保）　12月12日（木）5限
・あるケースでは契約は無効
第 4回　制限行為能力者　12月16日（月）4限
・未成年がした契約を保護者が取り消せる
第 5回　時効（取得時効）　12月16日（月）5限
・何年も持主として居座ると所有権が得られる
第 6回　時効（消滅時効）　12月19日（木）4限
・権利行使せず放っておくと権利も消滅する
第 7回　代理　12月19日（木）5限
・自分の契約の交渉を代理人にしてもらえる
第 8回　無権代理、表見代理　12月23日（月）4限
・代理権を持たない代理人がした契約の後処理
第 9回　債務不履行　12月23日（月）5限
・契約違反について相手の責任を問う
第10回　債務不履行による解除、手付解除　12月26日（木）4限
・契約違反は、白紙に戻せる
第11回　弁済　12月26日（木）5限
・義務の果たし方のいろいろ
第12回　売主の担保責任　1月6日（月）4限
・ハンパモノを買ったら、売主に言えること
第13回　相続　1月6日（月）5限
・人は亡くなると、権利や義務を引き継いでもらう
第14回　遺言・遺留分　1月9日（木）4限
・遺言書の要件など
第15回　物権変動　1月9日（木）5限
・不動産の所有権の取得をめぐる争い
第16回　不動産登記法　1月16日（木）4限
・不動産登記の仕組み
第17回　抵当権　１月16日（木）5限
・不動産を債権の担保に活用する
第18回　保証、連帯保証　1月20日（月）4限
・債権の担保として、保証人を立てる
第19回　連帯債務　1月20日（月）5限
・複数の債務者が連帯した際の扱い
第20回　共有　2月4日（火）1限
・複数の者が共同して所有する
第21回　建物区分所有法　2月4日（火）2限
・分譲マンションの法律
第22回　借地借家法／借家　2月4日（火）3限
・建物の賃貸借契約
第23回　借地借家法／借地　2月12日（水）1限
・土地の賃貸借契約
第24回　不法行為　2月12日（水）2限
・交通事故などの損害賠償請求
第25回　請負　2月12日（水）3限
・建築請負の権利義務
第26回　委任　2月13日（木）1限
・委任契約の権利義務
第27回　債権譲渡　2月13日（木）2限
・債権の売買に関する要件
第28回　相殺　2月13日（木）3限
・かんたん決済
第29回　民法その１　2月14日（金）1限
・物権のいろいろ
第30回　民法その２　2月14日（金）2限
・債権の制度のいろいろ

定期試験：2月17日（月）9:00〜9:50

・不動産実務法務Ⅰ（後期）　不動産の売買契約、賃貸契約
・不動産実務法務Ⅱ（前期）　宅地建物取引業法
・不動産実務法務Ⅲ（前期）　法令上の制限、不動産の税金
それぞれの内容は独立しているので、どれからでも始めることができます。
標準的な履修例：後期にⅠを履修→前期にⅡ、Ⅲを履修→10月 宅建試験を受験

　基本的に、予習は不要です。予定項目の目次に目を通しておく程度で十分です。
　逆に、復習はしっかりしてください。
　目安としては、授業と同じ時間（１時間半）位をかけて復習し、
　対応する本試験問題を、頒布する問題集で解いて自習します。

１．テキスト： 「2020出る順宅建 合格テキスト (1)権利関係」　※1
２．問題集　： 「2020出る順宅建 ウォーク問 本試験問題集 (1)権利関係」（別売）　※2

※1のテキストは、無料で講義内で配付します。
※2の問題集は、別途ご購入が必要です。
　　　書店の販売価格より廉価で（税込1,500円程度）販売します。
　　　購入方法の詳細につきましては、講義時にご案内します。

なし

定期試験を実施しません。

定期試験７０％、出席評価３０％で成績評価します。

宅地建物取引士資格試験
【実施団体】 （財）不動産適正取引推進機構　http://www.retio.or.jp/
【受験資格】 特になし　（実務経験は不要）
【受験料】 7,000円 （※2018年度）
【試験日】 例年 10月第３日曜
【合格発表】11月末から12月初頃
　上記ＵＲＬで、過去の本試験問題を見ることができます。