シラバス情報

科目名
ゲームを通じてグローバル社会を理解しよう
授業コード
35034
担当者名
栗原 理
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】
この授業では、ゲーム・ワークショップを通じて、国際社会の問題について考え、グローバルな視野と歴史的洞察力を獲得します。具体的には、「世界経済のしくみ」、「私と世界のつながり」、「援助について考えてみよう」という三部からなるテーマに分け、それぞれのテーマの具体的な内容に沿ってゲーム・ワークショップや、その結果に基づく発表を行います。
【授業方法】
今日のグローバル社会においてさまざまな問題の中からいくつかのテーマを決め、非常に複雑な現実社会のできごとをモデル化し、それぞれのテーマについて、ゲーム・ワークショップを行った後、ディスカッションを行います。それらの活動を通して、異なる文化や価値観をもつ国々に対する理解、特に先進国と発展途上国の経済的・社会的な格差をはじめとする国際社会の問題について、いろんな角度から皆さん自らの考えを引き出します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、共生力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)これまで自分が生きている環境と異なる世界への関心を高め、共生力を養うための基本知識を習得します。
(2)教えられるのではなく、参加者一人ひとりが自ら感じ、発見し、考え、議論することによって、自己発見能力とプレゼンテーション能力を高めます。
【身につく力】「コミュニケーション能力」「論理的思考力・分析力」「協働して成し遂げる力」
授業計画
第 1 回 オリエンテーション
この授業の内容、目標、スケジュール、授業方法等について説明します。これからの授業を円滑に進めるため、自己紹介し、グループ編成をします。
第 2 回 第一部—「世界経済のしくみ」その1:貿易ゲーム
貿易ゲームを通じて、世界経済の基本的な仕組みを理解し、それにより引き起こすさまざまな問題に気付き、これら問題を解決するための自分たちの考えを引き出します。Reflectionシートを作成します。
第 3 回 第一部—「世界経済のしくみ」その2:ディスカッション
前回の貿易ゲームでまとめたふりかえりシートの下で、グループでディスカッションを行います。
第 4 回 第一部「世界経済のしくみ」その3:コーヒーの歴史を調べよう
コーヒーの基礎知識を知り、発展途上国である生産国と先進国である消費国という経済構造について考えます。
第 5 回 第一部「世界経済のしくみ」その4:アロマ村のコーヒー農園
コーヒーの栽培経験を疑似体験し、生産者の置かれている状況や流通・小売り・消費に関する問題を考えます。
第 6 回 第二部「私と世界のつながり」その1:私たちの生活とケータイ
ケータイの歴史に関するクイズを行った上で、私たち一人一人にとってケータイはどのような存在と言えるのか考えます。
第 7 回 第二部「私と世界のつながり」その2:ケータイの原材料の世界地図とそれをめぐる争奪戦
軽量で多機能を備えた小さな塊—ケータイの中にどういう原材料が入っているかを確認した上、これら原材料の産地の人々はどんな暮らしをしているのかについて考えます。
第 8 回 第二部「私と世界のつながり」その3:売る人、買う人〜広告を読み解く
ケータイを購入するとき、機能、デザイン、値段など、何を基準に選ぶのでしょうか。その時、広告の影響はあったでしょうか。ケータイを購入する際、私たちは広告にどのような影響を受けているのか、振り返って考えます。
第 9 回 第二部「私と世界のつながり」その4:ケータイの生産現場での労働・環境問題を体験しよう
1円ケータイなど安い値段で手に入る理由の一つは、部品などをアジア地域の発展途上国で製造することにより、人件費などコスト削減が可能になっているからです。その一方、これら生産現場の生産者に、ケータイの製造はどのような影響を与えているのかについて考えます。
第10回 第三部「援助について考えてみよう」その1:タイのバーン村で一枚の看板を発見
タイのバーン村で小学校へお金を寄付してほしいという看板を発見します。本時は、「援助」することの意味について考えます。
第11回 第三部「援助について考えてみよう」その2:再びバーン村へ
村人が望んでいる「援助」とは何でしょうか。よりよい援助を提供するため、再びバーン村を巡検します。ここで援助を「する側」と「される側」の認識の違いについて考えます。
第12回 第三部「援助について考えてみよう」その3:本格的援助へ向けて
現地調査の後、現在進行中のプロジェクトの中から自分たちが参加したいプロジェクトを選び、開発プロジェクトの種類や方法を知る上で、開発プロジェクトを評価する視点について考えます。
第13回 第三部「援助について考えてみよう」その4:「される側」から見たボランティア
ボランティアを受け入れる立場から、ボランティアを「する側」と「される側」の課題と問題点を考えます。
第14回 私にできること・できないこと
これまでのワークを通して自分たちができることは何かを考えながら、してはいけない「援助」について考えます。また、参加型開発における「参加のプロセス」について理解をしていきます。
第15回 まとめ・反省会
関連科目
「プロジェクトマネジメント」、「広い世界に飛び出そう」
準備学習等の指示
この授業は、興動館科目の共生力フィールドの授業です。①他者を共感的に理解する力を持つようにするためには、学内及び地域社会の国際交流活動を積極的に参加すること。②豊かな自己表現力をもつようにするためには、毎回の授業で少なくとも1回は発言するよう心掛けること。また、毎回の授業内容を事前にアナウンスしますので、授業日までに30分から1時間程度の予習をしてくると、より授業の理解度が高まります。
教科書
教科書は使用しません。必要なものがあれば、授業でそのつど指示します。
参考文献
必要なものがあれば、授業でそのつど指示します。
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
(1)平常の出席状況と受講態度(15%)
(2)ゲーム・ワークショップへの参加姿勢(20%)、ディスカッションへの参加姿勢(20%)、プレゼン資料の作成・発表(20%)、振り返りシート(5%)
(3)最終レポート(20%)
上記の3点による綜合評価で判断します。
実務経験と授業との関連
備考
定員を30名とします。

興動館科目では、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長をはかるため、「プログレスシート」を作成します。
※社会人基礎力とは…組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力をいいます。

興動館科目は、講義テーマに沿って受講生自らが考え、議論し、展開していきます。やむを得ない事情を除き、15回の授業の全てに出席できることを望みます。