シラバス情報

科目名
自然地理学Ⅱ
授業コード
14029
担当者名
澤 滋久
副題
気候・植生・環境と人間生活とのかかわり、グローバルな視点から
単位数
2単位
配当年次
3年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類
高校一種(地理歴史)

授業内容
◎教職免許のための「教科に関する科目」で、3年次配当(発展応用段階)の授業水準となっています。

世界の自然景観をとりまく「気候」のグローバルなメカニズムをもとに(第一部)、各地の気候・植生等の環境要素の一体的理解を進め(第二部)、管理保全、利用と課題を考察(第三部)します。

授業の形式は、講義とICT活用※です。

毎回その回の実習の続きや、内容をまとめたり応用した課題を復習として学習する「受講レポート」の提出を求めています。最低でも30分はかかるようにしています。復習の際には「受講レポート」に取り掛かることから始めてください。なお、予習は「準備学習等の指示」にあります。

この受講レポートは最終回までに返却します。定期試験ではこれら受講レポートの内容を反映していますので、試験対策のために加筆・訂正をしてください。

※表計算・グラフ作成(データブック・気象庁データ)の実習、教育用素材(NHK for Schoolなど)使用、自治体地図サイト実習を行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
高校教科「地理A」「地理B」の自然地理分野のうち、気候・植生・環境と人間生活とのかかわりに関する部分で、指導を想定して教科内容を習得し、説明ができるようにします(【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」)。

◎具体的には、教職免許(高等学校地歴科)授与の要件科目(必修)です。

なお、この授業の履修は、教職課程優先です。教職課程外の学生の受講もできますが、全ての学生に対して教職免許取得を目的とした授業内容・水準になります。
この目的上、本学で身に着けるべき内容・水準(社会科学)と異質な部分があるので、履修目的をよく考慮してください。
授業計画
第一部 グローバルな規模の気候メカニズム
 第1回 エコシステムと太陽エネルギー入射・生産・消費(オリエンテーションを含む)
 第2回 地球の大気循環と気候帯の形成 ※
 第3回 地球表面の水収支、降水量と蒸発量の緯度的差異 ※
 第4回 気象データの理解、図表読解 ※

第二部 地域規模の気候 〜気候帯が形成する地域の景観
 第5回 熱帯、乾燥帯、温帯
 第6回 冷帯、寒帯、山岳気候 タイガ・凍土と氷河
 第7回 気候帯の植生、土壌への影響
 第8回 熱帯雨林の焼畑、プランテーション農業
 第9回 モンスーンアジアの稲作と人口、文明
 第10回 ヨーロッパ型の気候と農業の地域的差異 ※
 第11回 乾燥気候、乾燥地農業と砂漠化、塩害 ※

第三部 自然環境の管理保全とその課題
 第12回 日本の気候と気象災害
 第13回 森林破壊・砂漠化・水問題 ※
 第14回 地球温暖化と炭素循環から考える排出削減 ※
 第15回 新指導要領対応、ハザードマップとDIG実習 ※
概要(3部構成)・内容については上記の通りですが、授業回割り当てについては、進度や材料の組み換えでの変更がありえます。特に第三部で、「高校での学習活動指導」の理解を念頭に置いた変更も可能性があります。
※の回は、PC使用の実習を予定しています。この実習は、結果を「受講レポート」として次回提出します。
関連科目
自然地理学Ⅰ

(他、教務課で配布の「教職課程ガイドブック」を見て、各自の免許要件に必要な、受講しておくべき科目を確認してください。) 
準備学習等の指示
高校教科書の復習が好ましいです。上記授業内容にあわせ、高校教科書の例として、第Ⅰ部「自然と生活」1章「自然環境と生活」・3節「生活に影響を及ぼす気候」〜5節「日本の自然の特徴と人々の生活」(帝国書院『新詳地理B』の場合)、第2編「世界の諸地域の地域性」第1章「世界の人々の生活を取りまく環境」(第一学習社『高等学校改訂版地理A・世界の暮らしを学ぶ』の場合)、第1編「自然と産業・生活」第1章「自然環境・2世界の気候」(東京書籍『地理B』の場合)など、該当部分を学習しておいてください。

これら準備学習用の資料・授業配布予定プリントなど、HUEナビ「授業資料」にアップしますので利用してください。なお、予習時間はこれらの確認で30分を想定しています。
教科書
二宮書店『データブック・オブ・ザ・ワールド2019』 680円 
◎購入がないと、課題学習・授業内での実習ができません。出席を認められなくなる場合もあります。

このほかに、メインとなる授業内容資料プリントは授業開始前に配布します。原則、予習ができるようHUEナビ「授業資料」にも配布前(2019年1月現時点では月2限の予定のため、その前の金曜夜まで)に載せます。

(追記)下「参考文献」の第一学習社『地理A』にも注意してください。実質「教科書」です。
参考文献
第一学習社『高等学校 地理A 世界に目を向け,地域を学ぶ』640円 です。
東京書籍『地理B』780円、帝国書院『新詳地理B』780円、二宮書店『新編 詳解地理B』780円 です。

いずれも現行の高等学校用教科書です。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/mokuroku/27/__icsFiles/afieldfile/2015/07/15/1357046_3.pdfより) 上記外の高等学校向け地理教科書でも構いません。

◎教職課程・地歴科免許志望の学生は、2年次「地誌」で購入しています。受講に必要最低限の知識であり、定期試験(参照可予定)の出題源でもあるので、教職課程外の受講者は購入/所持を強く勧めます。
定期試験の実施
定期試験(参照可)を実施します。

◎教員資格の認定としての意味があるため、試験範囲・出題概要を示して指導することはありません。
難易度は「参照可でも事前勉強(15時間程度)がないと単位取得は困難」なレベルです。この事前勉強に該当するのが「受講レポート」ですので普段怠ることのないように、です。
成績評価の方法
定期試験成績で評価100%、が基本です。

提出した報告書・受講レポートの評価については、割合配分ではありませんが、定期試験が60点以上・11回以上提出の場合、レポート類提出(=出席)が加点となる計算式を補助的に用いて、これが定期試験の成績を上回った場合に、こちらを最終成績とします。計算式については授業内で説明します。(一般にレポート類全提出しながらも定期試験の点数が悪かった時に大きな加点効果、最大20点、があります。)

なお、正当な理由なく授業回数の3分の2以上の出席がない場合、定期試験の受験を認めません。「正当な理由」は、基本的に教務ガイドで示す「欠席届」の出るものです。HUEナビ上<表示>では一律に「欠席」となりますが、正当な理由のある欠席については配慮しますので、積極的に規則通り届けをとったり相談をし、無断欠席のないようにしてください。 
実務経験と授業との関連
備考
◎ 教職の資格取得を目的とする科目ですので、教員免許授与に認められる学習水準であることが求められています。従って、受講数が良好でも、厳正に<学習結果が思わしくない場合、単位を認定できない>ことに気を付けてください。

特に教職課程外の学生に注意ですが、全ての学生に同じ成績評価基準を適用します。また、教職選択者にはこの科目が必修条件の学生や、時折大学卒業後に免許取得のため履修される先輩方もいるので、
◎学習の妨害にならないことを求めます。
他、詳細はHUEナビ掲示で通知しますので、常に注意してください。