シラバス情報

科目名
租税制度論特論
授業コード
71029
担当者名
一橋 信之
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類
高校専修(公民)

授業内容
租税制度は法律の形式をとっていますので、租税法の法律的解釈が重要となります。そこで、まず、租税法における共通法規としての国税通則法を概観します。国税通則法は個々の法条文を逐条的に精査するのは避け、法の制度の意味内容に注目して租税法の全体構成を理解することを目的とします。そのうえで、こうした租税法の規定による取引の規制が、自由市場の経済学の最適化の考え方とそのように整合的なのかを考察します。また、本講義の重要な目的の一つは、租税判例を読むことができる基礎知識を得ることです。そこで、後半ではこの租税判例を読むための三段論法の理解と訴訟法の基礎的知識を学びます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
実学的観点から租税制度基礎理論を研究し、実社会における租税の実務的能力を養うとともに、修士論文作成のための基礎的知識の習得を目標とします。
授業計画
第1回  憲法における租税法の位置づけと租税法の公法的性質
第2回  行政規範としての租税法と通達行政
第3回  行政規範としての租税法と信義則・禁反言法理
第4回  裁判規範としての租税法と租税争訟制度
第5回  租税法と私法の法解釈原理の違い(公法私法二元論)
第6回  行為規範としての租税法と租税法律主義
第7回  租税回避・脱税の法学的解釈と附帯税の概要
第8回  納税義務の成立と確定
第9回  納税義務の承継・消滅
第10回 租税法規と経済理論(課税処分の意義と経済的効力)
第11回 租税判例のための基礎知識(行政訴訟概論)
第12回 法的三段論法
第13回 判例研究(1)所得税判例
第14回 判例研究(2)法人税判例
第15回 判例研究(3)相続税判例
関連科目
所得税法特論、法人税法特論、消費税法特論
準備学習等の指示
輪番制による発表形式で授業を行うため、毎回1時間以上の予習が必要です。
教科書
『租税法(第23版)』(金子宏、弘文堂、2019年)2019年2月末発行予定、7,020円。
『「税務判例」を読もう!』(木山泰嗣、ぎょうせい、2014年)2,160円。
『ケースブック租税法(第5版)』(金子宏ほか、弘文堂、2017年)、4,860円。
参考文献
授業で随時紹介します。 
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
出席状況・受講態度と課題発表内容により総合的に評価します。
実務経験と授業との関連
税理士として税務実務に長年携わった経験を活かし、相手に対して対抗できる税法解釈論の展開の仕方を指導します。
備考
特にありません。