シラバス情報

科目名
国際関係史
授業コード
16014
担当者名
寺本 康俊
副題
国際関係の歴史と今後に対する国際的な視点
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類

授業内容
近・現代の国際関係、とりわけ国際政治の歴史を中心に講義します。具体的には、近代における国際秩序と主権国家の成立、欧米列強による帝国主義時代の開幕、 両大戦間のベルサイユ体制とロカルノ体制の形成と崩壊、ヤルタ協定とポツダム宣言などの終戦期の米ソの協調と冷戦の開始、ベルリンの壁の構築、キューバ危機、ベトナム戦争や中東戦争などによる冷戦の激化、ニクソン・ショックとデタントなどの冷戦の変容、冷戦終結以後の湾岸戦争、ユーゴスラビア紛争、カンボジア紛争などの地域紛争、9・11事件とテロとの戦争、そしてECからEUへの拡大と深化、経済摩擦、現代の国際秩序など、国際関係の事象の背景、内容、影響などを説明します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
これまでの国際政治体制の歴史とその展開を学ぶことで、現代の複雑な国際関係の基盤となった背景、影響などを深く理解し、今後、国際社会の中で生きてゆく知識や考え方、洞察力などを身につけることを目標とします。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 国際関係史を学ぶ意義とその概要
    −国際関係史を学ぶ意義を考え、近現代の国際関係の全体の流れを概観する。
第2回 近代国際関係の成立と帝国主義時代の展開
    −近代の国際秩序と帝国主義の国際関係はどのように形成され、展開されたのだろうか。
第3回 両大戦間のベルサイユ体制の形成
    −欧州でのベルサイユ、ロカルノ体制とワシントン体制はどのように形成されたのだろうか。
第4回 両大戦間のベルサイユ体制の崩壊
    −ベルサイユ、ロカルノ体制とワシントン体制はどのようにして挑戦され、崩壊したのだろうか。
第5回 第2次世界大戦の終結と米ソ関係
    −ヤルタからポツダム会談などの米ソ協調から冷戦に至る過程はどのように行われたのだろうか。
第6回 戦後の米ソ冷戦の深化
    −ベルリンの壁の構築、キューバ危機などを通じて、米ソ冷戦はどのように深まったのだろうか。
第7回 戦後の米ソ冷戦の激化
    −アジアでのベトナム戦争と中東での中東戦争の発生と激化はどのように展開していったのだろうか。
第8回 国際秩序の変化とデタント、新冷戦
−2度の「ニクソン・ショック」、米ソ軍備管理、新冷戦は、どのように行われたのだろうか。   
第9回 冷戦の終結と地域・民族紛争の発生
    −東欧の民主化、ソ連の解体と湾岸戦争はどのように展開されていったのだろうか。
第10回 ECの創立とEUへの発展
    −ECの創立とその後のEUへの発展はどのような背景で、どのように行われたのだろうか。
第11回 ユーゴスラビア紛争
    −バルカン半島の複雑な歴史と民族、宗教の下で、紛争はどのような背景と展開があったのか。
第12回 カンボジア紛争と和平への国際的努力
    −カンボジアの紛争と和平に対する国連の貢献はどのような内容だったのだろうか。
第13回 アジアの経済発展と日米経済摩擦
    −アジアの経済発展と日米経済摩擦の状況とその後の影響はどのようなものだったろうか。
第14回 9・11事件とテロとの戦い
    −9・11事件とアフガニスタン戦争、イラク戦争の背景、内容はどのようなものであったであろうか。
第15回 現代の国際関係と今後の展望
−現代の米中関係、朝鮮半島、中近東、欧州などの情勢などはどのようなものであろうか。
関連科目
より身近で深い理解のために「日本外交史」を履修することが望ましいです。日本の外交の歩みと日本を取り巻く各国との国際関係の背景、経緯、影響などを学ぶことによって、日本と国際関係の両方の視点から、さまざまな国内・国際的事象を理解できるようになります。
準備学習等の指示
授業の開始前は、各回の授業テーマについて、指定した教科書や関連する参考文献などを使って事前に予習すること(約60分)が必要です。また、授業の終了後は、授業内容のノート、授業で配布した資料などについて十分、復習しておく(約60分)などを行ってください。
教科書
教科書は特に使用しませんが、レジュメ、資料などを配布します。 
参考文献
最初の授業と各授業で適宜紹介します。 
佐々木雄太『国際政治史−世界戦争の時代から21世紀へ』名古屋大学出版会、2011年
柳沢英二郎・加藤正男・細井保・堀井伸晃・吉留公太『危機の国際政治史1873〜2012』亜紀書房、2013年
西川吉光『現代国際関係史(Ⅰ〜Ⅳ)』晃洋書房、1998~2004年
その他
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験の結果(90%) 、および平常点(10%)により評価します。出席回数が11回以上になった場合、学生にとってプラスになるように評価します。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、定期試験の受験を認めません。
国際関係、なかでも国際政治の歴史を知るために必要な国際関係史上のさまざまな事象についての「知識」を深め、その内容をよく「理解」し、その上で、社会科学分野の科目として培われる能力として、多くの物事について筋道を立てて考える「論理的思考力」を身につけ、さらに正確かつ緻密に「分析」して考える能力が身についたかどうかを総合評価します。
実務経験と授業との関連
備考
授業中の私語は厳禁です。 また、授業中の飲食は禁止です。守れない者については以後の出席を認めません。国際関係史を学んで、これまでの国際関係がどのように展開されたかを理解し、今後、どのように推移するかを洞察する能力を身につけてください。