教員名 : 堀江 清二
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科目名
みんなで教材を創ろう
授業コード
35015
担当者名
堀江 清二
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類
授業内容
【授業内容】
この授業でつくろうとしている“教材”とは、教科書などの“物”ををつくることではありません。 “オリジナル授業(参加体験型のプログラム)”をつくっていこうとする内容です。 人は、ただ受け身になって学ぶ時よりも、「他者に教える試み」をした時にこそ、大きな充実感を感じたり、大きく成長したりすると言われています。 そうした考え方を大切にしながら、この科目では、グループワークによって作られた“オリジナル授業”を、互いに体験しあい、評価しあうことを通じ、“人の成長の場をつくりだす「場づくりのノウハウ」”を学んでいきます。 みなさんは、これまで、多くの体験を通じて今の自分をつくりあげてきたことと思います。 これからも、授業、興動館プロジェクト、クラブ活動、アルバイトなどで、様々な人たちに出会い、お互いに“高めあい”をしていくことと思います。そして、社会に出てからは、“仕事”や“子育て”などを含めて、何らかのかたちで“人の成長の場をつくる立場”に皆さんはなっていきます。 つまり、将来、教育業界に属して仕事をする人にとっても、そうでない人にとっても、“人づくり”に関わる機会は無縁ではなく、むしろ必ずやってくる“自分ごと”なのです。 この授業で身に付けたの場づくりのノウハウは、そうしたあらゆるシーンで役立つものとなるでしょう。 “オリジナル授業”づくりのみならず、そもそも人と人の関係性について深く考え、グループワーク力を高める絶好の機会となります。 【授業方法】 ●企画づくり 社会動向や、ふだんの生活の中で「自分が気になること」を洗い出し、その情報の分析をもとに企画作業を進めていきます。企画づくり〜実施〜評価のサイクルは、全15回の授業の中で2回繰り返される予定です。 ●グループワーク ほぼ全ての回でグループワーク活動を行います。企画作業〜運営についてもグループで行います。 ふせんや模造紙などを駆使した「話し合いの手法」についても、授業の過程で習熟していけるよう、特に1〜3回目の授業では、様々なプログラムを体験しながら授業を進めていきます。 ●授業参加カード 最初の授業で配布する「授業参加カード」を全ての授業で使います。「授業参加カード」には、みなさんが授業で感じたことや要望などを適宜記入してもらったり、予習・復習のためのノートとして使ったりします。担当教員は、その情報を参考にしながら、授業内容を最適化していきます。 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、企画力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)企画のための情報収集をする中で、社会で起きている出来事に目を向け、分析する基本的な考え方や手法が身につきます。 (2)参加型学習の基本的な考え方や手法を身につけることができます。 (3)他者との話し合いを通して、新しい企画や改善策を生み出すための「学びあいの方法(グループワーク力)」を身につけることができます。 【身につく力】 「コミュニケーション能力」、「論理的思考力・分析力」、「斬新な発想をする力」 授業計画
◆第1回 教材開発って何だろう?
この授業で扱う「教材」についての基本的な考え方や特徴を、簡単なプログラム体験とその解説によって理解し、この授業の全15回の概要の把握や目的の共有化を行います。 ◆第2回 体験しよう(“参加型の学び”への理解を深める) -1 主に、チームワークづくりなどを目的としたコミュニケーション系のプログラムの体験を行い、参加型学習と教材の可能性について体感していきます。 ◆第3 回 体験しよう(“参加型の学び”への理解を深める) -2 環境問題など、社会の動向に目を向けたプログラム体験を行い、参加型学習と教材の可能性について体感していきます。 ◆第4回 企画しよう 1-1(企画作業の進め方を知る) プログラム企画で大切となる要素を知り、企画の進め方を理解するともに、情報収集を行います。 ◆第5回 企画しよう 1-2(“自分分析”と“世の中分析”) 企画の材料として、自分のことや、自分の身近な生活について目を向け、情報収集や分析を行います。 ◆第6回 企画しよう 1-3(企画の方向性を定める) グループごとにプログラム企画を行います。 ◆第7回 企画しよう 1-4(活動内容を決める) グループごとにプログラム企画を行います。 ◆第8回 グループ企画の実施と評価(1) 各グループがつくったプログラムの実施と相互評価を行う前編。 ◆第9回 グループ企画の実施と評価(2) 各グループがつくったプログラムの実施と相互評価を行う後編。 ◆第10回 グループ企画の実施と評価(3) 各グループがつくったプログラムの実施と相互評価を行います。 また、再度プログラム企画を行うことに向けて情報を収集します。 ◆第11回 企画しよう 2-1(“自分分析”と“世の中分析”) これまでを踏まえて、再度の企画づくりに向けての情報を収集し、分析を行います。 ◆第12回 企画しよう 2-2(ねらいを決める) これまでを踏まえて、再度のプログラム企画を行います。 ◆第13回 企画しよう 2-3(活動の設定を考える) これまでを踏まえて、再度のプログラム企画を行います。 ◆第14回 企画の発表と評価 プログラムの発表と相互評価を行います。 ◆第15回 授業全体のふりかえりと日常への活かし方を模索する これまで自分たちが取り組んできた教材開発をふりかえり、その応用方法についてみんなで話し合うことで授業をしめくくます。 関連科目
社会の出来事についてその要因や背景を思考する授業、あるいは、自己分析を踏まえてコミュニケーションのあり方を考えていくような科目は全て本授業に関連します。
準備学習等の指示
●授業の始まる前に、前回の授業で扱われた用語や、グループ作業の進捗状況や課題としていることについて、最低15分の復習を行ってください。授業開始時に、教員が「前回のおさらい」をしなくても、すぐに新しい内容を始められるように心づもりをお願いします。
●日ごろからテレビや新聞などのニュースを見て、社会の出来事に目を向けるようにしてください。 特に第1回〜4回目の授業を行う期間では、そうした心がけの有無が、企画づくりを通じた皆さんの学びに大きな影響を与えます。できるだけ毎日、ニュースを見るように心がけましょう。 教科書
教科書は使用しませんが、適宜資料を配布します。その資料は以後の授業で使いますので、必ずまとめて保管しておき、各授業に持参してください。
参考文献
必要なものがあれば、授業でその都度指示します。
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
(1)平常の出席状況と受講態度…25%
(2)グループ企画時の参画状況…40% (3)グループ企画の発表時の参画状況や発表内容など…35% 実務経験と授業との関連
チームビルディングのための企業研修や教員研修、広島を訪れる修学旅行生向けのプログラム開発、教育委員会などと連携した授業づくり・教材テキストづくりなどに関わってきました。
そこでの経験も皆さんに示しながら、より「具体性のある企画づくり」を学ぶ場にできればと思います。 備考
●定員を20名とします。
●グループワークへの悪影響を避けるために遅刻は禁止です。 興動館科目では、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長度をはかるため、「プログレスシート」を作成していただきます。 ※社会人基礎力とは…組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力 |