シラバス情報

科目名
興動館プロジェクトの評価と改善
授業コード
35029
担当者名
中村 隆行
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度後期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】
 プロジェクト活動の際に、メンバーが知っておきたいプロジェクト評価の基本的な考え方と具体的な方法について学びます。評価というとどうしても学校の成績のような優劣を決める、合否の判定に使われるというイメージがありますが、本来は改善と説明責任・マネジメントという目的に使われるものです。企業などでは、一般に財務評価、組織評価、事業評価・プロジェクト評価などに分類されます。さらに誰が評価するかによって自己評価、第三者評価、いつ評価するかによって事前評価、事後評価、プロセス評価などに分かれます。評価とは、文字通り価値を評するということですが、価値とはどんな意味でしょうか。皆さんのプロジェクトはどんな成果を挙げたいと考えていますか。そのプロジェクトの本質は何でしょうか。時間とお金をかけてやった値打ちはあったのでしょうか。プロジェクトは何らかの課題を解決しようとするものですが、解決できたのでしょうか。成果が上がったということをどのように証明できるのでしょうか。成長はその人の内部にあり、そのままでは見ることができません。評価指標がないと見える化できません。社会的インパクトをどう測るのか現在議論されている問題です。この点についても皆さんと一緒に考えていきます。プロジェクトをより良いものにしプロジェクトによって地域や社会や人々が元気にあるいは活性化すれば素晴らしい成果を挙げたと言えるでしょう。評価はそのためのマネジメントツールなのです。
【授業方法】 一方的な講義ではなく、興動館プロジェクトを事例に評価のワークを行います。評価書シート・レポートを作成します。発表・プレゼンテーションを行います。
【フィードバック方法】 評価シート・レポートは、添削して返却します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
 本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、行動力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)興動館プロジェクトの活動をより楽しく、より充実したものにするため,どう改善すればいいか考え方と具体的な方法について知ることができます。
(2)より効果的で成果がだせるプロジェクト運営になるよう「マネジメント」の方法を知ることができます。、受講生が参加しているプロジェクトの活性化につながります。
(3)結果ではなく、成果をあげているかどうかを評価することで、プロジェクトにフィードバックさせれば、新たな企画につながる可能性を持っています。
(4)ロジック・モデル、セオリーオブチェンジ、社会的インパクト評価など多様な考え、評価手法、評価指標が知識として存在しますが、これらを実践に活かしていけば、評価は皆さんにとって課題解決に向けた重要なツールになると考えます。また、社会に出たときマネジメントツールとして役立つと思います。
【身につく力】①プレゼンテーション能力 ②論理的思考力・分析力 ③チャレンジする力
授業計画
第1回 イントロダクション
    評価とは何か、なぜ評価するのか、何のために評価するのか、評価の目的は何か、基本的な
    考え方を理解します。
第2回 プロジェクト評価とは—フェーズ1
    プロジェクト評価とは何か、目的、種類、対象について説明します。評価基準についても議
    論します。
第3回 プロジェクトと評価—手順とポイント①評価の対象と評価の目的の特定
   phase1「準備」——プロジェクトの目的は何かを明確にします。
   phase2 プロジェクトの「ビジョン・ゴール」——目標は何か、どうなったら、目的を達したと言えるのか?
第4回 プロジェクトと評価—手順とポイント②評価項目の設定
   phase3 「活動・プロジェクト」ーどんな活動にとりくんだのか、
   phase4 「活動のの価値の種類」——本質、値打ち、意義の3点から分析します。
第5回 プロジェクトと評価—手順とポイント③評価水準の設定
   phase5 「ロジックツリー・モデル」を使ってプロジェクトの構造をビジュアル的に表現してみよう。
   phase6 「評価水準の設定」—指標を考えよう。
第6回 プロジェクトと評価—手順とポイント④事実の特定
   phase7 「事実の特定」ーープロジェクト活動にはどのような意味があったのか。
   phase8 「成長確認」——成長や成果を評価する力、成長し続ける意欲 を評価する
第7回 プロジェクト評価報告書作成
   評価結論(そのプロジェクトは目標を達成したのか、成果は出たのか)のとりまとめをおこなう。
第8回 改善点を考える。
   プロジェクトの評価からわかった課題を抽出する。どうすればよくなるのか考えよう。
第9回 改善点を考える。
   ワークショップ—みんなで改善を出し合おう。多様な視点があることを学びます。
第10回 興動館プロジェクトの評価と改善について総括報告書をつくってみよう。
   自分たちのプロジェクトの評価のデザインをもとに、フェーズごとの評価指標の検討、必要なデ
   ータの収集方法と収集の検討を行います、
第11回 興動館プロジェクトの評価の実践
   自分たちのプロジェクトの評価を行います。評価報告書の作成を行います。
第12回 興動館プロジェクトの評価の報告
   前回作成したプロジェクト評価の報告を行います。
第13回 興動館プロジェクトの改善について
   興動館プロジェクトの改善について議論します。
第14回 プロジェクトへのフィードバック—マネジメントに活かそう
   評価、改善点の抽出、提案、フィードバックを受けて新たなプロジェクトの案を考えましょう。
第15回 総括
   これまでの授業で取り組んできたプロジェクト評価と改善の総括と、授業全体の評価を行いま
   す。
関連科目
 興動館プロジェクトの計画と実践
準備学習等の指示
 興味があるプロジェクトの目的や活動内容などを調べておいてください。情報収集整理、資料作成に60分は必要です。
教科書
教科書は使用しません。必要なものがあれば授業でその都度指示します。
参考文献
佐々木亮 『評価論理—評価学の基礎』 2010年 多賀出版
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
・平常の出席状況と受講態度25%、報告書の内容50%、報告プレゼンテーション25%でなどを総合的に評価する。
実務経験と授業との関連
JICA(国際協力機構)中国の草の根事業選定の外部審査委員、地方自治体のまちづくり助成審査委員、NPO支援センターのCEOとしてプロジェクトの評価や改善に携わってきた経験をもとに授業を行う。
備考
定員30名

経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長度をはかるため、「プレグレスシート」を作成していただきます。
※社会人基礎力とは・・・組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力