シラバス情報

科目名
現代マスメディア論
授業コード
25029
担当者名
徳永 博充
副題
マスメディアの果たすべき役割、言論の自由と責任
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類

授業内容
 インターネットの登場により、私たちのコミュニケーションの形のみならず、その質までもが様変わりしてきています。しかしどんな時代にあっても、「事実を確かめ、確かめられた事実を公正に伝え、多くの人が参加する議論を興し、よって社会をより良くする輿論を育む」というメディアの重要な役割は変わりません。これまでその主役を担ってきたのが新聞、雑誌、テレビなどのマスメディアです。授業では各マスメディアの歴史、現状、これからを学びます。同時にネットメディアの影響力にも注目し、その現状と特徴についても考えていきます。授業ではまず、「知る権利」と「表現の自由」の意味を考えます。さらにこの二つを機能させるために、ジャーナリズムがどんな働きを行うかを実例を紹介しながら見て行きます。取材と報道の仕組みを具体的に学びます。また人々の「知る権利」に奉仕するために、「表現の自由」が保障される一方で、その活動を規制する仕組みがあることも学びます。同様に「言論の自由」が最大限保障される社会にあっても、そこには責任が伴うことについても理解を深めます。現代社会におけるマスメディアの役割を、鳥の目と虫の目で見ながら理解する授業です。
****授業形式**** 
講義が中心ですが、映像資料を使った視聴覚による学びや、最近のニュースの読みとり方や解説を取り入れていきます。受講生の質問、議論は歓迎します。講義のたびに感想や質問を提出して頂き、次回の講義冒頭で紹介ないしは回答を行うことで、考察を深めていきます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
 私たちは社会の事象に盲目であってはなりません。 ”Well informed opinion" を持ち、"Well informed society" を目指す責任があります。それは確かめられた事実を充分に知り、それをもとに公正に議論することで初めて実現可能になりす。そのために役割を果たしてきたのが、新聞、テレビを中心とするマスメディアです。
 授業ではマスメディアの仕組みと働きを理解します。具体的にはその歴史と現状を俯瞰し、マスメディアの持つ公共性の効果を具体例から考察します。さらに、今や大きな社会的影響力を持つネットメディアの特性をマスメディアとの対比によって考えます。マスメディアとは何かを理解し、現代社会に欠かせないジャーナリズムの役割、意味を捉えることができるようになるのが目標です。さらに、マスメディアの学習を通して,社会の仕組みや世界の動きを知ることを目指します。 
【身につく力】情報リテラシー、論理的思考力・分析力、知識・理解
授業計画
第 1 回 シラバスの説明と確認 現代社会におけるマスメディアの役割  
第 2 回 知る権利と表現の自由
第 3 回 放送 放送の始まりから今日まで
第 4 回 放送 批判にさらされるテレビ 
第 5 回 放送 収益性と公共性
第 6 回 新聞 歴史と現状
第 7 回 新聞 ジャーナリズムとして
第 8 回 通信社と出版 役割と歴史 
第 9 回 インターネット デジタル時代のマスコミュニケーション
第10回 インターネット ネットメディアとジャーナリズム
第11回 マスメディアの倫理
第12回 世界のマスメディア
第13回  メディアと権力 メディアと戦争
第14回 メディア・リテラシーと輿論
第15回 終わりに
関連科目
メディアビジネス特講D(映像コンテンツ・ビジネス)、メディア・リテラシー、コミュニケーション論、広告論
映像制作B、映像制作応用
準備学習等の指示
日々、新聞に目を通し、テレビのニュースやドキュメンタリーの視聴を心がけてください。マスメディアが現代社会にどんな影響を及ぼしているのかを考える出発点になります。さらにネットメディアが伝える情報とマスメディアが伝えるそれとを比較してみることも大切です。
意識的なニュース報道のモニターを一日最低でも30分、できるなら1時間以上かけて行いましょう。
教科書
使用しません。必要に応じて資料を配布します。 
参考文献
清水英夫・林伸郎・武市英雄・山田健太(2009)『新版 マス・コミュニケーション概論』学陽書房
有山輝雄・竹山昭子(2004)『メディア史を学ぶ人のために』世界思想社
春原昭彦・武市英雄(2004)『日本のマスメディア』日本評論社
小野善邦(2009)『放送を学ぶ人のために』世界思想社
猪股征一(2006)『実践的新聞ジャーナリズム入門』岩波書店
松下慶太(20012)『デジタル・ネイティブとソーシャルメディア』教育評論社
定期試験の実施
定期試験を実施します。 
成績評価の方法
期間中に1回の小テスト、期末に定期試験を行います。計2回の試験と、毎回の授業後に書く感想、質問、異議を評価対象とします。出席回数が11回以上からは、プラスになるよう評価を行います。
定期試験:60%、出席:20%、感想と質問:20%
実務経験と授業との関連
広島テレビで記者、プロデューサーを務め、NNNのニューヨーク特派員として全米及び中南米の取材を行いました。戦争、原爆、核、移民をテーマにドキュメンタリーを作ってきました。
備考