シラバス情報

科目名
宗教学Ⅰ
授業コード
14004
担当者名
岡本 貞雄
副題
日本人と宗教
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類
中学一種(社会)、高校一種(公民)

授業内容
本講は、教職に関する講座ですから、身につけた宗教に関する見識が、教職に就かれる方に、実際に生徒指導上役立つような内容にしたいと思っております。
日本という国はどのような精神構造を持つ国なのでしょうか。その基盤を形成する宗教について考えてみたいと思います。日本人の多くが自分は無宗教であるといいますが本当にそうなのでしょうか。,
無宗教とは一体どのようなものなのでしょうか。身の回りの宗教について考えてみることによって、自分なりの宗教認識を持っていただくことを狙いと致します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
教職に必要な教養としての宗教を理解します。宗教とは何かという問いに、自分なりの宗教理解をもとに、宗教について自分の考えを語れるようになることを目標とします。しっかり宗教を自分の内在する問題として考える必要があります。 【身につく力】 「知識・理解」 「論理的思考力・分析力」
授業計画
第 1 回 宗教とは何か  この問いに対してまともに答えられる人はほとんどおられません。この講義を通して
の狙いはこの問いにあります。
第 2 回 日本人と宗教1(祭り) 祭りというと皆さんは楽しいフェスティバルのようなものを考えられるかもしれ      ませんが、実際は宗教の根源にかかわることです。そして祭る作業は政治にも関わってきます。
第 3 回 日本人と宗教2(葬儀) 日本では宗教というと葬式と考えがちですが、本当はどうなのでしょうか。葬      儀も宗教の大切な儀式ですが、その機能について考えます。
第 4 回 日本人と宗教3(家族) 家族、先祖というものと宗教を結び付ける考え方はどこから出てきたのでしょ      うか。そこには日本で変化した仏教の特質が大きくかかわっています。
第 5 回 日本人と宗教4(集団) 日本はほぼ単一民族で構成されているため、独特の宗教観があります。日      本の宗教団体を具体的に見ていきます。
第 6 回 民族宗教としての日本の宗教 宗教が個のものであるのか集団のものであるのかを考えてみます。      多くの人は日本人の宗教感覚に矛盾を感じていませんが、その意味を考えます。
第 7 回 日本宗教の諸相 一体どのような宗教があるのでしょうか。日本は世界宗教地図には、仏教国という      位置づけですが、多くの宗教が混在しています。その成り立ちを考えます。
第 8 回 暮らしの中の宗教1(季節) 意識するとしないとに関わらず、生活の中に息づく宗教を見ていきます。宗教儀式というよりは習俗と呼ぶ方がふさわしいものが多くあり、かえって理解が難しい部分もあります。
第 9 回 暮らしの中の宗教2(人生) 私たちの人生の中で無意識にかかわっている宗教について考えます。自分がこれまで生きてきた中で、よく考えてみるとずいぶん宗教的活動をしてきていることを確認します。
第10回 新興宗教 いろいろ問題はありますが今もなを発生し続ける新興宗教について考えます。新興宗教と      いうと何か胡散臭いものと考えがちですが、なぜ興るのでしょうか。そのニーズを考えます。
第11回 新新興宗教 現代においても毎年発生している、最新の宗教について考えます。現代史的には新興      宗教と、新新興宗教という分類がなされていますので、その分類についても考えます。
第12回 宗教がわかるということ 宗教をいかなるものとみなせばよいのか、じっくり考えてみます。ただ何とな      くイメージしているものと実際の宗教の在り様の相違点を理解します。
第13回 現代と宗教 宗教がわからないと世界の重要なことが理解できないことがよくあります。どのように把      握すればよいのか考えます。
第14回 宗教の未来 世界中で宗教は今後どのような変遷をたどるのでしょうか。授業をふまえて予測してみ      ます。今年は世界が宗教によって激変するかもしれません。
第15回 宗教の授業 教職に就いた人がどのように宗教を講義すればよいのかを考えてみます。まず自分の      宗教理解が問われることを認識してください。
関連科目
世界の宗教
日本の宗教
日本の思想と文化
準備学習等の指示
宗教を理解するという作業は大変難しいものです。すぐに独善に陥ってしまいますので、自分の価値観は極力持ち込まないようにして、ニュートラルな気持ちで、授業に臨めるよう精神の安定に心がけてください。日頃からの世界の動静の中で、宗教がいかにとらえられているか、注意してみるようにしてください。次回の授業内容に関する文献を検索し、2時間程度は読み込んできてください。授業終了後は内容に関して確認するために、再度2時間程度は関連図書を読んでください。
教科書
特に指定しませんが、宗教に関する文章は、貪欲に読んでみる癖をつけてください。
参考文献
福井ふみ著『小寺の灯』(大東出版社)ある小さなお寺の奥さんが、書き残した随想の中から、宗教の何たるかを考えるのに最適な書物です。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験を重視(80パーセント)しますが、出席や受講態度(20パーセント)も考慮に入れます。宗教の基本は、自分自身の宗教観にありますので、自分なりの「宗教とは何か」という問いに対する答えが出せるかどうかがポイントになります。答えは一様ではありませんので、自分なりにしっかり考え抜かれているかがポイントになります。
実務経験と授業との関連
備考
自分自身の問題として宗教との関わりをしっかり考えてください。