シラバス情報

科目名
政治学Ⅰ
授業コード
14015
担当者名
寺本 康俊
副題
政治学の基礎を学ぶ
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2019年度前期
教職免許種類
中学一種(社会)、高校一種(公民)

授業内容
政治学における基礎的な概念、理論などを講義します。授業では、私たちが国内や国際社会で生活する中で、さまざまな利害の対立を調整し、社会の制度や仕組みを決定している政治について学びます。現代の多様な政治的事象、事件、問題を取り上げて理解を深めると同時に、政治学の基本的な概念や理論をそれらの具体的事象に関連させながらわかりやすく説明してゆきます。具体的には、国家、政党、議会、内閣、官僚、地方自治、選挙、世論などの政治上の機能や役割を対象とし、主権者としての国民に必要な政治や政治学の知識を身につけてゆきます。
この「政治学Ⅰ」は、国際的な観点から講義する後期の「政治学Ⅱ」に関係します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
新聞、総合雑誌、ニュースなどの社会事象、時事問題、論評などについて、理論と実際の両面から理解し、主権者としての政治的分析力、論理的思考力などの能力を身につけることを目標とします。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」 「プレゼンテーション能力」
授業計画
第1回 イントロダクション
−現代の国内・国際社会における政治や政治学の全体像を俯瞰し、政治学を学ぶ意義を考える。
第2回 民主政治
−民主政治の起源と概念を学ぶ。その後の歴史の推移に伴い、政治はどのように変容しただろうか。
第3回 政策の対立軸、自由主義
−政治的争点による政策の対立、消極的自由と積極的自由とはどのようなものか。
第4回 国家と権力
−国民国家、福祉国家などの国家観はどのように形成されたのだろうか。
第5回 国際関係の中の政治経済
−世界の主権国家システム、国際システム、安全保障を学ぶ。経済的相互依存と対立を考える。
第6回 政党と政党システム
−政党の役割と組織、一党制と多党制などの政党システムはどのようなものだろうか。
第7回 議会と政党
−議会はどのようにして成立し、そして議会での審議はどのように行われるのだろうか。
第8回 内閣制度
−内閣の制度を学ぶ。そして国会と内閣との議院内閣制とはどのような関係だろうか。
第9回 官僚制度と団体
−官僚の機能と役割、そして利益集団の役割とはどのようなものだろうか。
第10回 地方自治制
−中央政府と地方政府との関係を学ぶ。そして地方自治はどうあるべきだろうか。
第11回 政策決定過程
−政策の合理的モデルとは何か、そして国内や対外的な政策決定はどのように行われるのだろうか。
第12回 選挙制度
−選挙制度にはどのような種類があり、それが与える影響はどのようなものだろうか。
第13回 投票行動
−政治参加としての合理的市民像、無党派層とはどのような意味だろうか。
第14回 世論とメディア
−世論の動向、マスメディアの世論に対する影響はどのようなものだろうか。
第15回 全体のまとめ
−さまざまな政治現象や政治学の理論を考え、政治とは何かをまとめてみよう。
関連科目
政治学について国際的な視点から学ぶために「政治学Ⅱ」、そして日本のこれまでの政治外交上の歴史を理解するために「日本外交史」、国際社会の発展と変容、複雑な国際問題を理解するために「国際関係史」を、それぞれ履修することが望ましいです。
準備学習等の指示
授業の開始前は、各回の授業テーマについて、関係する参考文献などを使って事前に予習すること(約60分)が必要です。課題として、国内・国際社会に於ける政治・外交の動きや国際問題を新聞やニュースなどで調べて、レポートとしてまとめてください。授業の終了後は、授業内容のノート、授業で配布した資料などについて十分、復習しておく(約60分)などを行ってください。 
教科書
教科書は特に使用しませんが、レジュメ、資料などを配布します。
参考文献
最初の授業と各授業で、適宜、紹介します。 
川出良枝、谷口将紀編『政治学』東京大学出版会、2012年
甲斐信好『プレステップ政治学(第2版)』弘文堂、2014年
久米郁男・川出良枝・古城佳子ほか『(補訂版)政治学』有斐閣、2017年
その他
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験の結果(70%) 、および平常点(30%:課題レポート、出席点)により評価します。毎回、課題レポートを提出してもらいますが、平常点として評価します。出席回数が11回以上になった場合、学生にとってプラスになるように評価します。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、定期試験の受験を認めません。
政治をめぐるさまざまな事象と政治学についての「知識」を深め、その内容をよく「理解」し、その上で、社会科学分野の科目として培われる能力として、筋道を立てて考える「論理的思考力」を身につけ、さらに正確かつ緻密に「分析」して考える能力が身についたかどうかを総合評価します。 
実務経験と授業との関連
備考
授業中の私語は厳禁です。 また、授業中の飲食は禁止です。守れない者については以後の出席を認めません。政治学を学んで、これまでの日本や世界の政治や外交がどのように展開されたかを理解し、今後、どのように推移するかを洞察する能力を身につけてください。