シラバス情報

科目名
出版メディア論
授業コード
25009
担当者名
阿部 純
副題
出版メディアの基礎
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2020年度後期
教職免許種類

授業内容
 本講義では、出版メディアの中でも日本の戦後の雑誌空間を中心に、出版メディアがどのように社会の結節点として機能してきたかについて概観します。講義の前半では、出版産業についてだけでなく、出版メディアの内容とかたちとを分析しながら、各時代の文化的諸相を読み解いていきます。近年では、出版メディアのある場所も大手書店だけでなく、独立系書店やカフェ、そしてメディア・イベント化したものまで、さまざまな形態を見せてきていることから、講義の後半では出版メディアのある場所について焦点を当てていきます。これらの学修を通じて、出版メディアが担ってきた役割、そして今後担っていくことになるであろう役割について考えていきたいと思います。
 本講義では、授業の終わりに毎回小レポートを提出してもらいます。小レポートの内容については、次の講義の冒頭で振り返りを行います。そして、中盤と後半に演習を取り入れ、出版メディアの内容分析と、出版メディアのある場所のリサーチとを行います。
 
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
【到達目標】
・出版・印刷メディアの具体事例から、現状と課題を把握し、自身の言葉で説明できるようになること。

【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「プレゼンテーション能力」
授業計画
第1回 オリエンテーション
第2回 印刷:グーテンベルグから電子出版まで
第3回 出版概況:自費出版からオンライン書店まで
第4回 雑誌文化(1):ジェンダーの変遷
第5回 雑誌文化(2):情報誌・ライフスタイル誌
第6回 演習:誌面デザインの分析
第7回 雑誌文化(3):知育系・ファッション系付録
第8回 同人文化(1):ガリ版文化・運動・喫茶店
第9回 同人文化(2):同人誌・リトルプレス・zine
第10回 書店:書店と取次、独立系書店
第11回 出版にかかわる場とコミュニティ
第12回 演習:出版メディアのある場所について再考する
第13回 演習:発表用資料の整理
第14回 発表・ディスカッション
第15回 まとめ
関連科目
「メディア論」「メディア・リテラシー」「メディア文化史」など
準備学習等の指示
配布したプリントを再読するなど、前回分の予習(20分程度)をしてから授業に臨むようにしてください。演習の回の前後では、内容分析をする雑誌の調達や本のある場所の調査が予習・復習として入ります(30分程度)。
教科書
教科書は使用しません。毎回プリントを配布し、スライドを用いて講義します。
参考文献
適宜授業で伝えますが、下記の文献は入手しやすく読みやすい文献ですので、手にとって読むようにしてください。
福嶋聡(2016)『書店と民主主主義』人文書院
難波功士(2009)『創刊の社会史』筑摩書房
ばるぼら ・野中モモ(2017)『日本のZINEについて知ってることすべて』誠文堂新光社
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
期末試験(60%)、演習時の提出物・プレゼンテーション(30%)、各回の小レポート(10%)
実務経験と授業との関連
備考
本授業では、受講生のみなさんの積極的な参加を求めていますので、関係のない私語や居眠りは厳禁です。ほかの授業で学んだことを念頭に置きつつ、授業に臨むようにしてください。