シラバス情報

科目名
グローバル金融市場論
授業コード
21069
担当者名
福居 信幸
副題
国際的な資金の流れを理解する
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2020年度前期
教職免許種類

授業内容
グローバル金融市場の実態を考察し、日本経済や世界経済との関係を検証します。まず、国際金融市場における銀行の働き、海外の株式・債券市場の現状や機関投資家の動向、直接投資やODAの動向などを概観し、次に、国際資金フローを把握する際に重要な国際収支統計のしくみを学び、日本や主要国の国際収支の実態を考察します。そして、これらの考察をもとに、外国為替市場のしくみや為替相場の決定要因などを学びます。さらに、国際通貨制度の変遷や過去の通貨・金融危機の要因を分析し、その防止策を学んだうえで、現在の米ドル一極体制に代わる国際通貨制度のあるべき将来像を展望します。最後に、フィンテックやESG投資など国際金融の新たな動きを紹介します。毎回授業の最後に、当日の講義内容を踏まえた課題を出し回答を求め、次週の授業の冒頭で各自の回答傾向や解答例などを解説します。また、授業外のレポート提出を第14回授業日(予定)までに1回求めます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
国をまたがる資金の流れや外国為替取引に関するしくみの概要に加えて、国際金融取引が世界経済に与える影響などについて説明できるようになることを目的とします。また、主要な国際金融の用語や商品に関する知識を深め、国際金融に関するニュースを論理的に分析できる力を身につけることを目的とします。最終的には、企業(金融機関)や家計の一員として、様々な国際金融リスクを踏まえたうえで適切な金融行動がとれるようになることを目指します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第 1 回 オリエンテーション 
第 2 回 国際送金のしくみと銀行の働き(国際決済、貿易金融、国際融資など)
第 3 回 国際資本市場(債券市場、株式市場)の概要と動向
第 4 回 機関投資家(保険会社、年金、投資信託、ヘッジファンドなど)の概要と動向
第 5 回 直接投資の概要と動向
第 6 回 公的金融(ODA)の概要と動向
第 7 回 国際収支統計のしくみ
第 8 回 日本の国際収支構造と各国比較
第 9 回 外国為替市場のしくみ
第10回 為替相場の決定要因とドル・円相場動向
第11回 国際通貨制度の変遷
第12回 通貨・金融危機(中南米累積債務危機、アジア通貨危機など)の概要と危機対応
第13回 世界金融危機(リーマン・ショック)の概要と危機対応
第14回 ユーロ誕生の経緯・欧州債務(ユーロ)危機の概要と危機対応
第15回 国際金融の新潮流(フィンテックを中心として)
関連科目
本講義を履修するにあたっては、あらかじめ金融論Ⅰ・Ⅱを履修しておくことが望ましい。その他、関連する内容を持つ科目として、国際経済基礎Ⅰ・Ⅱ、国際貿易論、国際金融論、外国為替論、外国為替実務、金融政策論がある。
準備学習等の指示
新聞(日本経済新聞が望ましい)の経済・金融に関する記事を毎日10分以上かけて読む習慣を身につけて下さい。Hueナビに予め掲示される授業資料を読んできて下さい。分からない用語などは事前に調べてくるとより授業の理解度が高まります。20分以上は予習にかけましょう。また、当日配布されるプリントをもとに20分以上時間をかけて復習して下さい。授業期間中1回の提出が義務づけられる課題レポートは、下調べの時間を含め短くても4、5時間以上はかけて作成するようにして下さい。
教科書
教科書は使用しませんが、毎回パワーポイント資料を配布します。 
参考文献
野口悠紀雄『世界経済入門』(講談社現代新書)、深尾光洋『国際金融論講義』(日本経済新聞社)、藤原秀夫・小川英治・地主敏樹『国際金融』(有斐閣アルマ)、国際通貨研究所『外国為替の知識〈第4版〉』(日経文庫)、倉都康行『危機の資本システム』(岩波書店)、その他講義のなかで適宜紹介します。  
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験60%、レポート25%、受講態度等15%として総合的に評価します。出席日数が3分の2に満たない場合は定期試験の受験を認めません。受講態度等は出席状況等により評価され、特に11回以上の出席は1回ごとに1点が100点満点の外枠で加点されます。ただし、100点を超えた場合は100点満点とします。さらに、毎回授業の最後に与えられる課題に対する優れた回答には加点がある一方、受講意欲が感じられない回答や受講態度が芳しくないと判断される場合には減点があります。  
実務経験と授業との関連
金融業界で融資、証券、外国為替、経営企画、経済調査(特に国際通貨制度の調査)などの業務を担当、また、国際金融市場であるニューヨーク、ロンドン、香港で計13年間の勤務経験があり、授業では、その経験を活かし、実務家とエコノミスト双方の視点から、グローバル金融市場の現状や課題について解説します。
備考
パワーポイント資料はHueナビ「授業資料」に掲載しておきますので活用して下さい。なお、授業前は当日の配布資料、授業終了後は前週の穴埋め問題の解答や課題解説などを含むスライドで表示された全ページが掲示されますので、予習は前者を、復習は後者を活用して下さい。特に、レポートの課題・提出要領など授業で説明したことで重要な点は、改めてHueナビで掲示することがありますので、各自該当箇所のチェックを励行して下さい。また、Q&A機能などの有効活用をお勧めします。