教員名 : 田中 健
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科目名
哲学Ⅱ
授業コード
14002
担当者名
田中 健
副題
哲学と現代Ⅱ
単位数
2単位
配当年次
2年
開講学期
2021年度後期
教職免許種類
授業内容
私たちは、高い生産力と大量の情報を高速で処理する技術によって成り立つ便利な生活を送っています。しかし、それにもかかわらず、正義や公正を実現すること、また多くの個人が幸福になり得る社会のあり方を整備することが、充分にできているとはいえません。この授業では、現代社会の様々な問題について先哲がどのように論じてきたかを説明し、その有効性と限界を考えていきます。
15回の講義のうち5回、授業終了後にコメントペーパーを提出していただきます。そのうち特にすぐれた見解や陥りがちな誤解を次の授業で取り上げ、解説や補足説明を加えていきます。 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
様々な社会問題の背後に横たわっている、「効率と公正」、「対立と合意」、「協調」、「持続可能性」などの理念が哲学の領域においてどのように論じられてきたかを正しく理解し、その理解に基づいて、現代を生きる私たちがどのような社会を目指すのかを思考し、議論できるようになること。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」 授業計画
第1回 ガイダンス/哲学とは
第2回 言語と人間(ソシュール、ヤコブソン) 第3回 言葉の「意味」とは(フッサール、オースティン) 第4回 動物の権利‐種差別の超克(シンガー) 第5回 善と悪(ベンサム、J.S.ミル、カント) 第6回 勤勉という徳(ウェーバー、ラッセル) 第7回 平和主義と戦争(カント、フロイト) 第8回 平和主義と平和主義批判(ラッセル、オルテガ、ベンヤミン) 第9回 リベラリズム(ロールズ) 第10回 リバタリアニズムとコミュニタリアニズム(ノージック、サンデル) 第11回 公共性(ハーバマス、アーレント) 第12回 マスメディアと消費社会(ブーアスティン、ボードリヤール、ホルクハイマー=アドルノ) 第13回 社会と個人(フロム) 第14回 死について(エピクロス、ハイデガー、ネーゲル) 第15回 未来世代への責任(ヨナス) 関連科目
哲学Ⅰ
準備学習等の指示
予習は不要です。復習を中心に取り組んでください。
配布資料とノートで授業の要点を確認し、取り上げられた問題について「自分はどう考えるか」を短い文章にまとめて下さい。所要時間の目安は60〜90分です。 教科書
『テオーリア 最新倫理資料集 新版二訂』第一学習社、2019年。
参考文献
門脇俊介『現代哲学』(産業図書、1996年)
冨田恭彦『哲学の最前線』(講談社現代新書、1998年) Th・ネーゲル『哲学ってどんなこと?』(昭和堂、1993年) 野矢茂樹『哲学の謎』(講談社現代新書、1996年) B・ラッセル『哲学入門』(ちくま学芸文庫、2005年) 定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験60%、コメントペーパー40%で評価します。
出席回数が11回以上の場合、100点満点の外枠で出席点を加算します。ただし、成績の全合計が100点を超えた場合、超過分は切り捨てます。 実務経験と授業との関連
備考
私語と飲食は禁止します。
状況によっては、着席座席の指定を行います。 |