教員名 : 中村 隆行
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科目名
興動館プロジェクトの計画と実施
授業コード
35026
担当者名
中村 隆行
副題
単位数
2単位
配当年次
1年
開講学期
2021年度前期
教職免許種類
授業内容
【授業内容】
「こんな取り組みをしたら社会が楽しくなるのに」、「この活動で社会の課題を解決できるのでは」など、皆さんの思いや志を「形にしてみる」のが「プロジェクトの計画・実施」の授業です。胸の内に秘めているだけでは問題は解決しません。目的をかかげ、ビジョン実現に向けて実施計画を立ててみましょう。プロジェクトの第一歩が始まります。次に実際にプロジェクトに取り組もうとすると様々な課題に直面します。社会環境の変化によって影響を受けることもあるでしょう。チームの中でリーダーシップや、モチベーションの違い、コミュニケーションの問題など悩むことも出てくるでしょう。組織をどのようにつくればいいのでしょうか。これらにどう対応して行くか「マネジメント」の問題です。経済・経営の教科でマネジメントやマーケティング、経営戦略、など勉強しますが、まさにこれらの専門性を総動員することでプロジェクトは進みます。専門分野とプロジェクトを結びつけることも本講義の目的です。プロジェクトの立ち上げから実施までのプロセスを学習していきます。 【授業方法】 (1)ワークショップを実施します。課題抽出、プロジェクトについての議論、計画書作成、企画書発表などワークを行います。 (2)グループで議論し作り上げてきた計画をプレゼンテーションします。 【フィードバック】 課題レポートを提出してもらいます。翌週、ポイントを解説し、返却いたします 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、人間力を養う興動館科目の4つのフィールドのうち、行動力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
(1)何のために何をやり遂げたいのか常にはっきりしていることにより、その全体を俯瞰して具体的に行動することができる。 (2)専門教科(マネジメント、マーケティングなど)とプロジェクトは結びついています。これらの専門的知識を学び、プロジェクトに生かせることになります。 (3)プレゼンテーションで、伝える力を身に付ける。 (4)論理的思考を身に着ける。 【身につく力】①チャレンジする力 ②問題解決力 ③協働して成し遂げる力 なお、この授業は、興動館プロジェクトに直接かかわる内容であるため、興動館プロジェクトメンバーの履修を優先します。 授業計画
第1回 オリエンテーション・ガイダンスとアイスブレイク
授業の進め方や、プロジェクトの基本的な考え方を説明します。アイスブレイキングを通じて仲間づくりをします。 第2回 プロジェクトとは何か—何を解決する、何をやり遂げたいのかを明らかにする 最初に、思いや志、やりたいことが明確でないとプロジェクトは立ち上がりません。ある目的を果たすための構想や計画はどうつくるのか、思いを形にする方法としてロジックツリーを活用して考えてみます。 第3回 プロジェクト—課題を発見する— これを解決したいという思い・志・夢 から興動館プロジェクトは出発します。ヒントとして、国連で取り決めている、「SDGs」について紹介します。これをもとに受講生の皆さんは関心のある分野の問題を調べます。 第4回 チームをつくる。 一人では解決が難しい問題も、同じ志の人がチームで取り組めば解決が可能になるでしょう。チームづくりについて議論するとともにチームを作ります。 第5回 プロジェクトを立ち上げる—案を出しあう、会議の進め方 プロジェクトについてみんなで案を出して意思決定する。会議で合意することは結構難しいですが、思いを確認し共有するにはどうすればいいでしょうか。コミュニケーションについて実際に体験を通じて考えます。 第6回 プロジェクトを立ち上げる—計画を立てる プロジェクトのプロセス(立ち上げ—計画—実行—チェックと改善—)を理解する。PDCAサイクルを理解する。 第7回 計画を立てる—5W2H(What, Who, Why, Where, When, How, How much) ①成果物(アウトプット・アウトカム)を考える、②目的と目標(goalは何か)が必要 ③始まりと終わり (スケジュール)が必要 ④独自性が必要 この4つについて学ぶとともに、実際にプロジェクトの企画書を作っていきます。 第8回 計画を立てる チームで議論しながら、企画の構想を練り直します。具体的には、目的、内容、計画といった項目でプロジェクトの企画を検討します。経営資源は調達できますか。実現は可能でしょうか。、チームで取り組むため、役割分担はできているか。ディスカッションします。 第9回 リーダーシップ、モチベーション、コミュニケーション 皆でプロジェクトを進めようとするとポテンシャルの違いやモチベーションの違いなど問題に直面します。 リーダーに求められるものは何でしょうか。モチベーションを高めるにはどうすればいいのでしょうか。コミュニケーションはどうすればうまくいくのでしょうか。現場の声も聴いてみます。 第10回 まとめる 自ら見出した課題を現実的に解決する方法を考え出し、他者に役立つ提案にする、そのためには、エビデンス(根拠、証拠)を添え、簡潔で分かりやすい方法や考え方を伝える力が必要です。実践してもらいます。 第11回 プロジェクトのプレゼンテーション—伝える力 プレゼンテーションを行います。伝えるためのポイントを考えます。 第12回 実施するに際しての課題—ファンドレイジング・・資金調達とは何か ファンドレイジングとは何か?クラウドファンディングとはなんでしょうか。これを通じてプロジェクトのミッション使命を考察します。 第13回 リスクを管理する リスクの基本的な考え方やリスクマネジメントについてポイントを説明します。 第14回 プロジェクトー何を評価するのか 「ふりかえり」をしてみます。 なんのために何をどのように評価するのか。よりよいプロジェクトにするための評価の方法を学びます。 第15回 総括 プロジェクトの計画と運営についての学んだことを通じて、リサーチから自分がやってみたいプロジェクトの計画を発表します。 関連科目
興動館プロジェクトの評価と改善, 興動館プロジェクトの経営戦略
準備学習等の指示
この授業は興動館科目の行動力フィールドの授業です。
毎回、フィールドの到達目標を意識して授業にのぞんでください。(到達目標:①失敗を恐れず、粘り強く挑戦する力を持つ。②行動するための手順や方法を考え、実践する力を持つ。) 興味があるプロジェクトの目的や活動内容などを調べておいてください。情報収集、整理、資料制作に60分は必要です。 教科書
教科書は使用しません。
参考文献
『プロジェクトマネジメント入門』一般社団法人プロジェクトマネジメント学会、2013年
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
①平常の出席状況と受講態度25% ②プレゼンテーション発表30% ③プロジェクト企画書・レポート45% を総合判断して評価する。
実務経験と授業との関連
NPO支援センターで様々なプロジェクトを立ち上げ(まちづくり、福祉、環境、国際貢献、スポーツ・文化、など)に関わるとともに、実施してきました。その経験を活かして授業を行います。
備考
定員30名
興動館科目では、経済産業省が推奨する「社会人基礎力」の伸長度をはかるため、「プログレスシート」を作成していただきます。 ※社会人基礎力とは・・・組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力 |