シラバス情報

科目名
地誌
授業コード
14020
担当者名
澤 滋久
副題
地誌の学び方、指導のあり方
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2022年度前期
教職免許種類
中学一種(社会)、高校一種(地理歴史)

授業内容
「地誌の学び方,指導のあり方」をテーマに,各地域の特性(地域性)をとらえるための知識・技能についての理解を深め、教科指導が可能な水準の知識を習得します。

①高等学校学習指導要領中の「地誌」の基本的特徴、②各地域の地域性の理解をし、③地理教材開発に向けた基礎事項の自主研究(地誌報告書作成)を行います。これらを通して中・高等学校の地理授業における「地誌」(特に「現代社会の地誌的考察」部分※)の習得を目的とします。
※ 平成30年告示「高等学校学習指導要領・地理探求」の大項目Bに該当する部分です。

◎ 教職課程の「教科に関する科目」、教職免許の取得を目的とした授業です。

◎ ①②第1回〜第10回、第14回の学習内容に即した「受講レポート」の課題と、③11回〜13回で各自が取り組む8千字程度の「地誌報告書」と、いずれも受講成果として提出を課しています。
受講レポートの内容は、定期試験前に返却しますので、再度学んだこと(高校〜1年次「世界の地理Ⅰ・Ⅱ」を含む)を確認してください。また、地誌報告書については提出後学習指導要領に沿った「地誌的考察」をまとめておいてください。いずれも定期試験の出題に大きく反映します(出題は、これらの参照が必要なものです)。

これら課題を通して、高校地理教科の指導ができる能力を身につけます。

なお、一般学生向けの「関心・視野の広がり」「学問の基礎となる教養の修得」を目的とした科目ではありません。特に第2〜4回授業の「学習指導要領」に関する部分があることに注意してください。本学のカリキュラム編成上は「基礎」ですが、スケジュール上「教職課程では2年次に学ぶ必要がある」ための「段階」の意味で、「学問の基礎」ではありません。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
「地誌の学び方を指導できる水準の教科内容知識」の習得です(【身につく力】①知識・理解)。教職免許授与を踏まえた到達目標としています。

また、高等学校の地理B学習指導要領にある「地誌的考察」に該当する作業も求められます(【身につく力】④論理的思考力・分析力、⑩情報リテラシー)。※

※ 教科指導案に応用できる材料の収集を行い、「地誌的考察」作業のモデルが作れるよう、8千字程度の「地誌報告書」作成・提出を必須とします。卒業論文制作にも役立ちます。

なお、この授業の履修は、教職課程優先です。教職課程外の学生の受講もできますが、全ての学生に対して教職免許取得を目的とした、難度の高い水準での授業内容になります。(資格取得向け)
授業計画
第1回 ガイダンス:授業の目標,内容と進め方
第2回  高等学校地理の指導要領中の「地誌」の見方 …「現代世界の地誌的考察」
第3回 地誌における地域の概念と現代世界の地域区分 …「現代世界の地域区分」
第4回 指導要領を読む・「地誌的考察」の方法と「展開例」
第5回 地誌におけるアジアの地域性(1)アジア全般・東アジア …「現代世界の諸地域」
第6回 地誌におけるアジアの地域性(2)東南アジア・南アジアの地域性 …(同上、第10回まで)
第7回 地誌におけるアジアの地域性(3)西アジア・中央アジアの地域性
第8回 地誌におけるヨーロッパの地域性
第9回 地誌におけるアフリカ・南アメリカの地域性
第10回 地誌における北アメリカの地域性
第11回 報告書作成についてのオリエンテーション
第12回 地誌報告書から学習指導案への発展(オセアニアの地域性を例に)
第13回 学習指導案のための教授書のしくみ(ロシアの地域性を例に)
第14回 持続可能な社会を考える・地誌に書くもの
第15回 まとめ−SDGsの視点に立つアジア地域の地誌学習− 

※第2回〜第10回の …「(項目名)」は学習指導要領や高校教科書にある項目です。
関連科目
教職課程の2年次履修者に合わせた授業です。地理学Ⅰ・Ⅱ、世界の地理Ⅰ・Ⅱの既修・履修中を前提としています。教職課程の受講者が必要な「関連科目」は「教職課程ガイドブック」を参照ください。
(学習指導要領では、地誌は最後に位置し、「これまでの学習事項のまとめ」とされています。)
準備学習等の指示
各自が作成する報告書作成のテーマ設定とその理由を常に考えながら講義に臨むこと。そのためそれに関連する文献を読んでおいてください。これ以外に「学習指導要領」の読みこなしも強くお勧めします。https://www.mext.go.jp/content/1384661_6_1_3.pdf(高校)、https://www.mext.go.jp/content/1413522_002.pdf(中学)。

なお、毎回その授業回終了後の「受講レポート」課題の指示をします。
これとは別に最短でも30分は教科書や学習指導要領・同解説書での予習時間確保を習慣づけてください。

この受講レポートは、授業終了回までに返却します。返却した受講レポートの内容は、定期試験での出題にほぼ直結します。
教科書
◎第一学習社『高等学校 新版 地理A 世界に目を向け,地域を学ぶ』652円(高校教科書・地A310)
◎帝国書院『新詳高等地図』1379円(高校教科書・地図310)
文科省教科書目録 https://www.mext.go.jp/content/20210604-mxt_kyokasyo02-000014470_4.pdf

これらは購入が必須です。授業に持参していない場合は受講をお断りすることもあります。

なお、この教科書は、通常書店では扱っていないところ、ブックセンターのご厚意で入荷しています。ブックセンターは最初の受講者数に応じて冊数を入荷して、返品はききません。
◎HUEナビ上で安易に選択し、1回目授業で授業レベル等について困難に気付いて履修取り消しをすることで、ブックセンターに迷惑をかけることが多くなっています。
参考文献
文部科学省『高等学校学習指導要領解説 地理歴史編』(書籍体は教育出版等で出版・販売、
PDFでの入手も可https://www.mext.go.jp/content/1407073_03_2_2.pdf
東京書籍『地理B』、
帝国書院『新詳地理B』、
二宮書店『新編 詳解地理B改訂版』
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
◎成績は、基本的に定期試験成績を100%とします。

提出した報告書・受講レポートの評価については、定期試験が60点以上・11回以上提出の場合、レポート類提出(=出席)が加点となる計算式を補助的に用いて、これが定期試験の成績を上回った場合に、こちらを最終成績とします。計算式については授業内で説明します。なお定期試験の出題は、これら提出物フィードバックの参照を前提としたものなので、提出物の学習は試験成績に影響します。

なお、正当な理由なく授業回数の3分の2以上の出席がない場合、定期試験の受験を認めません。「正当な理由」は、教務ガイドを参照ください。この欠席については配慮がありますので、積極的に規則通り届けをとったり、事情について相談をするなどし、無断欠席のないようにしてください。
実務経験と授業との関連
備考
◎ 資格取得の要件とする科目ですので、教員免許認定できる学習水準であることが求められています。従って、受講数・学習態度が良好でも、厳正に<学習結果が思わしくない場合、単位を認定できない>ことに気を付けてください。

特に教職課程外の学生に注意ですが、全ての学生に同じ成績評価基準を適用します。
また、受講者にはこの科目が必修条件の学生や、時折大学卒業後に免許取得のため履修される先輩方もいるので、◎学習の妨害にならないことを求めます。私語等受講態度の注意をしなければならない事態はあってはならないことです。

他、詳細はHUEナビ掲示で通知しますので、常に注意してください。