租税制度論特論 a

71024

一橋　信之

2.00単位

1年

2022年度前期

高校専修（公民）

租税制度は法律の形式をとっていますので、租税法の法律的解釈が重要となります。そこで、まず、租税法研究の前提としての法学の基礎知識を学びます。そこでは、この租税判例を読むための三段論法の理解と訴訟法の基礎的知識を学びます。また、本講義の重要な目的の一つは、租税判例を読むことができる基礎知識を得ることです。代表事件における判例研究を学修したうえで、租税実体法（所得税法、法人税法など）の概論を学び、こうした租税法の規定による取引の規制が、自由市場の経済学の最適化の考え方とそのように整合的なのかを考察します。

実学的観点から租税制度基礎理論を研究し、実社会における租税の実務的能力を養うとともに、修士論文作成のための基礎的知識の習得を目標とします。

第1回　 憲法における租税法の位置づけと租税法の公法的性質
第2回　 行政規範としての租税法と通達行政
第3回　 行政規範としての租税法と信義則・禁反言法理
第4回　 裁判規範としての租税法と租税争訟制度
第5回　 租税法と私法の法解釈原理の違い（公法私法二元論）
第6回　 行為規範としての租税法と租税法律主義
第7回　 租税回避・脱税の法学的解釈と附帯税の概要
第8回　 納税義務の成立と確定
第9回　 法的三段論法と租税判例
第10回　判例研究（１）所得税判例
第11回　判例研究（２）法人税判例
第12回　判例研究（３）相続税判例
第13回　租税の経済理論（ミクロ経済学の視点から）
第14回　租税実体法と経済理論１（所得課税の経済最適化理論）
第15回　租税実体法と経済理論２（資産課税の経済最適化理論）

所得税法特論、法人税法特論、消費税法特論

輪番制による発表形式で授業を行うため、毎回1時間以上の予習が必要です。

『租税法（第24版）』（金子宏、弘文堂、2021年）、7,150円。
『ケースブック租税法（第5版）』（金子宏ほか、弘文堂、2017年）、4,950円。
『「税務判例」を読もう！』（木山泰嗣、ぎょうせい、2014年）2,200円。
租税の経済理論に関する文献は授業において紹介します。

授業で随時紹介します。　

定期試験は実施しません。

出席状況・受講態度と課題発表内容により総合的に評価します。

税理士として税務実務に長年携わった経験を活かし、相手に対して対抗できる税法解釈論の展開の仕方を指導します。

特にありません。