シラバス情報

科目名
社会心理学
授業コード
13001
担当者名
神田 義浩
副題
人間関係のあり方
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類

授業内容
『人間は社会的動物である』と言われるように、無人島にでも住まない限り人間は一人では生きていくことができません。他者の影響を全く受けないで生活していくことは至難の業です。その意味で人間関係は社会生活を営むうえでたいへん重要な要因であると言えるでしょう。
また、現実生活においても複数の人による集団が形成されるとそこに様々な心理的要因が介在し、一人でいるときには決してしないような極端な行動をとってしまうことがよくあります。本講義では、日常的にもよく経験する様々な人間関係や集団にまつわる問題やその時の心理状態を理解していくことに主眼をおいています。
毎回の講義で取り上げるテーマは特別な人の話ではありません。誰もが特定の状況の下では一定の心理状態になったり、場合によっては犯罪的な行動までもしてしまうことを、様々な心理テストやビデオ、映画等を取り入れつつ明らかにしていく予定です。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
1.複雑な心の動きをその人が置かれた状況に注目して客観的・科学的に理解すること。
2.一人の時の心理状態と他者が存在する時の心理状態のギャップに気づくことができること。
3.人間心理の闇の部分が現れた様々な事例から人間の心の光の部分に気づくことができること。
【身につく力】「知識・理解」、「論理的思考力・分析力」、「問題解決力」
授業計画
第 1 回 オリエンテーション
第 2 回 母子関係 −人生で最初の重要な人間関係−
第 3 回 印象形成 −第一印象は正しいか?−
第 4 回 対人魅力 −思春期と恋愛の心理−
第 5 回 ストーカーの心理 −誰もが陥る可能性のある心の闇−
第 6 回 援助行動、災害心理 −まわりに人がたくさんいるほど援助されにくい?−
第 7 回 心の知能指数(EQ) −よりよい人間関係を築く能力とは−
第 8 回 同調と集団圧力、集団的手抜き −赤信号、みんなで渡れば怖くない?−
第 9 回 説得の技法 −企業が売りたい商品を消費者に買わせるための様々なテクニック−
第10回 リーダーシップの理論 −誰もがリーダーになれる? リーダーシップ状況理論−
第11回 状況の力 −監獄実験(囚人実験)と電気ショック実験、映画『es』を題材に−
第12回 独裁者の使うテクニックと差別される人の心理 −集団催眠、洗脳とピグマリオン効果−
第13回 マスメディアの影響力 −メディア・バイオレンスやサブリミナル効果などの影響は?−
第14回 群衆心理と流言、デマ、流行・消費者の心理 −−時代背景や社会情勢の影響−
第15回 まとめ −心理学と実社会−  
関連科目
【心理学系科目】メンタルヘルス論、心理学
【教職科目】教育心理学Ⅰ・Ⅱ、心理学、倫理学、など 
準備学習等の指示
シラバス通りに授業を進めていくので、毎回教科書や配布資料に事前に目を通して授業に臨んでください。教科書の予習に30分以上、授業後の復習に60分以上かけることが望ましいです。  
教科書
神田義浩他(共編著)『心理学ナヴィゲータ Ver.2』、北大路書房、2011年、2500円+税
参考文献
毎回参考資料をプリントして配布するとともに、随時講義やレポートの参考文献、関連ホームページ、視聴覚教材等を指示します。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
授業への参加度(毎回の学び:毎回のコメントシートへの考察、質問等の記入内容の良否)40%、期末試験60%、の3つの要素を総合的に評価します。 
出席しただけでは単位は取得できません。また遅刻や私語、途中入退室などの受講マナー違反には厳しく対処します。
実務経験と授業との関連
備考
経営学等ともつながりの深い科目ですが、楽勝授業ではありません。日常的なテーマについて社会心理学的な視点で考えることを求めます。また、レポートを書くのが嫌な人には受講を勧めません。旺盛な知的好奇心と強い学習意欲を持った学生諸君の受講を期待しています。