シラバス情報

科目名
世界の思想と現代社会Ⅱ
授業コード
16005
担当者名
竹本 真希子
副題
ヨーロッパ統合の歴史
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類
高校一種(地理歴史)

授業内容
「ヨーロッパ」と呼ばれるものが人類の歴史のなかでどのように位置づけられ、どのように変容してきたのか、またどのような経緯で現在の統合をなしえたのか、同時にヨーロッパ統合がどのような問題を抱えているのかについて考えていきます。とくに近現代を中心とし、画像や映像資料も使いながら、政治的な協調・統合、平和への取り組みと国家間の対立の背景、2度の世界大戦の影響について取り上げます。さらに冷戦期から今日までの欧州統合の歩みを振り返ります。
小テストを実施し、解答を翌週の授業の冒頭で解説付きで行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
ヨーロッパ統合の政治史的・思想史的・文化史的歩みを振り返り、ヨーロッパから世界史を考えるための手がかりを得ることができます。同時に、現在の社会や世界の情勢を理解するための背景を学びます。ヨーロッパの複合的な政治・文化、戦争や紛争、協調・統合のための努力について知ることで、国際社会の一員としての広い視野を得るための知識を身につけます。
【身につく力】「知識・理解」
授業計画
第1回 ヨーロッパとは何か —ガイダンス 本講義の概要について
第2回 ヨーロッパの成り立ち —近代以前のヨーロッパ
第3回 帝国・国民国家の誕生とヨーロッパ
第4回 帝国主義の時代
第5回 第一次世界大戦
第6回 第一次世界大戦の影響 —世界政治の変容とヨーロッパの危機
第7回 両大戦間期のヨーロッパ統合論  —パンヨーロッパ運動
第8回 両大戦間期のヨーロッパ統合論 —各国の知識人による平和と国際協調の努力
第9回 第二次世界大戦への道
第10回 第二次世界大戦とホロコースト
第11回 冷戦と東西ヨーロッパ
第12回 西側統合への道 —独仏協調とヨーロッパ統合
第13回 ベルリンの壁崩壊と冷戦終結への道
第14回 冷戦後のヨーロッパ —EUの拡大
第15回 ヨーロッパをめぐる最近の議論 
関連科目
準備学習等の指示
毎回問題意識をもって受講してください。ヨーロッパにおける政治や文化、経済などについてのニュースに注意を払い、多くの文献・資料に触れてください。ヨーロッパのあり方が現在日本にいるわれわれにどのような影響を及ぼすのか、また世界政治や世界史のなかで現在の状況をどう考えればよいか、それぞれが意識して講義にのぞんでください。
レジュメを事前にHUE-NAVIにアップロードするので、わからない用語や関連する重要な事件・人物について事典・文献などで調べてきてください。ネット情報をチェックするだけでなく、できる限り図書館に積極的に通い、1冊でも多くの文献を読みましょう。予習・復習にそれぞれ60分以上はかけてください。
試験では論述問題を出しますので、ヨーロッパ統合がどのように発展したか、その歴史的背景、重要な用語などについて自分で説明できるようにしてください。 
教科書
教科書は使用しませんが、毎回レジュメ、参考資料を準備します。必要に応じて、参考文献・推薦図書を紹介します。
参考文献
金丸輝男(編)『ヨーロッパ統合の政治史』有斐閣、1996年
デレック・ヒーター(著)、田中俊郎(監訳)『統一ヨーロッパへの道 シャルルマーニュからEC統合へ』岩波書店、1994年
石田勇治『20世紀ドイツ史』白水社、2005年
竹本真希子『ドイツの平和主義と平和運動』法律文化社、2017年
竹本真希子「国境を越える平和運動」田中ひかる(編著)『社会運動のグローバル・ヒストリー』ミネルヴァ書房、2018年
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(持ち込み不可) 80%
小テストおよび授業への参加度(出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、定期試験の受験を認めません。感想コメント、講義中の発言・質問の有無、講義内容の予習・復習状況) 20%
実務経験と授業との関連
備考
受講中は私語・飲食厳禁。守れないものについては、以後の出席を認めません。ヨーロッパを通して世界について積極的に学び、議論したい受講生を求めます。わからない事項や人物名などは、辞典・事典や文献などで調べる習慣を身につけてください。