シラバス情報

科目名
国際関係史 a
授業コード
16013
担当者名
寺本 康俊
副題
近現代における国際政治の歴史
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類

授業内容
近・現代の国際関係、とりわけ国際政治の歴史を中心に講義します。具体的には、近代における国際秩序と主権国家の成立、欧米列強による帝国主義時代の開幕、 両大戦間のヴェルサイユ体制とロカルノ、ワシントン体制の形成と崩壊、ヤルタ会談からポツダム会議に至る終戦期の米ソの協調と冷戦の開始、ベルリンの壁の構築、キューバ危機、ベトナム戦争などによる冷戦の激化、中東戦争による混乱、ニクソン・ショックやデタントなどの冷戦の変容、冷戦終結後の湾岸戦争、アフガニスタン内戦、ユーゴスラビア紛争などの地域紛争、9・11事件とテロとの戦争、そしてECからEUへの拡大と深化、現代の国際秩序の状況など、複雑な国際関係の事象の背景、内容、影響などを説明します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
これまでの国際政治体制の歴史とその展開を学ぶことで、現代の複雑な国際関係の基盤となった背景、内容とその後への影響などを深く理解し、今後、国際社会の中で生きてゆくための知識や考え方、洞察力などを身につけることを目標とします。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 国際関係史を学ぶ意義とその概要
    −国際関係史を学ぶ意義を考え、近現代の国際関係の全体の流れを概観してみよう。
第2回 近代の国際秩序の形成
   −ウィーン体制、勢力均衡政策は、どのように形成され、展開されたのだろうか。
第3回 帝国主義時代の開幕
    −ドイツ帝国の成立、台頭とその後の英独対立は、どのように展開されたのだろうか。
第4回 第1次世界大戦をめぐる国際関係
    −バルカン半島の情勢、パレスチナをめぐる外交は、どのような内容だったのだろうか。
第5回 ヴェルサイユ条約とその体制
    −ヴェルサイユ体制の内容と問題点、民族自決の原則は、どのようなものだろうか。
第6回 両大戦間の相対的安定期
   −ロカルノ、ワシントン体制の成立、そして不戦条約の意義は、どのようなものだろうか。
第7回 第2次世界大戦への道
  −満州事変、ファシズムの台頭、独ソ関係の展開は、どのような影響を与えたのだろうか。
第8回 終戦期における連合国の外交
  −ブレトンウッズ協定とヤルタ協定、ポツダム宣言は、どのようなものだったろうか。
第9回 戦後における冷戦の開始
  −トルーマン・ドクトリン、朝鮮戦争、ヨーロッパの統合は、どのようなものだろうか。
第10回 米ソ冷戦のグローバル化
    −インドシナ戦争、中東戦争、キューバ危機は、その後に何をもたらしたのだろうか。
第11回 冷戦の変容とデタント
  −ベトナム戦争、米中国交正常化は、どのような背景と影響があったのだろうか。
第12回 冷戦終結への過程
   −イラン革命、アフガニスタン戦争、東欧の民主化の影響は、どのようなものだろうか。
第13回 冷戦終結後の世界
   −湾岸戦争、ソ連の崩壊、EUの設立は、どのような経緯、意味を持つのだろうか。
第14回 9・11事件とテロとの戦い
   −9・11事件とアフガニスタン内戦、イラク戦争の内容は、どのようなものだろうか。
第15回 現代の国際関係と今後の展望
−米中関係、欧州、中近東、朝鮮半島などの情勢は、どのように展開されるのだろうか。
関連科目
より身近な日本についての深い理解のために「日本外交史」、またより広い視点から世界の国々の政治システムと比較して考えるために「政治学(Ⅰ、Ⅱ)」 を履修することが望ましいです。
近現代における世界のさまざまな国際関係の発展と変化の歴史について、その背景、内容、影響などを学ぶことによって、日本を国際関係というより広い視点から理解できるようになります。
準備学習等の指示
授業の開始前は、各回の授業テーマについて、指定した教科書や関連する参考文献などを使って事前に予習すること(約60分)が必要です。また、授業の終了後は、授業内容のノート、授業で配布した資料などについて十分、復習しておく(約60分)などを行ってください。
教科書
第1回目の授業の時に、小冊子にしたテキストを配布します。
必要に応じて、資料も配布します。
参考文献
最初の授業と各授業で、適宜、紹介します。 
田中直吉『(改訂)世界外交史』有信堂、1959年
小川浩之・板橋拓巳・青野利彦『国際政治史−主権国家体系のあゆみ』有斐閣、2018年
柳沢英二郎・加藤正男・細井保ほか『危機の国際政治史1873〜2012』亜紀書房、2013年
佐々木雄太『国際政治史』名古屋大学出版会、2011年
原正行・寺本康俊ほか『国際政治学−世界の主要問題』近畿大学通信教育部、1997年
その他
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験の結果(100%) により評価します。出席回数が11回以上になった場合、学生にとってプラスになることも考慮します。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、原則として、定期試験の受験を認めません。
国際関係、なかでも国際政治の歴史を知るために必要な国際関係史上のさまざまな事象についての「知識」を深め、その内容をよく「理解」し、その上で、社会科学分野の科目として培われる能力として、多くの物事について正確かつ緻密に「分析」し、筋道を立てて考える「論理的思考力」の能力が身についたかどうかを、総合評価します。 
実務経験と授業との関連
備考
授業中の私語は厳禁です。また、授業中の飲食は禁止です。守れない者については以後の出席を認めません。国際関係史を学んで、これまでの国際関係がどのように展開されたかを理解し、今後、世界がどのように推移するかを洞察する能力を身につけてください。