教員名 : 山根 智沙子
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科目名
マクロ経済学基礎Ⅰ b
授業コード
21010
担当者名
山根 智沙子
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類
中学一種(社会)、高校一種(公民)
授業内容
本講義は、マクロ経済変数のレベルが、どのようなメカニズムによって決まるのかをより詳しく説明します。さらに、増税や減税、公共投資、あるいはマネーサプライの増減といった経済政策が、マクロ経済変数に対してどのような効果をもたらすのかを明らかにします。つまり、デフレ懸念が予想されるとき、あるいは、バブル景気が予想されるとき、どのような経済政策をとればよいかを理論的に示してくれるのが、マクロ経済学です。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本講義では、おおよそ次にあげる2点を身に着けることを目標としております。
「知識・理解」 「論理的思考力・分析力」 上記の2点を詳しく書けば、次のことであります。 1.マクロ経済学に必要な基本的知識の修得が出来ます。 2.マクロ経済学の基本的枠組みを理解し論理的思考能力を培います。 3.現実経済の雑多な事象をを読み解き、マクロ経済についての分析力を培います。 授業計画
第 1 回 マクロ経済学基礎Ⅰのねらい
マクロ経済学とミクロ経済学との違いを理解し、また、経済入門で学んだGDPや物価、金融などを再確認できることを目指します。 第 2 回 国民経済計算 : マクロの経済指標とGDP 経済規模を示すGDPを確実に理解して、またGDPの国際比較を通して、日本経済の最近の成果を検討します。 第 3 回 国民経済計算の諸概念 :経済成長率 GDPの伸び率いわゆる経済成長率の概念を学び、1960年代の10%成長から2000年以降の1%成長をデータから実感し、「失われた20年」の理解を目指します。 第 4 回 フロー循環図と経済モデル ヒト、モノ、カネの流れを通して家計・企業・政府・海外がどのように関係しあっているかをフロー循環図で確認していきます。 第 5 回 消費者物価指数、GDPデフレーター 経済の体温ともいわれる物価の代表的指数である消費者物価指数とGDPデフレーターを解説し、併せて実質と名目の意味を考えます。 第 6 回 物価の動き 消費者物価指数の推移を通して、世界に例を見ない日本のデフレを確認し、デフレ経済の問題を自ら考えるきっかけとします。 第 7 回 有効需要の原理 需要制約下では需要が一国の経済規模(GDP)を決めるという、ケインズの有効需要の原理を簡単な数値例を用いて解説します。 第 8 回 消費・貯蓄関数、投資関数をめぐって GDPの主要構成要素・家計の消費支出と企業の設備投資の決定モデルを紹介し、その決定がマクロ経済にどう影響するかを解説します。 第 9 回 国内総生産の決定 : 45度線分析による国内総生産の決定 GDP、フロー循環図、家計の消費決定・企業の設備投資決定、有効需要の原理を用いてGDPがどのような水準で決まるかを解説します。 第10回 国内総生産の決定 : デフレギャップとインフレギャップ 有効需要が完全雇用GDPを上回るとき、あるいは下回るとき、マクロ経済に何が発生するかを、具体的な経済モデルを用いて考えます。 第11回 経済の波及効果 : デフレギャップと総需要管理政策 前回学んだ非自発的失業を、総需要管理政策で解消しようとする政府の財政政策を解説します。 第12回 経済の波及効果 : 乗数効果について 経済は網の目のようにつながっていて、「風吹けば桶屋が儲かる」という波及の仕組みが内蔵されています。この仕組みを解説します。 第13回 経済の波及効果 : 政府支出乗数と租税乗数 総需要管理政策を代表する政府支出政策と租税政策によって、デフレギャップがどのように解消されていくかを乗数理論で考えていきます。 第14回 金融市場の役割 生産物市場でのモノやサービスの取引は貨幣を媒介にして行われています。貨幣とは何か、また、どのような形で取引を媒介するかを学びます。 第15回 マクロ経済の動きと金融市場 異次元金融緩和にもかかわらず、デフレは続いています。これまで学んできたことと金融市場の動きからこの現実を見る力を養うことを目指します。 関連科目
この科目は、マクロ経済学分野の初歩科目です。さらにこの分野を学びたい学生は、マクロ経済学基礎Ⅱ、マクロ経済学を学ぶことを次に進めます。さらに景気循環論、経済政策、金融政策、財政政策、国際金融論の科目を学べば、よりマクロ経済学分野の理解は深まります。
準備学習等の指示
知識の定着をねらい、小試験を行います。それに対応できるように、毎回、授業内容を復習・確認してください。また予習については、受講前には必ずテキスト及び配布資料を読んできてください。わからない用語などは 事前に調べてくるとより授業の理解度が高まります。約60分以上は予習にかけることを心がけてください。
また配付プリント内の練習問題は、自学自習に有効です。活用してください。 教科書
家森信善著 『ベーシック マクロ経済学の基礎(第2版)』 中央経済社
参考文献
笹山 茂著 『マクロ経済学入門 (トリアーデ経済学) 』 日本評論社
岩田規久男著 『基礎コース マクロ経済学』 新世社 定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
小試験(授業中)及び定期試験を実施します。それが評価の軸となります。その際、以下のことに留意してください。
①定期試験:60%.小試験、小試験あるいはレポートなどの評価:40% ②受講中のケイタイ・私語・飲食・着帽は厳禁。守れない者については参加点を認めません。 ⓷小試験、定期試験および参加点で合計100点を超える点数をとった場合、評価は100点とします。 また、小試験の解答・解説は、小試験後、すぐに行います。 実務経験と授業との関連
備考
受講心得:
1.遅刻は厳禁。学生証を忘れた場合、遅刻、欠席等については、自己責任となります。こちらでは対応しません。 2.広島経済大学学内定期試験細則に従い「出席回数が総授業回数の 3 分の 2 に満たない場合には、定期試験の受験を認めない場合があります。それを念頭に受講して下さい。 3.講義中の私語は厳禁。受講中,私語・飲食厳禁、守れない者については以後出席を認めません 4.講義中は携帯電話の電源をオフにしてください。講義中かばんなどは机の下においてください。 5.経済入門を修得しておくことが望ましい |