教員名 : 幸田 圭一朗
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科目名
財務管理論Ⅰ
授業コード
22035
担当者名
幸田 圭一朗
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類
高校一種(商業)
授業内容
本講義では、経営学の視点から、コーポレート・ファイナンス(企業の資金に関するマネジメント)に焦点を当て、資金の流れを通じた企業の経済活動について考えます。この財務管理論Ⅰでは、まず正味現在価値(NPV)の計算に主軸を置き、ある投資プロジェクトに対して実施すべきか否かの意思決定プロセスの修得を目指します。本講義で扱うファイナンスの基礎である現在価値の算定など、数学や数式について抵抗を感じる人も多いかもしれません。しかし、簡単な設定から計算練習なども行いながら、理解度に応じて進行していく予定です。5回実施の確認テスト(授業計画参照)は、計算問題を中心に採点したうえで返却し、その解説を次週講義冒頭で行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
次の5点の修得を目指します。(1)時間価値の概念に基づき、現在価値の算定ができる (2)経営者の視点に立った、キャッシュフローの概念を説明できる (3)企業活動におけるリスクとリターンの関係を説明することができる (4)企業の資本コストがどのようなものかを説明することができ、その算定ができる (5)正味現在価値の算出を行い、投資の意思決定の判断ができる
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」 授業計画
第1回 イントロダクション 〜財務管理とは、簡単な計算問題の演習〜(確認テスト(1))
第2回 時間価値 〜単利と複利、将来価値、現在価値〜 第3回 企業による資金調達概要 〜株式と負債、間接金融と直接金融〜(確認テスト(2)) 第4回 財務諸表と財務指標 〜貸借対照表、損益計算書、損益分岐点、自己資本比率〜 第5回 キャッシュフロー(1) 〜会計方法と減価償却〜 第6回 キャッシュフロー(2) 〜利益とキャッシュフロー〜 第7回 キャッシュフロー(3) 〜フリーキャッシュフロー〜 第8回 リスクとリターン(1) 〜収益率、リスク〜(確認テスト(3)) 第9回 リスクとリターン(2) 〜リスク・プレミアム、ハイリスク・ハイリターン〜 第10回 企業の資本コスト(1) 〜債権者と株主のリスクとリターン〜(確認テスト(4)) 第11回 企業の資本コスト(2) 〜加重平均資本コスト(WACC)〜 第12回 企業の資本コスト(3) 〜資本資産評価モデル(CAPM)〜 第13回 現在価値と正味現在価値(1) 〜現在価値(復習)、永続価値、成長永続価値〜(確認テスト(5)) 第14回 現在価値と正味現在価値(2) 〜正味現在価値(NPV)〜 第15回 財務管理論Ⅰのまとめ 〜投資の意思決定〜 関連科目
経営学科の科目として、「経営分析論」などとは大きく関連があります。他学科の方を含め、簿記の知識は必須ではありませんが、あると理解は進みます。また、経済学科ではありますが、「ファイナンス入門」や「現代ファイナンス論」「統計学」を修得していると、大きな手助けとなります。なお、「財務管理論Ⅱ」は、この「財務管理論Ⅰ」の応用となります。
準備学習等の指示
前回の講義を踏まえたうえでの、講義設計となっています。したがって、必ず講義の予習・復習を行うようにしてください。約30分以上は予習・復習にかけましょう。また、確認テストを複数回行いますが、テストの実施にあたって事前に学習のポイントを配布いたします。そのポイントを参考に事前学習を進めてください。さらに、講義と関係があると思う新聞やニュースなどに目を向けてください。
教科書
教科書の指定は特に行わず、レジュメを配布します。
参考文献
砂川伸幸ほか(2008)『日本企業のコーポレートファイナンス』日本経済新聞出版社 (¥3,200+税)
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(参照不可・計算ならびに論述問題)(60%)、平常点(授業への参加度、提出物、確認テスト、学習態度など)(40%)により、総合的に評価します。なお、確認テストは定期試験同様の形式で実施しますので、座席についてはその都度、指示に従うようにしてください。また、実施日については授業計画を確認してください。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、定期試験の受験を認めません。レポート、論述問題等での剽窃行為は、評価対象外として、厳格に対応します。
実務経験と授業との関連
備考
・前回の講義の復習をきちんと行うようにしてください。この講義は積み上げ式となっていますので、やむを得ず欠席(公欠・病気)する場合は、フォローいたしますので事前に相談するようにしてください。
・電卓(携帯電話の電卓機能は不可)を毎回持参するようにしてください。 ・受講態度やマナー(私語・飲食・講義中のゲームなど)については、他の学生の学ぶ権利を侵害します。したがって、教室からの退出や以後の出席を認めない、成績評価対象外など、厳しく対処いたします。 |