教員名 : 胤森 裕暢
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科目名
中学社会科教育法Ⅰ 【教職】
授業コード
51001
担当者名
胤森 裕暢
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類
中学一種(社会)
授業内容
まず社会科成立期からの歩みを踏まえながら,学習内容の基準である中学校学習指導要領社会科の変遷について学習します。これらをもとに社会科の目標,育てたい学力とその評価について理解します。この基本的な理解を基に,社会科授業で学習させる内容と学習方法に関する指導方法について,社会科教育学の基礎的な理論をふまえながら考え理解します。こうして理解し身につけた知識や力を基に教材研究を行い,本時の学習指導案(略案)を作成し,それに基づいて模擬授業を行います。他学生や教師からの意見も手がかりにして学習指導案(略案)の改善を行います。
最後に小テストを行い,自らに身に付いた知識や力,これからの課題について振り返りましょう。 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は,中学校社会科の指導法に関する理解と授業設計の方法を身に付けることをテーマとし, 以下のことを到達目標とします。
中学校社会科で育成を目指す資質・能力について理解し,学習指導要領に示された中学校社会科の目標や内容について,社会科教育学と関連させながら理解するとともに,基礎的な学習指導理論を理解するとともに,具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法の基礎を身につけます。 【身につく力】「知識・理解」「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」 授業計画
第1回 社会科のアイデンティティ −社会科とはどのような教科か,目標と内容と方法−
第2回 社会科の学問的背景 −社会科はどのような学問領域を背景としているか,それらをどう活かすか− 第3回 社会科の歴史的背景 −わが国で社会科はどのように成立し,確立してきたか− 第4回 学習指導要領の変遷 −内容や方法の基準である学習指導要領はどう変わってきたか− 第5回 現行学習指導要領の特色 −現行学習指導要領社会科が求めていることは何か,どう実現するか− 第6回 社会科の学力と各分野の目標 −社会科は公民的資質をどのように育成しようとするか− 第7回 社会科における学習評価と生徒の認識 −生徒の社会認識などをどう評価すればよいか− 第8回 地理的分野の内容と方法 −地理的分野の内容をどう学習させればよいか(情報機器と教材の活用)− 第9回 歴史的分野の内容と方法 −歴史的分野の内容をどう学習させればよいか(情報機器と教材の活用)− 第10回 公民的分野の内容と方法 −公民的分野の内容をどう学習させればよいか(情報機器と教材の活用)− 第11回 授業設計の方法 −生徒の認識や実態をふまえながら指導計画(学習指導案(略案)をつくる− 第12回 模擬授業(地理的分野) −模擬授業と振り返りにより指導計画(学習指導案(略案))を改善する− 第13回 模擬授業(歴史的分野) −模擬授業と振り返りにより指導計画(学習指導案(略案))を改善する− 第14回 模擬授業(公民的分野) −模擬授業と振り返りにより指導計画(学習指導案(略案))を改善する− 第15回 小テストと振り返り −実践研究の動向をふまえて授業を改善する視点を身に付ける− 関連科目
中学社会科教育法Ⅱ,社会・地理歴史科教育法,社会・公民科教育法,地理歴史科教育法,
公民科教育法 準備学習等の指示
学習指導案作成と模擬授業に向け,教科書及び学習指導要領解説を読み込んで,よく理解した上で教材研究をすることが大切です。
自分の体験した中学校社会科の授業を思い出すことが大切です。できれば、当時のノートやプリントを集めておこう。さらに教科書や参考文献などをもとに、日頃からよい社会科授業のイメージを持つようにしてほしい。学習指導案のモデルをもとに作ろう。そのためには,イメージを持つために30分以上,また教材研究と学習指導案作成に120分程度はかけてほしいです。 教科書
・『中学校学習指導要領解説 社会編』, 東洋館出版社, 平成30年3月, 208円
・社会認識教育学会編『中学校社会科教育・高等学校地理歴史科教育』,学術図書出版社,2020年,2200円 ・社会認識教育学会編『中学校社会科教育・高等学校公民科教育』,学術図書出版社,2020年,2200円 参考文献
授業中に適宜紹介するので,活用してください。
・『中学校学習指導要領』,東山書房,平成30月3月,359円 ・『新・教職課程演習 第17巻 中等社会系教育』,協同出版,2021年12月,1,980円 定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
・模擬授業及び改善した学習指導案(略案)(40%),毎回の発言(授業への参加度として)・レポート(30%),小テスト(30%)
・学習指導案により模擬授業を行い,生徒の社会認識や実態に応じた学習指導ができているかどうかを評価します。 ・毎回求める発言(授業への参加度として)とレポートは,理解したこと,疑問や気づき,意見したこと等を整理できているかどうかを評価します。 ・模擬授業後に提出する改善した学習指導案は,他者からの改善策等を手がかりにして具体的に改善されているかどうかを評価します。 ・小テストでは,社会科に関する学習理論,授業構成等についての基本的な知識の理解ができているかどうかを評価します。 実務経験と授業との関連
・中・高等学校教師として授業を,そして教育委員会の指導主事として,中・高等学校教師の指導助言を担当してきました。中・高等学校授業の研究開発も行っています。これらを活かし,理論的かつ実践的な学習指導案作成の基礎を身に付けてもらえるよう指導をしていきます。このために履修者全員による主体的な模擬授業と協議会ができるように運営します。
備考
将来社会科教師になることを目指すという意志をしっかり持ちながら,真剣に模擬授業等に臨むことを求めます。
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