シラバス情報

科目名
宗教学Ⅱ
授業コード
14005
担当者名
渡辺 郁夫
副題
宗教と教育・社会
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類

授業内容
宗教を理解するには宗教を理解する視点をもつことが必要です。さらに独善的にならないために様々な宗教を理解し、宗教間の相互理解を目指します。また教育現場での扱い方を考えます。宗教学Ⅰでは主に日本や東洋の宗教について考えましたが、宗教学Ⅱにおいては主に、日本や東洋以外の、西洋の宗教や宗教学者の説について考えます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
世の中には様々な宗教がありますが、それらを理解する視点を獲得することを目指します。宗教とは何かをまず考え、その人間観、生命観、世界観を理解し、哲学や芸術や科学との関係も考えながら、宗教一般への理解を深めるとともに、宗教学Ⅱにおいては主に西洋の宗教の理解を深め、また西洋の宗教学者の宗教理解を参考にして宗教への理解を深めることを目指します。また宗教と教育との関係の理解を深めることを目指します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 宗教とは何か 宗教を理解するために必要な様々な視点を提示します。宗教の定義、人間観、生命観、世界観、文化、儀式、制度、社会との関係などを考えます。
第2回 宗教の人間観・生命観 宗教の人間観・生命観について、主に西洋を例に、具体的にはキリスト教を中心に考えます。 
第3回 宗教の世界観 宗教の世界観について、主に西洋を例に、具体的にはキリスト教を中心に考えます。
第4回 宗教とアイデンティティ 宗教の重要な役割として、人間の自己形成、自己理解の柱になる点がありますが、それについて主に西洋を例に、具体的にはキリスト教を中心に考えます。
第5回 宗教と哲学 宗教は哲学との関係が深く、また宗教自体にも宗教哲学があります。宗教と哲学の関係について、西洋の哲学の源流に位置するプラトンを例にして考えます。
第6回 宗教と芸術1 宗教は芸術と関係が深く、宗教を素材にした芸術があります。宗教を素材、題材にした芸術について、主に西洋を例にして考えます。
第7回 宗教と芸術2 宗教を直接の素材、題材としなくても、作品自体が宗教性を帯びることがあると思われます。それについて、主に西洋を例にして考えます。
第8回 宗教と科学 宗教と科学の関係には様々な視点が考えられます。今回は物理学との関係を考えます。
第9回 宗教とウイリアム・ジェイムズ1  ウイリアム・ジェイムズの『宗教的経験の諸相』は豊富な例を基に宗教とは何か考えさせてくれます。『宗教的経験の諸相』を通して宗教について考えます。
第10回 宗教とウイリアム・ジェイムズ2 『宗教的経験の諸相』の中から「健全な心の宗教」と「神秘主義」について考えます。
第11回 宗教とエリアーデ1 エリアーデは宗教学者としてその著作は日本でも広く読まれています。エリアーデの神話理解を通してエリアーデの宗教理解を考えます。
第12回 宗教とエリアーデ2 エリアーデが日本で広く読まれる理由としてエリアーデの東洋理解が考えられます。エリアーデの東洋理解をその中心となるエリアーデのインド理解を通して考えます。
第13回 宗教と井筒俊彦 井筒俊彦は日本では稀なイスラム教の理解者でしたが、井筒俊彦の『意識と本質』等の著作を通してその宗教観を考えます。
第14回 宗教と教育1 宗教と教育の関係について、一般的な公立学校を例に考えます。
第15回 宗教と教育2 宗教と教育の関係について、私立学校や宗門校を例に考えます。
関連科目
宗教学Ⅰ
準備学習等の指示
予習と復習に各2時間を要します。紹介する参考文献の読解を勧めます。
教科書
プリントとスライドを使用します。
参考文献
『宗教的経験の諸相(上・下)』(ウイリアム・ジェイムズ 岩波文庫) 『意識と本質』(井筒俊彦 岩波文庫) 聖書 コーラン 他
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(80%)と授業への参加度(20%)によります。
実務経験と授業との関連
なし
備考
参考文献の内、授業で扱う部分については、プリントに引用します。また受講中の私語、飲食、携帯電話の使用を禁止します。