シラバス情報

科目名
金融論Ⅱ
授業コード
21027
担当者名
福居 信幸
副題
金融と日本経済
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類

授業内容
前期に開講する金融論Ⅰの内容を踏まえて、家計、企業、政府の金融行動の理論と実態を学び、金融と経済全体の動きとの関係を理解します。特に、資金循環表のしくみを学び、日本の金融構造の変容を考察します。さらに、平成バブルとその後の平成金融危機の経緯を踏まえ、金融の機能不全がどのように実物経済に影響を与えるかを学びます。最後に、金融監督規制の重要性を学んだうえで、今後の金融システムのあるべき姿を展望します。毎回授業の最後に、当日の講義内容を踏まえた課題を課し、次週の授業の冒頭で各自の回答傾向や解答例などを解説します。また、授業外でレポートの提出を第14回授業日(予定)までに1回求めます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
経済活動を円滑に行うための潤滑油としての「金融」の役割を理解し、各経済主体の金融行動の理論と実際や金融危機のメカニズムの概略が説明できるようになることを目的とします。また、主要な金融用語・商品について学び、金融関連の新聞記事を正しく理解できる力を身につけることを目的とします。最終的には、企業や家計の一員として適切な金融行動が取れるようになることを目指します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 オリエンテーション
第2回 家計の貯蓄行動
第3回 家計の資産選択理論
第4回 企業の投資決定理論と資金調達方法
第5回 企業の資金調達理論と現状
第6回 政府の国債発行と財政赤字
第7回 資金循環表のしくみと見方
第8回 中間まとめ
第9回 日本の金融構造の特色と変容
第10回 平成バブル崩壊と金融システム危機
第11回 世界金融危機と欧州債務危機
第12回 金融機能の高度化〜金融派生商品と証券化商品〜
第13回 金融監督規制
第14回 日本の金融システムの将来像
第15回 後半まとめ 
関連科目
本講義を履修するにあたっては、あらかじめ金融論Ⅰ、ファイナンス入門、ミクロ経済学基礎Ⅰ、マクロ経済学基礎Ⅰを履修しておくことが望ましい。その他、関連する内容を持つ科目は、資本市場の役割と証券投資、現代ファイナンス論、実践資産選択、金融政策論、国際金融論など。
準備学習等の指示
受講前には、前回指示されたテキストの箇所を必ず読んできて下さい。聞き慣れない用語は事前に調べておくと授業がより分かりやすくなります。毎回約30分以上は予習、復習に時間をかけましょう。授業期間中1回の提出が義務づけられるレポートは、下調べの時間を含め短くても4、5時間以上はかけて作成するようにして下さい。 
教科書
教材「金融論Ⅱ講義−金融と日本経済」(学期はじめに無償配布)と毎回配布のパワーポイント資料。
参考文献
日本経済新聞社編『金融入門<第3班>』日経文庫、藤井彰夫『日本経済入門』日経文庫、池尾和人『現代の金融入門』ちくま新書、家森信善『金融論(第3版)【ベーシック+】』中央経済社、植田和夫『大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる』KADOKAWA、軽部謙介『検証バブル失政』岩波書店の他、講義のなかで適宜紹介します。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験60%、レポート25%、授業への参加度15%として総合的に評価します。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合は、原則として定期試験の受験を認めません。授業への参加度は、出席状況に加え、毎回授業終了後にHUEナビ「課題提出」で出題される課題の提出状況により評価します。また、出席回数11回以上からは授業の参加度に応じて加算します。課題では、優れた回答には、加点がある一方、単に「わからない」など授業への参加意欲が全く感じられない回答には減点があるので注意して下さい。
実務経験と授業との関連
金融業界で融資、証券、外国為替、経営企画(金融当局との折衝)、経済調査(特に国際通貨制度の調査)などの業務に従事した経験があり、また、ニューヨーク、ロンドン、香港の国際金融市場で合計13年間の海外勤務経験があります。授業では、こうした実務家の経験を踏まえ、日本の各経済主体の金融行動の分析や、日本のバブル崩壊と以降の国際金融危機について解説を行い、これらの考察を通じて、あるべき日本の金融システムの将来像について考えていきます。
備考
当日の配布資料は、事前にHUEナビ「授業資料」にPDFファイルを掲示しておきますので予習用に活用して下さい。また、授業終了後には、前週の穴埋め問題の回答や課題回答に関する解説などを含め授業中にスクリーンに投影した全ページ分を改めて掲示しておきますので復習用に活用して下さい。その他、レポートの課題や提出要領などを含めて授業で説明した内容で、特に重要と思われることはHUEナビでも改めて掲示することがありますので、HUEナビの「掲示とメール」のチェックを励行して下さい。