シラバス情報

科目名
グローバル金融市場論
授業コード
21061
担当者名
福居 信幸
副題
国際的な資金の流れを理解する
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類

授業内容
グローバル金融市場の実態を考察し、日本経済や世界経済との関係を検証します。まず、国際金融市場での銀行の働き、海外の株式・債券市場、機関投資家、直接投資の動向などを概観し、日本や主要国の国際収支の実態を考察します。そして、これらの考察をもとに、外国為替市場のしくみや為替相場の決定要因を学び、過去の通貨危機の要因を分析し、フィンテックやESG投資など国際金融の新たな動きを紹介します。毎回授業の最後に、当日の講義内容を踏まえた課題を課し、次週の授業の冒頭で各自の回答傾向や解答例などについて解説します。また、授業外でレポート提出を第14回授業日(予定)までに1回求めます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
国際資金フローや外国為替取引の概要と国際金融取引が世界経済に与える影響について説明できるようになります。また、主要な国際金融の用語や商品に関する知識を深め、国際金融に関するニュースを論理的に分析できる力を身につけられます。最終的には、企業や家計の一員として、様々な国際金融リスクを踏まえたうえで適切な金融行動がとれるようになることを目指します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 オリエンテーション 
第2回 国際送金のしくみと銀行の働き(国際決済、貿易金融、国際融資など)
第3回 国際資本市場(債券市場、株式市場)の概要と動向
第4回 機関投資家(保険会社、年金、投資信託、ヘッジファンドなど)の概要と動向
第5回 直接投資の概要と動向
第6回 公的金融(ODA)の概要と動向
第7回 国際収支統計のしくみ
第8回 日本の国際収支構造と各国比較
第9回 外国為替市場のしくみ
第10回 為替相場の決定要因とドル・円相場動向
第11回 国際通貨制度の変遷
第12回 通貨・金融危機(中南米累積債務危機、アジア通貨危機)の概要と危機対応
第13回 世界金融危機(リーマン・ショック)の概要と危機対応
第14回 ユーロ誕生・欧州債務(ユーロ)危機の概要と危機対応
第15回 国際金融の新潮流(フィンテックを中心として)
関連科目
本講義を履修するにあたっては、あらかじめ金融論Ⅰ・Ⅱを履修しておくことが望ましい。その他、関連する内容を持つ科目は、国際経済基礎Ⅰ・Ⅱ、国際貿易論、国際金融論、外国為替論、外国為替実務、金融政策論など。
準備学習等の指示
新聞(日本経済新聞が望ましい)の経済・金融関連の記事を毎日10分以上かけて読む習慣を身につけて下さい。受講前には必ずHueナビに予め掲示される授業資料を読んできて下さい。聞き慣れない用語は事前に調べてくると授業がより分かりやすくなります。毎回約30分以上は予習、復習に時間をかけましょう。授業期間中1回の提出が義務づけられるレポートは、下調べの時間を含め短くても4、5時間以上はかけて作成するようにして下さい。
教科書
教科書は使用しませんが、毎回パワーポイント資料を配布します。 
参考文献
野口悠紀雄『世界経済入門』講談社現代新書、国際通貨研究所『外国為替の知識〈第4版〉』日経文庫、西村 陽造・佐久間浩司『新・国際金融のしくみ』有斐閣アルマ、深尾光洋『国際金融論講義』日本経済新聞社、その他講義のなかで適宜紹介します。  
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験60%、レポート25%、授業への参加度15%として総合的に評価します。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合は、原則として定期試験の受験を認めません。授業への参加度は、出席状況に加え、毎回授業終了後にHUEナビ「課題提出」で出題される課題の提出状況により評価します。また、出席回数11回以上からは授業の参加度に応じて加算します。課題では、優れた回答には、加点がある一方、単に「わからない」など授業への参加意欲が全く感じられない回答には減点があるので注意して下さい。
実務経験と授業との関連
金融業界で融資、証券、外国為替、経営企画(金融当局との折衝)、経済調査(特に国際通貨制度の調査)などの業務に従事した経験があり、また、ニューヨーク、ロンドン、香港の国際金融市場で合計13年間の勤務経験があります。授業では、こうした経験を活かし、研究者と実務家の双方の視点から、グローバル金融市場の現状や課題について解説します。
備考
当日の配布資料は、事前にHUEナビ「授業資料」にPDFファイルを掲示しておきますので予習用に活用して下さい。また、授業終了後には、前週の穴埋め問題の回答や課題回答に関する解説などを含め授業中にスクリーンに投影した全ページ分を改めて掲示しておきますので復習用に活用して下さい。その他、レポートの課題や提出要領などを含めて授業で説明した内容で、特に重要と思われることはHUEナビでも改めて掲示することがありますので、HUEナビの「掲示とメール」のチェックを励行して下さい。