シラバス情報

科目名
日本外交史 a
授業コード
15017
担当者名
寺本 康俊
副題
近現代における日本外交の歴史
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類

授業内容
近・現代の日本外交の歴史と日本を取り巻く国際関係を講義します。具体的には、戦前・戦中期は、幕末開国期において日本の近代化ができた背景、日本が三国干渉で孤立して列強との合従策を選択した日英同盟締結の経緯、戦前の日本外交の分岐点になった日露戦争の国内・国際的影響、ワシントン体制下での日本外交、日中戦争と日米戦争の背景と経緯、終戦期におけるポツダム宣言をめぐる日米交渉と国内の対応、戦後期は、占領下での日本の民主化とサンフランシスコ講和条約の経緯、日本の外交的地平を広げた日ソ共同宣言、米中接近の後を受けた日中国交正常化、日中平和友好条約締結の背景と経緯、戦前の日韓関係から日韓基本条約へと関係正常化を行った外交交渉の経緯、影響などを説明します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
戦前及び戦後から現代までの大きな起伏のあった日本外交の歴史と日本を取り巻く米国、ソ連、中国、韓国などとの国際関係を深く理解し、現在や今後の国際関係の中における日本の外交のあり方を考えることができることを目標とします。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 日本外交史を学ぶ意義とその概要
   −日本外交史を学ぶ意義を考え、戦前から現代までの日本の外交全体を概観してみよう。
第2回 幕末開国から明治までの大陸との関係
  −日本は、どのようにして幕末開国期を乗り越え、近代化に成功したのだろうか。
第3回 日英同盟と日露戦争
  −帝国主義の時代、日本は、どのように日英同盟、日露戦争の外交を行ったのだろうか。
第4回 日露戦争以降の日本外交
    −日露戦争後、日本と国際的な多角的同盟協商関係は、どのように形成されたのだろうか。
第5回 ワシントン体制下の日本外交
    −ワシントン、ロンドン会議、幣原外交、田中外交は、どのように行われたのだろうか。
第6回 満州事変・日中戦争期の日本外交
    −満州事変以降の日本外交と日中関係の展開は、どのように行われたのだろうか。
第7回 太平洋戦争前の日本外交
    −太平洋戦争前、日本と独伊、ソ連、米国との外交は、どのように行われたのだろうか。
第8回 終戦期の日本外交
  −ポツダム宣言の受諾をめぐる日本外交は、どのように展開されたのだろうか。
第9回 占領期の日本の民主化
  −戦後日本の民主化や新憲法制定をめぐる日米交渉は、どのように行われたのだろうか。
第10回 講和に向けての日米関係
   −米ソの冷戦下で、日本の講和に向けての外交交渉は、どのように行われたのだろうか。
第11回 日ソ両国の国交回復に向けての交渉
   −日本外交の枠組みを広げた日ソ共同宣言の交渉は、どのように行われたのだろうか。
第12回 日中国交正常化に向けての交渉
    −戦後の困難な国際関係の中で、日中国交正常化がどのように実現されたのだろうか。
第13回 日中共同声明と日中平和友好条約
   −日中共同声明、平和友好条約の交渉、内容、意義、影響は、どのようなものだろうか。
第14回 日韓国交正常化に向けての交渉
    −戦後の日韓関係を規定した日韓基本条約の交渉、内容は、どのようなものだろうか。
第15回 冷戦終結後の日本外交
     −冷戦終結後における国際関係の中で、日本外交はどのように展開されたのだろうか。
関連科目
日本外交をより広い国際関係の視点から考えるために「国際関係史」、また世界の国々の政治システムから考えるために「政治学(Ⅰ、Ⅱ)」 を履修することが望ましいです。より広い視点から、また複雑多岐な国際政治との関係の中で、これまでの日本外交のかじ取りはどうであったのか、あるいは現在と今後の日本外交はどうあるべきかなどを考えるきっかけにしてください。
準備学習等の指示
授業の開始前は、各回の授業テーマについて、指定した教科書や関連する参考文献などを使って事前に予習すること(約60分)が必要です。また、授業の終了後は、授業内容のノート、授業で配布した資料などについて十分、復習しておく(約60分)などを行ってください。
教科書
第1回目の授業の時に、小冊子にしたテキストを配布します。
必要に応じて、資料も配布します。
参考文献
最初の授業と各授業で、適宜、紹介します。 
五百旗頭真編『日米関係史』有斐閣、2008年
五百旗頭真編『(第3版補訂版)戦後日本外交史』有斐閣、2014年
細谷千博『日本外交の軌跡』日本放送出版協会、1993年
池井優『(3訂版)日本外交史概説』慶應通信株式会社、1992年
蓑原俊洋・奈良岡聰智編著『ハンドブック近代日本外交史』ミネルヴァ書房、2016年
その他
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験の結果(100%) により評価します。出席回数が11回以上になった場合、学生にとってプラスになることも考慮します。出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、原則として、定期試験の受験を認めません。
日本の外交を知る上で必要な日本外交史上のさまざまな事象についての「知識」を深め、その内容をよく「理解」し、その上で、社会科学分野の科目として培われる能力として、多くの物事について正確かつ緻密に「分析」し、筋道を立てて考える「論理的思考力」の能力が身についたかどうかを、総合評価します。
実務経験と授業との関連
備考
授業中の私語は厳禁です。また、授業中の飲食は禁止です。守れない者については以後の出席を認めません。日本外交史を学んで、日本と世界各国との関係や日本が世界の中でどのような活動を行い、いかなる役割を果たして来たのかを知り、また、今後、日本外交はどうするべきなのかを考えてください。