シラバス情報

科目名
世界の思想と現代社会Ⅲ
授業コード
16006
担当者名
土居 智典
副題
東アジア、儒教、革命の思想
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類
高校一種(地理歴史)

授業内容
 東アジアの人々の思想として浸透しているものとして、儒教・仏教・道教思想の定着のあり方が、日本・中国・朝鮮半島でどのように異なるかを解説する。また、中国の伝統的世界観である儒教の世界観(中華思想)の解説を通して、中国の現代の国際戦略と少数民族政策の基礎になる考え方も解説する。さらに近年の香港・台湾に対する中国側の統合理念についても触れる。以上の内容を踏まえ、現在の中国政府の統治理念と社会思想の関係について理解する。
 授業は、基本的に講義形式で進行する。
 毎回の授業の最後に小テストを行い、翌日の授業の冒頭、返却と解説を行う。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
日本・中国・朝鮮半島における儒教・仏教・道教思想の定着のあり方の違いを理解する。また、中国の伝統的世界観である儒教の世界観(中華思想)が、中国の現代の国際戦略と少数民族政策にどのような影響を与えているか理解する。さらに現在の中国政府の統治理念と社会思想の関係について理解する。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「情報リテラシー」 
授業計画
第 1回 講義内容のガイダンス
第 2回 儒教・仏教・道教の成立とアジアでの伝播
第 3回 中華的世界観と古代王朝
第 4回 中華的世界観と唐 漢人になる遊牧民たち
第 5回 中華的世界観と明 排外的漢人ナショナリズムの芽生え
第 6回 清朝二重帝国論 中華世界と遊牧民の世界
第 7回 清末の中華的世界観の凋落と国民国家観
第 8回 孫文の排外的ナショナリズムと五族共和論
第 9回 「中華民族」の創出
第10回 国民党とコミンテルン
第11回 中国共産党とソ連
第12回 毛沢東思想と共産主義
第13回 鄧小平の経済思想
第14回 一国二制度 現在の香港と未来の台湾
第15回 中華的世界観の現在 
関連科目
世界の思想と現代社会Ⅰ 世界の思想と現代社会Ⅱ 世界の思想と現代社会Ⅳ
準備学習等の指示
授業開始までに、興味のある参考文献は最低でも1冊は読んでおいて下さい。授業1回ごとの予習のレポート作成には、1〜4時間くらいかかる内容を想定しています。
教科書
特定の教科書は使用しません。必要に応じて配布するプリントによって講義を進めます。 
参考文献
石川 禎浩『革命とナショナリズム——1925-1945〈シリーズ 中国近現代史 3〉』岩波書店、2010年。
久保 亨『社会主義への挑戦 1945-1971〈シリーズ 中国近現代史 4〉』岩波書店、2011年。
茂木 敏夫『変容する近代東アジアの国際秩序』山川出版社、1997年。
小島 毅『東アジアの儒教と礼』山川出版社、2004年。
森和也『神道・儒教・仏教』筑摩書房、2018年。 
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
授業期間中に行う小テスト(20%)、授業中の参加の度合い・報告・レポートなどの課題(20%)、期末テスト(60%)。
小テスト:毎回の授業の内容についてまとめてもらう形式。
期末テスト:論述方式。15回の授業終了後、1時間ほど時間をとってまとめのテストを実施します。このテストも受けられるよう時間調整をしておいて下さい。
実務経験と授業との関連
備考