シラバス情報

科目名
財政学Ⅱ
授業コード
21025
担当者名
一橋 信之
副題
税金と日々のくらし
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類
高校一種(商業)

授業内容
財政学Ⅱは、財政支出を扱う財政学Ⅰを踏まえてその収入側(財源)をどのように調達するのかを学びます。したがって、財政学Ⅱのテーマは税と国債です。とくに、国の中長期的な骨格をなす租税制度の理解は国民として最重要です。
この授業により、私たちが日々納税している租税は社会にどのような効果をもたらしているのか、企業は赤字でも簡単にはつぶれないが大きな債務を抱えるわが国はどうなのか、などの問題を考えます。そのためには、それらに関する基礎知識とその知識を応用する力の両方が必要です。これらのテーマはほぼ毎日新聞記事に載る時事問題ですので、時事問題に役に立つ小テストを随時実施し、次回の授業の冒頭で考え方を解説します。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
財政学の中の税制と国債を中心に、必要な知識を習得し、標準的な理論を理解し、それらを説明できるようになることとが授業目標です。現実の財政問題を理解する時には公的データや行政情報が不可欠です。授業中にPCを使ってそれらの収集方法が習得できます。消費税は増税するのがいいのか、巨額の政府債務でわが国は破たんするのか、このような課題に対して理論、制度、政策の3面から論理的に解決策を提示し説明することができるようになります。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「問題解決力」
授業計画
第1回 租税と国債の制度の概要
  租税と国債のそれぞれの定義・分類・現況を学び、どこに問題点があるか考えます。
第2回 3つの租税原則と2つの租税主義
  公平・中立・簡素と租税法律主義・租税公平主義について必要な知識を修得します。
第3回 所得税Ⅰ
  所得税の課税方式を理解し、簡単な所得税計算ができるようになります。         
第4回 所得税2
  給与所得と事業所得を中心にわが国の所得税制度の意義と問題点が理解できるようになります。
第5回 法人税
  法人税の概要・計算のしくみを学び、法人税がなぜ存在するのかその意義を考えます。   
第6回 消費税Ⅰ
  消費税の歴史と課税方式について学び、一般消費税の中立性の問題点を考えます。
第7回 消費税2 
  インボイス問題、輸出免税、地方消費税の配分問題を取り上げ消費税の特徴を学びます。 
第8回 租税の執行体制(広島国税局による特別講義)
現役の国税専門官から税の執行現場を学び、税の公平がどのように実現されているのかを考え
  ます。(国税局の事情により実施回が変更になる場合があります)
第9回 資産税
  相続税、贈与税のしくみを理解し、他の国税との関連を学びます。
第10回 国際課税の概要・地方税の役割
  ボーダーレスの時代の課税制度の仕組みを理解します。また、地方税の概要とともに国税とは
異なる役割を学びます。
第11回 租税回避行為と税務訴訟入門
  実際の課税事例により国と納税者の税務争訟を学び、納税の意義を再論議します。
第12回 国債管理と債務償還のしくみ
  特別会計による国債(債務)の管理方法を学び、とくに借換債の管理問題について考えます。
第13回 国債による財政破たん問題
  債務者側の返済原理(プライマリーバランス論)と債権者側の投資原理(格付問題)を比較検
討し、財政破綻問題の解決方法を考えます。   
第14回 租税政策、国債発行の経済効果
  租税と国債の調達方法の違いによる経済効果と世代間負担への影響を考え、市場の失敗と政府
の失敗について考えます。
第15回 財政制度の課題
 諸外国の財政制度と比較を行い、わが国の税・国債制度の課題を考えます。
関連科目
経済入門、ミクロ経済学基礎Ⅰ、マクロ経済学基礎Ⅰ、経済政策論基礎、財政学Ⅰ
準備学習等の指示
毎回授業内容の復習を60分程度行う必要があります。とくに授業時間外で、財務省や国税庁などの公的ウェブサイトのデータや情報を確認することが必要です。
教科書
教科書は使用しません。毎回レジュメを授業で配付します。
参考文献
橋本恭之著『入門財政(第3版)』(2014年刊、税務経理協会、税込3,850円)が本講義の内容をほぼカバーした入門書です。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験60%、授業への参加度(小テスト、レポート等を含む)40%で評価します。
出席回数が11回以上の出席者については、授業への参加度に加味します。
実務経験と授業との関連
金融機関(損保)の経済リサーチ部門で公共セクターの政策分析を担当し、また、税理士(税理士事務所所長)として課税の現場業務を経験しました。これらの実績を踏まえて、政府が財政制度によりどのような国づくりを考えているのかを分かりやすく解説します。
備考
授業中の私語は厳禁です。守れない学生には退室していただく場合があります。
この授業では、そういうことだったのかという気付きをたくさん提供します。ぜひ一緒に学びましょう。