シラバス情報

科目名
産業組織論
授業コード
21050
担当者名
堀江 真由美
副題
企業行動と産業政策の成果を学ぶ
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類

授業内容
産業組織論は、産業組織とそこで操業する企業の行動を分析する、より実践的で政策志向的な分野です。本講義では、従来型の構造→行動→成果に基づく産業組織志向の分析方法だけでなく、ゲーム理論を用いた戦略的な分析手法を理解し、使えるようになることを目指します。特に、企業行動の分析である、プロダクト・デザインやマーケティング・テクニック、チャネルに関わるトピックスを重点的に取り上げ、特定の産業や市場に当てはめて考えることで、理解を深め、さまざまな政策を評価できるようになる工夫をします。
後半には、公正取引委員会中国支所長をお招きし、独占禁止法、下請法、景品表示法に関わる事例、特に受講生に関心の高い事例を中心に、分かりやすく解説して頂く機会を設けます。
小テストを3回、課題を10回程度実施します。実施後の講義時に詳細な解説やフィードバックを行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
1.さまざまな産業で操業する企業の行動を戦略的に分析できるようになる
2.身近な製品が生産されている産業で行われている規制など、産業政策の意味を理解し、評価できるようになる
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「問題解決力」
授業計画
第 1 回 産業組織論の課題と歴史
第 2 回 ゲーム理論の基礎(1) 戦略形ゲーム:ナッシュ均衡の求め方
第 3 回 ゲーム理論の基礎(2) 展開形ゲーム:サブゲーム完全均衡の求め方
第 4 回 カルテル:カルテルとは、カルテルのゲーム理論による分析
第 5 回 カルテル:実例(リジン・カルテル)、カルテルに対する規制
第 6 回 市場支配力:市場支配力の推定、集中度の測定、市場範囲の画定方法
第 7 回 合併と企業結合:合併とは、水平的合併の厚生効果
第 8 回 合併と企業結合:企業結合規則、実例(携帯電話料金)
第 9 回 独占的競争:独占的競争モデル、参入と長期均衡
第10回 製品差別化:品質と垂直的製品差別化、品質のシグナリング
第11回 価格戦略:二部料金、非線形価格、ピークロード価格
第12回 競争政策の現実(独占禁止法・下請法・景品表示法に関わる事例の解説)公正取引委員会中国支所長による特別講義
第13回 広告戦略:説得広告とインフォマティブ広告の経済効果
第14回 広告戦略:ターゲッティング広告、比較広告の経済効果、実例
第15回 販売戦略:バンドリング、抱き合わせ、ディーラー制、再販価格維持、陳腐化戦術
関連科目
ミクロ経済学基礎Ⅰ・Ⅱ、経済の基礎数学Ⅰ・Ⅱ
準備学習等の指示
開講時までに、ミクロ経済学基礎Ⅰ・Ⅱの内容を復習しておいてください。
[予習]
各回の講義の最後に、予習についてのインストラクションをしますので、それに沿って、テキストの該当箇所に目を通すなどの予習をしておいてください。分からない用語等は事前に調べておくと、授業時のスムーズな理解に役立ちます。(約30分以上は予習に時間をかけましょう。)
[復習]
各回の講義ノート、小テスト、課題について、授業時の解説やテキストの該当箇所を参照しながら、分からないところ、間違ったところは念入りに復習し、課題に取組むようにしましょう。
授業時に記入できなかったところ、分からないところはそのままにせず、授業終了後やオフィスアワーを活用して質問するようにしましょう。
教科書
『プラクティカル産業組織論』 泉田成美・柳川隆著、2008年、有斐閣アルマ、1900円
参考文献
『産業組織とビジネスの経済学』花薗誠(著) 有斐閣 2018年
『新しい産業組織論:理論・実証・政策』小田切 宏之 (著) 有斐閣 2001年
Oz Shy, Industrial Organization: Theory and Applications (MIT Press) 1996
Jean Tirole, The Theory of Industrial Organization (MIT Press) 1988
この他、教科書以外の文献が学習に必要となる場合は、授業中に資料等としてプリントで配布します。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
授業への参加度・小テスト・課題(30%)、定期試験(70%)の割合で総合的に評価します。
実務経験と授業との関連
備考
なし