シラバス情報

科目名
コピーライティング実践講座
授業コード
35014
担当者名
北野 尚人
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】

広告コピーや商品ネーミングは、単なる思いつきではなく、広告する対象商品・サービスを様々な視点で捉え、目標とするイメージを受け手に持ってもらうために創られるものです。
場合によっては販売実績データ、消費者の利用シーン、ライバル商品との関係などからも発想し、文章を創り、伝える、という一連の知的作業です。
また広告コピーとして採用されるためには、相手を説得するプレゼンテーション力が求められます。
この授業では、「モノやコト」を注意深く観察した上で、どの要素をアピールすべきなのか、どのような表現がターゲットの関心を引き、心に刺さるのかを考えていきます。
授業内で各自が作成した広告コピーは、全員で感想を述べ合うとともに、教員が講評を行いフィードバックします。後半の授業では、グループを作って、ディスカッションしながら、共同作業でコピーを創り、最後はプレゼンテーションをして、全員で評価し合います。

【授業方法】
(1)担当教員より「コピーライティング」についての基礎的な講義をします。
(2)伝える目的によって、商品・サービスを様々な視点(レンズ)でみることを試みます。
(3)発表やグループワークで他の人がどのような見方をするかを参考にします。
(4)自分でコピー(文章)を作成し、どのような文章が相手の心に刺さるかを考えます。
(5)どのような理由でコピーを考案し、提案するのかを整理し、伝える工夫をします。 
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドのうち、「企画力」に分類される授業であり、到達目標は以下の3つです。
(1)コピーライティングする対象について、どんな価値を持つかを観察・分析できる。
(2)どのような表現が、最もその価値を伝えられるか、考え、コピー(文章)を創れる。
(3)創り出したコピーをどのように受け手に伝えるか、自分の考えを整理してプレゼンテーションできる。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「斬新な発想をする力」 
授業計画
第 1 回 イントロダクション: コピーライティングと企業の「マーケティング」活動
    コピーライティングと企業のマーケティング活動およびコピーライティングが深く関わる  
    「プロモーション」についての基本を学ぼう。
    「人間力チェックシート」【初回】実施。
     この回では、まず人間力について理解し、どの人間力を身につけたいかを意識します。  
    (55分)
第 2 回 「コピーライティング」って何?:
     広告コピーや商品ネーミングを考え創りだす「広告会社」や「コピーライター」の仕事と役
    割について学ぼう。
第 3 回 心に残る広告コピー:
    みなさんが日常触れる広告のコピーについて、評判のコピーを紹介し、解説を加えます。
第 4 回 商品の特徴や価値の把握:
    いくつかの商品や企業について、どこが特徴的か、どこが魅力か、みなさんの視点で観察し
    てみよう。
第 5 回 商品の特徴や価値の再検証:
    商品の特徴や価値を前回とちがった視点、視座、視野で捉えなおしてみよう。
第 6 回 「自分の興味あるモノ・コト」の特徴や価値の整理:
     自分の興味あるモノ・コトについて自分なりに捉えた特徴や価値を整理してみよう。
第 7 回 「自分の興味あるモノ・コト」の特徴や価値の文章化:
     自分の興味あるモノ・コトについて自分なりに捉えた特徴や価値を簡潔な文章にしてみよ
     う。
第 8 回 「自分の興味あるモノ・コト」の特徴や価値のコピーの発表:
     前回までに作成したコピーを発表してみよう。
    「人間力チェックシート」【中間ふりかえり】実施。
    この回では、自身の人間力の変化をふりかえり、その変化に対する考えを仲間たちへ伝えま
    す。(30分)
第 9 回 広島の企業の広告コピーの分析:
    どこが特徴的か、どこが魅力か、どのようにしたら魅力を伝えられるか分析しよう。
第10回 広島の企業の広告コピーの制作:
    「広島の有力企業」の広告コピー、キャッチフレーズを創ってみよう。
第11回 広島の企業の広告コピーの発表:
    「広島の有力企業」の広告コピー、キャッチフレーズを発表しよう。
第12回 グループワーク「広島経済大学」の広告コピーの企画:
    「広島経済大学」の広告をつくると仮定して、志望する高校生を増やす、イメージを高め
る、など他の人の視点を参考にグループごとに考えをまとめよう。
第13回 グループワーク「広島経済大学」の広告コピーの絞り込み:
    グループごとに広告コピーを考案し、数案に絞ろう。
第14回 グループワーク「広島経済大学」の広告コピーのプレゼンテーション:
    前回まとめた広告コピー案を、プレゼンテーションしよう。
第15回 グループワークの振り返りと総評
    「人間力チェックシート」【最終ふりかえり】実施。
    この回では、総合的なふりかえりを通して、自身の人間力がどのように成長したのかを理解 
    します。(35分)

(注)授業の内容および順序等は変更する場合もあります。  
関連科目
広告論、CM制作、メディアビジネス特講H 
準備学習等の指示
この授業は、興動館科目の「企画力フィールド」の授業です。
毎回、企画力フィールドの達成目標を意識して授業に臨んでください。
(①無から有を生み出す創造力を養う、②企画書に基づいて、その企画を相手に説得する力を養う)。 
 
普段皆さんは、広告に何気なく接触しているかもしれません。
しかし、この授業に際しては、日頃からかなり意識して広告コピーに触れておくことが必要になります。 

毎日30分以上広告に接し、広告コピーの意図や狙いを考え、自分なりの感想を持つようにしてください。  
教科書
教科書は使用しません。必要なものがあれば、授業でその都度指示します。  
参考文献
必要なものがあれば、授業でその都度指示します。

谷山雅計(2007),『広告コピーってこう書くんだ!読本』,宣伝会議
佐々木圭一(2013),『伝え方が9割』,ダイヤモンド社
小霜和也(2014),『ここらで広告コピーの本当の話をします。』,宣伝会議
グラフィック社編集部(2014),『テーマで学ぶ 広告コピー事典』,グラフィック社
(2011),『何度も読みたい広告コピー』,パイインターナショナル
(2012),『心に残る名作コピー』,パイインターナショナル
(2014),『物語のある広告コピー シリーズ広告編』,パイインターナショナル

また、日々目にする広告やポスター・チラシ・看板類のコピーをよく見ておいてください。   
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
(1)授業への参加度 25%
(2)成果物の評価 40%
(3)プレゼンテーションの評価 35%  
実務経験と授業との関連
前職の広告会社、博報堂に勤務していた時代より、広告の企画制作の業務を担当し、コピーライターとの協働経験も豊富で、コピーライティングのディレクションを行ってきました。
備考
履修定員は30名とし、抽選で選考します。 

興動館科目では、あなたの人間力の成長を記録するために、ふりかえりと分かち合いを重視した「人間力チェックシート」を作成していただきます。

受講条件:新聞やテレビ、雑誌やラジオの広告に興味を持って接しておいてください。

受講心得:受講中は私語・飲食禁止。他の学生の邪魔となる行為のあった者に関しては、以後の出席を認めません。