教員名 : 渡辺 郁夫
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科目名
日本の思想と文化
授業コード
15008
担当者名
渡辺 郁夫
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類
授業内容
日本には様々な文化が流入してきましたが、古代から現代まで日本人はそれをどのように受容し、自分たちの文化を作りあげていったのか考えていきます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
日本の思想と文化について古代から近代までの流れを追い、日本の思想と文化の理解を深めます。日本には様々な思想や文化があり、宗教、思想、文芸を含めた芸術など多岐に渡りますが、その根本にあるものを探り、「不易」と「流行」すなわち「変わらないもの」と「変わるもの」とを理解することを目指します。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」 授業計画
第1回 縄文文化と弥生文化 日本文化の土壌となった縄文文化と弥生文化について考えます。弥生文化については稲作との関係と神道の関係についても考えます。
第2回 自然崇拝と神社 神道は日本人の自然観と深くつながっています。また元来社殿がなかったと思われる神道に社殿ができ神社を中心とする神道になっていく過程を考えます。 第3回 聖徳太子と和の思想 大和朝廷の成立後にその後の日本に大きな影響を与えた聖徳太子が現れます。聖徳太子の「十七条憲法」と特に「和の思想」について考えます。 第4回 権威と権力 日本では大和朝廷の成立後のある時期までは祭政一致で宗教的権威と政治的権力が一元的に集約されていましたが、やがてそれが分離していきます。その意味を考えます。 第5回 国風文化と仮名文学 男性が中心の漢字文化に対して国風文化では女性が中心となる仮名文学が現れます。それにより繊細な感情表現が可能になったと思われ、その過程を追います。 第6回 本覚思想と自然観 比叡山の天台思想の中で本覚思想が現れますが、これは日本独自の仏教思想と言ってもよく、日本思想の特色をよく表していると言えます。その内容について考えます。 第7回 末法思想と浄土教 平安時代から仏教の中で起こった末法思想は時代状況とも関連して浄土教への関心を深めます。特に源信の『往生要集』が人々に与えた影響について考えます。 第8回 往生伝と来迎思想 浄土教への関心の高まりとともに往生伝が現れます。そこに説かれる来迎をめぐって浄土教の各祖師に捉え方の違いがあります。その比較を通して浄土教のあり方を考えます。 第9回 中世隠者の思想 長明と兼好 中世には仏教の中で隠者が現れ仏教思想の体現者としてその作品は長く読み継がれ、現代にも影響を与えています。「無常観」を中心にその思想を考えます。 第10回 観音信仰と母性 『法華経』の一部に『観音経』があり、『法華経』信仰とともに宗派を越えた信仰を集め、やがて観音霊場としても信仰が広がります。その母性的信仰を考えたいと思います。 第11回 禅宗文化と茶道 禅宗は坐禅をするだけではなく周辺に禅宗文化と言われるものをもちます。建築、作庭、書画、茶道と幅広く、中世の文化の一つの中心となります。その流れを追います。 第12回 儒学と藩校 江戸時代の日本の教育水準は高く、明治維新後の発展の基盤となったと思われますが、江戸時代の教育の柱だった儒学とそれが主に説かれた藩校のあり方を考えます。 第13回 芭蕉と町人文化 江戸時代には武士だけではなく町人の文化水準も高まります。その一つの例として芭蕉を取り上げ、その自然観や、また紀行の形をとった巡礼のあり方を考えます。 第14回 維新の思想 幕末の維新の思想を取り上げ、その源流とともに特にその一つの中心と言える長州の吉田松陰の思想について考えます。また合わせて福沢諭吉の思想について考えます。 第15回 漱石と文明 夏目漱石は明治時代の文豪ですが、文明開化が日本にもたらすものを洞察していました。漱石と文明について考えます。 関連科目
日本の宗教
準備学習等の指示
予習と復習に各2時間を要します。紹介する参考文献の読解を勧めます。
教科書
プリントとスライドを使用します。
参考文献
『古事記』『往生要集』『方丈記』『徒然草』『奥の細道』他
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(80%)と授業への参加度(20%)によります。
実務経験と授業との関連
なし
備考
参考文献の内、授業で扱う部分については、プリントに引用します。また受講中の私語、飲食、携帯電話の使用を禁止します。
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