シラバス情報

科目名
メディア文化史
授業コード
25033
担当者名
阿部 純
副題
メディア文化の流れを知り、今のメディア・コミュニケーションを理解する
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類

授業内容
 本授業では、数あるメディア文化の中でも、写真・映像とウェブ・メディアに着目し、それぞれの技術的・文化的特徴の変遷を概説していきます。これらのメディアは、それぞれが直線的な歴史を描いているわけではなく、ケータイやインターネット環境が社会に浸透していく中で、相互に絡み合いながら、それぞれの文化ジャンルを形成してきています。これらのメディア文化史をひもといていくことで、今の私たちのコミュニケーションを説明するためのキーワードが見えてくるはずです。
 第6回・第11回には演習として、今の私たちのメディア・コミュニケーションにおける「新しさ」や「楽しさ」などについて、メディア文化史的な観点から再考する時間を設けます。受講生のみなさんの発表とディスカッションを通して、今のメディア文化を記述するための「言葉」を一緒に考えていきたいと思います。グループワークやTeamsを使ったオンライン講評会などを行っていく予定です。

 毎回授業の最後に、その回の内容に関する小レポートを提出してもらいます。次の回の冒頭では、小レポートのふりかえりを行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
【到達目標】
・映像メディアやウェブ・メディアの歴史や専門用語を理解し、自分の言葉でこれらのメディア文化を説明できるようになること。


【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「プレゼンテーション能力」
授業計画
第1回 オリエンテーション 
第2回 メディア文化の転換点:複製技術とコミュニケーション
第3回 写真・映像メディア1: 写真論と写真家
第4回 写真・映像メディア2:映画と映画館
第5回 写真・映像メディア3:Instagram写真
第6回 写真演習:「日常」を写真で切り取る
第7回 写真演習の発表・ディスカッション
第8回 ウェブ・メディア1: 参加型メディア
第9回 ウェブ・メディア2:ユーザーサイトの興隆
第10回 ウェブ・メディア3:ニコニコ動画とYouTube
第11回 動画分析演習:人気動画を解体する
第12回 動画分析演習:発表準備・発表練習
第13回 動画分析演習:グループ内発表・ディスカッション
第14回 ポストシネマ論
第15回 デジタル化以降の「映画」+授業のまとめ

・演習回はグループワークとします。
関連科目
「メディア論」「メディア・リテラシー」「出版メディア論」「Webメディア論」「映像メディア論」など
準備学習等の指示
事前に配布する資料に目を通してくることと、前回の復習をすることを必須とします(30分程度)。
発表の前には、発表練習も各自でしてきてください(30分程度)。
教科書
教科書は使用しません。毎回プリントを配布し、スライドで説明します。
参考文献
鮎川ぱて(2022)『東京大学「ボーカロイド音楽論」講義』文藝春秋
伊藤俊治(2022)『増補 20世紀写真史』筑摩書房
大山顕(2020)『新写真論 スマホと顔』ゲンロン
甲斐義明(2021)『ありのままのイメージ スナップ美学と日本写真史』東京大学出版会
レフ・マノヴィッチ著・久保田晃弘・きりとりめでる(編・訳)他(2018)『インスタグラムと現代視覚文化論 レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって』ビー・エヌ・エヌ新社
吉見俊哉(2012)『メディア文化論—メディアを学ぶ人のための15話 改訂版』有斐閣
渡邉大輔(2022)『新映画論 ポストシネマ』ゲンロン
ほか
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(60%)、発表・ディスカッション(20%)、各回の小レポート(10%)、授業への参加度(10%)で総合的に評価します。
出席回数が総授業回数の3分の2に満たない場合には、定期試験の受験を認めません。
実務経験と授業との関連
備考
本授業では、受講生のみなさんの積極的な参加を求めています。特に、現代の映像文化については受講生のみなさんの方が詳しいと思うので、最新情報を求めると思います。関係のない私語や居眠りは厳禁です。自身のメディア・コミュニケーションとの共通点や相違点を意識しながら授業を聴いてください。