シラバス情報

科目名
コミュニケーション実践
授業コード
35030
担当者名
渡辺 郁夫
副題
相手に届き、相手を動かす音声表現の練習
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2023年度前期
教職免許種類

授業内容
【授業内容】
言語活動の諸領域の総合として、「読む」「書く」「聞く(聴く)」「話す」力を養い、特に「聞く(聴く)こと」と「話すこと」を中心にした音声表現の力を養います。他者理解の上に立った自己表現のあり方を考えるために、「聞き書き」の実践をし、さらに「スピーチ」の実践へと進みます。
【授業方法】
講義の受講と実践から成ります。はじめに「語り」「朗読」「聞き書き」「スピーチ」等の意義と実例を学び理解し、次にそれを目標として自ら実践します。
特に「聞き書き」についてはその意義や手法を理解した上で、実際に相手を設定した上で実践します。具体的には相手にインタビューをし、それを文章化し、自ら発表します。さらにそれを素材とした「スピーチ」の実践へと進みます。
【課題(試験やレポート等)に対するフィードバック】
授業内容に応じて課題や小テストを実施し、解答を次週の授業の冒頭で解説付きで行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、共生力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。
①言語活動、特に音声表現を通して他者理解を深め、また自己表現力を高めることを目指して、まず「聞くこと」の重要性を理解し、音声を通して相手を理解することができるようになります。
②続いて「聞くこと」の上に立った「話すこと」、他者理解の上に立った自己表現のあり方を考え、音声表現を通しての他者理解の力と自己表現の力を高めることができるようになります。
【身につく力】「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」「協働して成し遂げる力」
授業計画
第1回 オリエンテーション・人間力チェックシート【初回】実施。言語活動の原点が何であったか考え、「聞く(聴く)」ことから始め、「観音」について考えます。また「聞く」と「話す」からなる「弁証法」について考えます。
第2回 文字の読み書きができない人々が大半であった時代にも、説教、落語、講談などがあったことから「口承文芸」や「話芸」の伝統が日本にあったことを理解します。
第3回 「語り」の力から「表現力」について考えます。『平家物語』を参考にします。
第4回 「朗読」の音声表現について考えます。文芸作品の朗読を参考にします。
第5回 「聞く」ことを通して、さらにより積極的に「聞き出す」ことを考えます。『聞く力』を参考にします。
第6回 「聞く」ことをさらに高め「聞き出す」ことをし、さらにそれを「書き取る」ことを考えます。『「聞き書き」の力』を参考にします。
第7回 「聞き書き」(インタビュー)を模擬実践します。
第8回 「模擬インタビュー」の発表をします。人間力チェックシート【中間ふりかえり】実施。
第9回 「聞き書き」(インタビュー)をまとめます。
第10回 「聞き書き」(正式インタビュー)の発表をします。
第11回 「聞き書き」(正式インタビュー)の発表をします。(発表その2)
第12回 スピーチについて考えます。実話である『英国王のスピーチ』(映画)やオバマ演説、小説『本日は、お日柄もよく』を参考にします。また「聞き書き」(インタビュー)で取材した内容などをもとに自己表現を考えます。
第13回 自分の「スピーチ」を考えます。「聞き書き」(インタビュー)で取材した内容や、その他の題材を考え、原稿を作成します。
第14回 自分の「スピーチ」を発表します。
第15回 「読む」「書く」「聞く」「話す」力を総合して、他者理解の上に立った自己表現のあり方、伝える力とは何かをあらためて考え、まとめます。人間力チェックシート【最終ふりかえり】実施。
関連科目
日本の思想と文化
準備学習等の指示
この授業は、興動館科目の「共生力フィールド」の授業です。毎回、以下のような共生力フィールドの達成目標を意識して授業に臨んでください。
〈共生力フィールドの達成目標〉①他者を共感的に理解する力をもつ。②豊かな自己表現力をもつ。
また予習と復習に各2時間を要します。特に「聞き書き」と「スピーチ」においてはインタビューや原稿作成に自宅での時間を要します。またインタビューができる相手が必要になります。
教科書
プリントとスライドを使用します。
参考文献
『聞く力』(阿川佐和子 文春新書) 『「聞き書き」の力』(大修館書店) 『本日は、お日柄もよく』(原田マハ 徳間文庫)
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
授業への参加度(20%)、提出物(40%)、発表(40%)によります。
実務経験と授業との関連
なし
備考
定員30人とします。
参考文献の内、比較的入手しやすい『聞く力』(阿川佐和子 文春新書)と『本日は、お日柄もよく』(原田マハ 徳間文庫)を事前に読んでおくことを勧めます。また受講中の私語、飲食、携帯電話の使用を禁止します。
興動館科目では、あなたの人間力の成長を記録するために、ふりかえりと分かち合いを重視した「人間力チェックシート」を作成していただきます。