教員名 : 胤森 裕暢
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科目名
公民科教育法 【教職】
授業コード
51006
担当者名
胤森 裕暢
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2023年度後期
教職免許種類
高校一種(公民)
授業内容
まず,「社会・公民科教育法」等で理解し身に付けた基礎的・基本的な事項を踏まえて,高等学校社会科から公民科の学習指導要領への変遷について理解し、これらをもとに公民科の目標、育てたい学力,特に生徒の社会認識について考え,その評価の工夫についても考えます。
次に,こうした基本的な理解をもとに,改訂された高等学校公民科学習指導要領について,科目ごとに目標,内容,方法など実際の指導上の留意点を理解します。 さらに,生徒の社会認識レベル等を踏まえた教材研究と学習指導案作成をして,模擬授業と協議会を行い,他学生や教師から出された改善点や改善策を手がかりにして学習指導案の改善を行います。 最後に小テストを行い,自らに身に付いた知識や力,これからの課題について振り返ります。 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本授業は,高等学校公民科の指導法に関する理解と,授業設計の方法を身につけることをテーマとし、以下のことを到達目標とします。
高等学校公民科の目標,育成を目指す資質・能力についての理解を深め,学習指導要領に示されてきた目標や内容について,社会科教育学等の学問領域と関連させて理解を深めるとともに,様々な学習指導理論を手がかりにして単元レベルの授業計画(細案)の設計を行う方法を身に付けます。 この授業内容を理解することで,公民科授業に関する基本的な知識を理解し,公民科授業を構成する基礎的な技能を身に付けます。 【身につく力】「コミュニケーション能力」「プレゼンテーション能力」「協働して成し遂げる力」 授業計画
第1回 オリエンテーション−公民科目標と科目編成,公民科成立の社会的背景−
第2回 学習指導要領の変遷−内容や方法の基準である学習指導要領はどう変遷してきたか− 第3回 現行学習指導要領の特色−特色は何か,変遷の中でいかに位置づけられるか− 第4回 公民科の学力と評価−社会認識と公民的資質をいかに評価すればよいか− 第5回 「現代社会」「公共」の目標,内容と指導上の留意点−何をいかに学習させればよいか− 第6回 「倫理」の目標・内容と指導上の留意点−何をいかに学習させればよいか− 第7回 「政治・経済」の目標・内容と指導上の留意点−何をいかに学習させればよいか− 第8回 授業構成と生徒の認識をふまえた「現代社会」「公共」の授業改善−いかに授業を改善するか− 第9回 授業構成と生徒の認識をふまえた「倫理」の授業改善−いかに授業を改善するか− 第10回 授業構成と生徒の認識をふまえた「政治・経済」の授業改善−いかに授業を改善するか− 第11回 実践研究による教材研究の工夫−教材はいかにつくればよいか− 第12回 模擬授業・協議(社会科(公民的分野))−作成した学習指導案による授業,情報機器と教材の活用− 第13回 模擬授業・協議(公民科「現代社会」「公共」)−学習指導案による授業,情報機器と教材の活用− 第14回 模擬授業・協議(公民科「倫理」「政治・経済」)−学習指導案による授業,情報機器と教材の活用− 第15回 公民科の全体構造 −小テストと協議− 関連科目
中学社会科教育法Ⅰ,中学社会科教育法Ⅱ,社会・地理歴史科教育法,社会・公民科教育法, 地理歴史科教育法
準備学習等の指示
学習指導案作成と模擬授業に向け,教科書及び学習指導要領解説を読み込んで,よく理解した上で教材研究をすることが大切です。
自分の体験した中学校社会科の授業を思い出すこと。できれば,当時のノートやプリントを集めておこう。さらに教科書や参考文献などをもとに,日頃からよい公民科授業のイメージを持つようにしてほしい。学習指導案のモデルをもとに作ろう。そのためには,イメージを持つために30分以上,また教材研究と学習指導案作成に120分程度はかけてほしい。 教科書
・『高等学校学習指導要領解説 公民編』,東京書籍,平成31年3月,1100円
・日本公民教育学会編『テキストブック公民教育』,第一学習社,2019年,1760円 参考文献
講義中に適宜紹介しますので,自主的に活用してください。
・社会認識教育学会編『中学校社会科教育・高等学校公民科教育』,学術図書出版社,2020年,2200円 ・『新・教職課程演習 第17巻 中等社会系教育』,協同出版,2021年12月,1980円 ・棚橋健治編著『中等社会系教育』,協同出版,2014年,2750円 定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
・模擬授業及び改善した単元レベルの学習指導案(細案)(40%),毎回の発言(授業への参加度として)・レポート(30%),小テスト(30%)
・単元レベルの学習指導案により模擬授業を行い,生徒の社会認識や実態に応じた学習指導ができているかどうかを評価します。 ・毎回求める発言(授業への参加度として)とレポートは,理解したこと,疑問や気づき,意見したしたこと等を整理できているかどうかを評価します。 ・模擬授業後に提出する改善した学習指導案は,授業構成等について具体的に改善されているかどうかを評価します。 ・小テストでは,公民科に関する学習理論,授業構成等についての基本的な知識の理解ができているかどうかを評価します。 実務経験と授業との関連
・中・高等学校教師として授業を,そして教育委員会の指導主事として,中・高等学校教師の指導助言を担当してきました。中・高等学校授業の研究開発も行っています。これらを活かし,理論的かつ実践的な学習指導案作成の力を身に付けてもらえるよう指導をしていきます。このために履修者全員による主体的な模擬授業と協議会ができるように運営します。
備考
公民科教師になることを目指すという意志をしっかり持ちながら,真剣に模擬授業,学習指導案改善等に臨むことを求めます。
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