シラバス情報

科目名
経済入門 e 営
授業コード
31005
担当者名
平下 義記
副題
くらしと経済
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2024年度後期
教職免許種類
高校一種(商業)

授業内容
経済とは、日々の生活の営みです。人々は、常に自分たちの生活をより豊かなものにしたいと考えているでしょう。そのような目的を実現するためには、生産の場においては、それぞれの商品生産の生産のために投入される資源を節約して生産費用を低下させ、生産力を高める努力がなされます。また市場においては、対価のある経済的な交換や取引をより円滑にする方法を考え出します。そして、それぞれの家計においては、より少ない労働負担とより効率的な資本の運用によって、より多くの所得を得るよう工夫するでしょう。このような経済に参加する人々の努力の結果として、自然に、あるいは何らかの約束によって、ある一定の経済的慣習やルールが存在するようになります。
テキストでは、財貨・サービスの生産、交換、消費という経済舞台に登場するものを「経済主体」として理念化して説明しています。そのうちの「家計」は、自分たちの保有する労働力を市場を通じて企業に供給し、その報酬として賃金・俸給を獲得するという労働者の側面と、自分が保有する資本を資本市場において供給し、その賃貸料を獲得する資本家の側面、そしてそれらの所得によって日常の消費生活を営む消費者としての側面を併せ持ちます。それに対し、いろいろな資源や生産要素をそれぞれの市場を通じて購入し、所与の生産技術のもとで最適な技術条件によって生産・販売する「企業」があります。また、租税を徴収し、公的な財やサービスを供給する「政府」があり、現代では、それぞれの経済主体が「海外」に密接に関係しています。このような各経済主体間の財やサービス、そして貨幣の流れをみれば、経済全体の姿や仕組みが見えてきます。
コロナ禍で低迷したGDP、物価の高騰に追いつかない賃金上昇、正規社員と非正規社員の格差、経済全体のお金の流れとそれをコントロールする日本銀行、政府の大幅な財政赤字の原因、株式会社としての企業活動から見える問題、生産活動や消費に大きく影響する円安など、この「経済入門」によって、分析能力を高めるために大学生として最低限知っておくべきベースを形成します。


到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
この授業では以下の4点を目標とします。
①企業、家計,政府そして海外という経済主体間の財やサービス、貨幣の流れを見ることによって、経済全体の姿を把握する。
②経済的センスを身につけて,日々の様々な事象について論理的に思考する習慣をつける。
③経済新聞やビジネス雑誌などを読んで、内容を理解できるようになる。
④興味があるテーマについて、さらに専門的に学ぶことができる専門科目を知る。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第 1 回 序 章 経済についての知識を身につけよう(1) 「経済」について学ぶ
第 2 回 序 章 経済についての知識を身につけよう(2) 機会費用
第 3 回 第1章 経済循環と様々な経済指標(1) 国内総生産
第 4 回 第1章 経済循環と様々な経済指標(2) 物価と雇用
第 5 回 第2章 家計(1) 家計の役割と収入・消費
第 6 回 第2章 家計(2) 家計の貯蓄・資産
第 7 回 第3章 企業(1) 企業の役割と儲け
第 8 回 第3章 企業(2) 株式会社のしくみ
第 9 回 第4章 貨幣と金融(1) お金の役割と金融機関
第10回 第4章 貨幣と金融(2) 銀行と証券会社の業務
第11回 第5章 政府(1) 政府の役割と歳出・歳入
第12回 第5章 政府(2) 政府の収支と財政赤字
第13回 第6章 国際経済(1) 企業の海外進出と為替相場の変動
第14回 第6章 国際経済(2) 経済のグローバル化と国際貿易 
第15回 まとめ
関連科目
ミクロ経済学基礎Ⅰ・Ⅱ,マクロ経済学基礎Ⅰ・Ⅱ,金融論Ⅰ・Ⅱ,財政学Ⅰ・Ⅱ,国際経済基礎Ⅰ・Ⅱ,経済政策論基礎,社会政策論基礎
準備学習等の指示
1.授業で学修した内容は、その日のうちにノートにまとめる、わからない用語を調べる等、必ず復習をしてください。
2.授業で学んだキーワードに関連する記事や本を、是非読んでください。本学の図書館では、皆さんの知識欲をさらに高める様々な工夫がされており、多くの本や雑誌等が並んでいます。
3.日頃から新聞に目を通す習慣をつけ、問題意識を持つことが大事です。図書館では紙の新聞だけでなく、学内ならばオンラインで新聞記事を読んだり検索できるデータベースが用意されています。
教科書
広島経済大学経済学部経済学科編『経済入門』(2024年版) 予価:524円(税込)
参考文献
適宜授業中に紹介します。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験70%,授業参加度等30%として総合的に評価します。
実務経験と授業との関連
備考
経済学部以外の学生にとっても、この「経済入門」を学び経済的センスを身に付ければ、ビジネス戦略を考える上で、また取材をする上で、非常に有利であることがわかるでしょう。