シラバス情報

科目名
西洋経済史Ⅰ
授業コード
21038
担当者名
竹林 栄治
副題
前工業化時代のヨーロッパの社会と経済
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2024年度前期
教職免許種類
中学一種(社会)、高校一種(地理歴史)

授業内容
授業内容
この授業は、世界史の大きな流れを踏まえながら、古代から現代までのヨーロッパの経済活動を理解します。すなわち、過去から現在に至る「西洋経済史」の重要項目をさまざまな視点(市場・技術・労働・資本・価値観・過去の影響など)から捉えます。特に前期に開講される西洋経済史Ⅰでは古代から近世までの時代を取り扱います。

授業方法
この授業では事前学習(30分)と事後学習(30分)が不可欠です。授業前に予習として学習ポータル上で配布資料を読み込んで授業本番に臨みます。授業終了後は復習として配布資料を読み直しましょう。とくに第10回では理解度を確認するために小試験を実施しますので、しっかり復習しましょう。
この授業は対面授業で行います。



到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
この授業は次の目標を目指します。
1)学習した歴史事象を経済学的に説明する能力が身に付きます。
2)多文化を尊重し、異文化を理解する姿勢が養われます。
【身につく力】 「知識・理解」「論理性 」「多様性」
授業計画
第1回 「経済史」の効用
 経済史とは何かを説明し、それを学ぶ意義を「多様な視点」と「自己相対化」の観点から、歴史的事例を挙げて説明します。

第2回 農業の開始
 後氷期に人類が狩猟採集経済から農業へ移行した理由を狩猟の限界費用と限界収入の観点から学びます。

第3回  古代国家の成立と経済インフラの整備
 古代国家の成立を安全保障についての規模の経済(スケールメリット)の追求の観点から説明し、次いで国家運営を支える官僚制と経済活動を支えるインフラについて学びます。

第4回 古代ローマの興亡
 都市国家から地中海帝国に発展した古代ローマの経済を、農業生産と栽培作物、大規模農園から小作制への移行、インフラ整備の費用調達の観点から学びます。

第5回  封建社会の特徴
 身分制社会の原理がなぜ必要だったかを考え、身分表彰手段としての威信財の役割を学びます。

第6回 中世の農業
 中世社会の主要な産業であり、社会的富の大部分を生産する農業とそれが展開する空間としての農村とそこに住む農民の生活を学びます。

第7回 中世の都市と商工業
 ヨーロッパにおける中世都市の構造とそこで生産される商品、都市と周辺農村との経済的関係を説明し、次いで宗教と経済活動とくに徴利子禁止について学びます。

第8回 東西交易の発展
 当時のヨーロッパ経済を支えたバルト海貿易とアジア物産を供給したレヴァント貿易の様子とそこで活躍したハンザ商人・イタリア商人の役割を学びます。

第9回 中間まとめ
 これまでの学習項目を復習するとともに、小試験を実施します。

第10回 大航海時代と欧州の世界進出
 ポルトガル・スペイン(イスパニア)・オランダ等の西欧諸国の海外進出の政治的・宗教的・経済的動機を学びます。

第11回 大航海時代と欧州の世界進出
 ヨーロッパ世界の外的拡大の物的・精神的前提となったルネサンス、宗教改革、軍事技術の発展を学びます。

第12回 西欧の植民地支配−中南米・アフリカ・アジア−
 中南米・アフリカ・アジアにおける西欧諸国の植民地支配の違いと生産の組織化、地球規模での交換経済を加速化させたオランダの役割を学びます。

第13回 ヨーロッパ経済・社会の変化
 アメリカ大陸やアジア物産の流入による物価騰貴やヨーロッパ人の生活様式の大きな変化等を、食材や食器(陶磁器)を事例に挙げて学びます。

第14回 初期産業革命とプロト工業化
 アジア物産の輸入代替としての陶磁器生産や農村での輸出向け市場生産として発展した毛織物業について学びます。

第15回 主権国家の成立と重商主義
 ヨーロッパにおける主権国家の形成を国語と規範文法の整備の観点から説明し、これらの諸国が経済活動に関与した政策の内容と理由を学びます。
関連科目
関連科目では、西洋経済史Ⅱ、経済史基礎Ⅱ、世界の歴史があります。
準備学習等の指示
この授業をより良く理解するために、次のことに留意しましょう。
1.事前に学習ポータル上に掲示された配布資料を各自が入手(ダウンロード)し、それらを読み込みます。予習が大前提です。
2.この授業は世界史を既に学習していることを前提にしているので、世界史の科目の知識に不安のある受講生は、高校の教科書や参考書を予め読んでおきましょう。
3.新聞、テレビやインターネットで国際ニュースや時事ニュースを見ておくこと(大学生としての最低限の教養は受講の際に必要です)。
教科書
使用しません。事前に学習ポータル上に掲示された配布資料を各自が入手(ダウンロード)してください。
参考文献
参考文献として、荒井政治、竹岡敬温、『概説西洋経済史』、有斐閣、1980年、岡田泰男、『経済史入門—過去と現在を結ぶもの』、慶應義塾大学出版会、1997年、1979年、堺憲一、『新版あなたが歴史と出会うとき—経済の視点から』、名古屋大学出版会、2009年、林達、『一般経済史』、学文社、1995年等を挙げておきます。
世界史では、『詳説世界史B』、山川出版社、 『世界史B』、東京書籍、『世界史B 人、暮らしがあふれる歴史』、第一学習社等があります。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(60%)と小試験(40%)で評価します。
対面授業が前提なので、出席回数が総授業回数の3分の2に満たない者は定期試験の受験を認めないことがあります。


実務経験と授業との関連
なし
備考
受講者心得
1.事前に学習ポータル上に掲示された配布資料を各自が入手(ダウンロード)してください。
2.他の受講生の勉強の妨げになるので、授業中の私語は厳禁です。友達とのお喋りは授業時間外にしましょう。非常に騒がしくて授業の妨げになる場合は、教員が適切と考える処置を取ることがあります。