シラバス情報

科目名
経済学史特論Ⅰ
授業コード
71010
担当者名
林 直樹
副題
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2024年度前期
教職免許種類
高校専修(地理歴史)

授業内容
最も新しい部類に入る経済学史のテキストを用い、古典派経済学から現代経済学までの経済学の歴史を検討します。
ポスト・ケインズに多くの紙幅を割いている点が、このテキストの長所です。

各時代・地域の多様な状況に照らし合わせながら経済問題について思索する人々は、つねに存在してきました。
しかし経済学は単なる部分知の寄せ集めではなく、一定の法則性に裏打ちされた体系性を兼ね備えています。
その点を尊重しつつも論理の綻びや実証不足に目を遣り、普遍妥当性の伴う経済学構築の方向性を考えることが、この授業の目的です。

授業では教員による解説を基本線としますが、折に触れて授業内容をふまえた発表(レジュメ作成必須)を求めます。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
【到達目標】
(1)主要な経済諸学説について、その来歴をふまえたうえで有効性を考証できる。
(2)経済学の諸体系を整理し、自らの観点に照らしてそれらの是非を判断できる。
【身につく力】
④論理的思考力・分析力 ⑤問題解決力 ⑦斬新な発想をする力
授業計画
第 1回 古典派経済学の形成
第 2回 古典派経済学の展開
第 3回 古典派経済学の完成
第 4回 大陸経済学の形成
第 5回 マルクス学派の始まり
第 6回 一般均衡理論
第 7回 イギリスの限界革命
第 8回 マルクス学派の展開
第 9回 20世紀前半の需要理論
第10回 20世紀半ばの計量経済学
第11回 ゲーム理論の始まり
第12回 20世紀半ばの一般均衡理論
第13回 行動経済学の由来
第14回 有効需要論の発展
第15回 経済成長理論の歴史
関連科目
経済学史特論Ⅱ
準備学習等の指示
【事前学習】
テキストの該当範囲に事前に目を通してきてください。発表を指示する場合もありますので、その際にはレジュメ作りを丁寧に進めてください。
【事後学習】
理解が不明瞭な箇所はどこかを、授業内容を反芻しながら特定し、次回以降に質問できるようにしておいてください。
教科書
野原慎司・沖公祐・高見典和著『経済学史:経済理論誕生の経緯をたどる』日本評論社(2019年)
参考文献
経済古典を中心に、適宜指示します。
定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
以下のような比率に基づき、総合的に評価します。
授業への参加度:30% 授業内発表(三回程度):70%
実務経験と授業との関連
備考
大学院の授業ですから、受け身にならず、積極的に質疑等していただけることを願っています。
学部の経済学史を受講済だと話に入り込みやすいでしょうが、初学者でも問題ないように、解説を交えながらなるべく丁寧に進めていきます。