教員名 : 中村 隆行
教員名 : 加藤 俊伸
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科目名
興動館プロジェクトの評価と改善
授業コード
35023
担当者名
中村 隆行、加藤 俊伸
単位数
2.00単位
配当年次
1年
開講学期
2024年度後期
教職免許種類
授業内容
【授業内容】
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、行動力フィールドに属しているので、行動力をのばすことを重視しています。 社会には行政・企業・NPOなどが行う様々なプロジェクトが存在しますが、そのようなプロジェクト活動に参加する際に、メンバーが知っておきたいプロジェクト評価の基本的な考え方と具体的な方法について参加型ワークショップを通じて学びます。前半は教員が携わったモンゴルの環境問題についての事例を、動画、データなどを用いて具体的に社会状況や課題を学んだ上で、基本から問題分析を一緒に行います。その上で、課題解決のためのプロジェクトを評価シート作成を通じて考えていきます。また、その中で基礎的な評価手法や論理・分析力なども学んでいきます。後半では、興動館プロジェクトに携わっている学生はそのプロジェクトの評価と改善を、携わってない学生は興動館プロジェクトまたはモンゴル環境問題の前半とは別の事例プロジェクトの評価と改善を、評価シートの作成を通じて前半に学んだことを応用していきます。 【授業方法】 (1)シミレーションゲーム、事例紹介、ワークショップを通じて、基本的なところから参加型で学んでいきます。 (2)PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)、PDM(プロジェクト・デザイン・マトリックス)など国際的なプロジェクトなどで活用されている基本的なプロジェクト評価手法について事例を通じて学びます。 (3)興動館プロジェクトなどの事例について評価のワークを行い、評価シートを作成します。 (4)発表・プレゼンテーションを行います。 【課題等のフィードバック】 授業中のワークショップの発表がある回は事前に発表資料(エクセル表1枚程度)を作成し、授業中に仲間たちとともに議論し、フィードバックしていきます。各授業終了時に200字程度のリアクションペーパー(小レポート)を記載し、次の回の授業でフィードバックします。 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
【到達目標】
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、行動力に分類される授業であり、到達目標は以下のようなものです。 (1)興動館プロジェクトの活動をより楽しく、より充実したものにするため、プロジェクトの社会での位置づけ・目標・目的・活動などについて、具体的指標を考えながら実践的な評価手法と、それを用いた改善などのマネジメント(プロジェクト・サイクル・マネジメント)の手法を身につけることができます。 (2)自らが携わる、または関心のあるプロジェクトの評価シート(プロジェクト・デザイン・マトリックス)を自ら作成することにより論理的思考力を養うとともに、プロジェクトとは何か、その有効性と限界を認識することができます。 (3)地域等の身近な課題や国際的な課題の双方に関心を持ち、そのいずれに対しても取り組む面白さを認識し、自らの学びやキャリア形成を考える基礎を身につけることができます。 【身につく力】①チャレンジする力 ②論理的思考力・分析力 ③プレゼンテーション能力 授業計画
第1回 オリエンテーション・人間力チェックシート【初回】実施
この回では、まず人間力について理解し、どの人間力を身につけたいか意識します。アイスブレイクとして自己紹介・社会課題シミレーションゲームも合わせて行います。 第2回 プロジェクトの初歩的理解 プロジェクトの概念の基礎を事例に基づき考えていくことで理解していきます。 第3回 課題とプロジェクトとの関係 モンゴル環境問題を動画・教員の解説を理解した上で、課題分析ワークショップを行います。 第4回 プロジェクトの内と外 モンゴル環境問題について考えられるプロジェクトを議論していきます。 第5回 評価シート(プロジェクト・デザイン・マトリックス)の基礎 評価シートの基礎を事例に基づき学んでいきます。論理と客観性についても学びます。 第6回 事例ワークショップ プロジェクト評価シート発表 自身が作成したモンゴル環境問題の課題解決プロジェクトを発表し、仲間たちと議論します。 第7回 事例ワークショップ プロジェクト評価指標考察 自身が作成したモンゴル環境問題の課題解決プロジェクトの指標について仲間たちと議論します。 第8回 プロジェクト評価まとめ・人間力チェックシート【中間ふりかえり実施】 この回では、自身の人間力の変化をふりかえり、その変化に対する考えを仲間たちに伝えます。事前・中間・事後評価 国際協力5項目評価(妥当性、有効性、効率性、インパクト、持続性)などの概念を学びます。 第9回 システム思考 プロジェクトの有効性と限界について理解し、現実の世界の複雑性を理解していきます。 第10回 興動館プロジェクト評価シート発表ワークショップ 自身が携わるまたは考える興動館プロジェクトなどの評価シートを発表し、仲間たちと議論します。 第11回 プロジェクトの境界とは 経済・財務分析の基礎である内部収益率(IRR)を学ぶことでプロジェクトの境界を再認識します。 第12回 興動館プロジェクト・評価シート改善発表ワークショップ(前半発表学生) 第10回での発表に対するコメントを基に、改善したプロジェクトの評価シートを発表し、仲間たちと議論します。 第13回 興動館プロジェクト・評価シート改善発表ワークショップ(後半発表学生) 第10回での発表に対するコメントを基に、改善したプロジェクトの評価シートを発表し、仲間たちと議論します。 第14回 海外の課題と国内の課題 国際協力と地方創生 海外の課題と国内の課題を対比することでグローバルな視点での考え方を学びます。 第15回 総括・人間力チェックシート【最終振り返り】実施 この回では、総合的なふりかえりを通して、自身の人間力がどのように成長したのかを理解します。また、社会におけるプロジェクトの役割から将来のキャリアについて考えていきます。 ※人間力チェックシートの作成に次のように時間を配分します。 初回60分、中間ふりかえり60分 最終ふりかえり60分 関連科目
興動館プロジェクトの計画と実施
準備学習等の指示
本授業は、興動館科目の4つのフィールドの内、行動力に分類される授業です。フィールドの教育目標を意識して授業にのぞんでください。
各回の授業で気づきがあれば、自身の携わるまたは考えるプロジェクトを念頭により深く考え調べてましょう。プレゼンテーションの資料、最終の評価シートの作成には論理的思考力・分析力を基にしつつも独創的な発想で柔軟に考えてみましょう。 教科書
とくに使用しません。毎回、レジュメ・資料等のプリントを配布して授業を進めます。
参考文献
『開発援助のためのプロジェクト・サイクル・マネジメント:参加型計画編』(2007年3月改訂第7版)FASID
https://www.change-agent.jp/ 『世界はシステムで動く』ドネラ・H・メドウズ 2015 英治出版 定期試験の実施
定期試験は実施しません。
成績評価の方法
①授業への参加度・リアクションペーパー 25%、
②プレゼンテーション資料と発表 50%、 ③最終評価シート25% などを総合的に評価する。 実務経験と授業との関連
基本的にはJICA(国際協力機構)で国際協力プロジェクトや地域連携プロジェクトに従事してきた実務家教員の加藤が担当します。
備考
定員は30名とします。
興動館科目では、あなたの人間力の成長を記録するために、ふりかえりと分かち合いを重視した「人間力チェックシート」を作成していただきます。 |