シラバス情報

科目名
西洋経済史Ⅱ
授業コード
21039
担当者名
竹林 栄治
副題
工業化時代のヨーロッパの社会と経済
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
3年
開講学期
2024年度後期
教職免許種類
中学一種(社会)、高校一種(地理歴史)

授業内容
授業内容
この授業は、世界史の大きな流れを踏まえながら、古代から現代までのヨーロッパの経済活動を理解します。すなわち、過去から現在に至る「西洋経済史」の重要項目をさまざまな視点(市場・技術・労働・資本・価値観・過去の影響など)から捉えます。特に後期に開講される西洋経済史Ⅱでは、西洋経済史Ⅰの学習内容を踏まえて、近現代の時代を取り扱います。

授業方法
この授業では事前学習(30分)と事後学習(30分)が不可欠です。授業前に予習として学習ポータル上で配布資料を読み込んで授業本番に臨みます。授業終了後は復習として配布資料を読み直しましょう。とくに第11回では理解度を確認するために小試験を実施しますので、しっかり復習しましょう。
この授業は対面授業で行います。





到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
この授業は次の目標を目指します。
1)学習した歴史事象を経済学的に説明する能力が身に付きます。
2)多文化を尊重し、異文化を理解する姿勢が養われます。
【身につく力】 「知識・理解」「論理性 」「多様性」
授業計画
第1回 「経済史」の効用
 まず経済史の定義を説明し、次いで西洋経済史を学ぶ意義を「多様な視点」と「自己相対化」の観点から学びます。

第2回 市民革命と経済
 市民革命の定義とその政治的影響を説明するとともに、その経済的影響を財産権(所有権)や取引費用の観点から学びます。

第3回 欧米諸国の産業革命①—イギリス—
 産業革命の定義と用語の変遷等を説明し、次いで、最初に産業革命が生じた要因を技術・企業家・資本調達等の供給面と市場の特性という需要面の要因を学びます。

第4回 欧米諸国の産業革命②—アメリカー
 アメリカの産業革命の時期と特徴を説明し、その要因を労働節約的、互換性部品の使用による大量生産等の観点から学びます。

第5回 欧米諸国の産業革命③—フランス—
 フラン スの産業革命の時期と特徴を説明し、次いで、その要因を石炭資源の乏しさ、小農の持続、企業家の保守性、国内市場の狭隘性の観点から学びます。

第6回 欧米諸国の産業革命④—ドイツ—
 ドイツの産業革命の時期と特徴を説明し、次いで、その要因を資本財の輸入代替化、鉄道業の前方・後方連関効果、投資銀行の役割等の観点から学びます。

第7回 資本主義の改良と社会主義思想
 産業革命初期の工場労働者の状態と労働運動の激化、企業家や国家による労働条件の改善の理由等を学びます。

第8回 ベルエポック
 ベルエポックの定義を説明してこの時代の特徴を説明します。次いで、新たに成立した百貨店(デパート)、旅行代理店とその関連ビジネスを学びます。

第9回 帝国主義の時代①—鉄道から見る帝国主義—
 まず帝国主義の定義、類型と影響を説明し、次いで、鉄道の軌間(ゲージ)の選択を経路依存性の観点から学ぶことで、帝国主義的支配の本質を理解します。

第10回 帝国主義の時代②—言語から見る帝国主義—
 ロックインと切り替え費用、ネットワーク外部性の観点から特定言語の優位性と他の言語の抑圧(言語帝国主義)学ぶことで、帝国主義的支配の本質を理解します。

第11回 中間まとめ
 これまでの学習項目を復習するとともに、小試験を実施します。

第12回 戦間期の各国経済
 戦間期の各国の経済政策の内、アメリカのニューディール、ナチスドイツの四か年計画、ソ連の五か年計を、政府の経済への介入の観点から学びます。

第13回 第二次大戦後の世界経済①—アメリカ合衆国の興亡—
 アメリカの経済を50年代の繁栄から、ヴェトナム戦争介入・ニクソンショックを経て、レーガノミックスの時期を概観して、アメリカ経済の衰退と復活の要因を学びます。
 
第14回 第二次大戦後の世界経済②—ソビエト連邦の盛衰—
 社会主義陣営の盟主であるソ連の経済運営の特徴をフルシチョフ時代からペレストロイカの時期に分けて学びます。その後成立したロシア連邦の経済の問題点を指摘します。

第15回 第二次大戦後の世界経済③—西ドイツの戦後復興と経済発展—
 西ドイツの戦後復興と経済発展を復興期・高度経済成長期・安定成長期に分け、当該時期の経済を主導した産業や製品を事例に挙げて学びます。次いでドイツ統一に至る経済的道筋と統一後の経済(とくにインダストリー4.0)について学びます。


関連科目
関連科目では、西洋経済史Ⅰ、経済史基礎Ⅱ、世界の歴史があります。
準備学習等の指示
この授業をより良く理解するために、次のことに留意しましょう。
1.事前に学習ポータル上に掲示された配布資料を各自が入手(ダウンロード)し、それらを読み込みます。予習が大前提です。
2.この授業は世界史を既に学習していることを前提にしています。世界史の知識に不安のある受講生は、高校の教科書や参考書を予め読んでおきましょう。
3. 新聞、テレビやインターネットで国際ニュースや時事ニュースを見ておくこと(大学生としての最低限の教養は受講の際に必要です)。
教科書
使用しません。事前に学習ポータル上に掲示された配布資料を各自が入手(ダウンロード)してください。
参考文献
参考文献として、とりあえず、荒井政治、竹岡敬温、『概説西洋経済史』、有斐閣、1980年、岡田泰男、『経済史入門—過去と現在を結ぶもの』、慶應義塾大学出版会、1997年、クロード・フォーラン、『産業革命とは何か』、晃洋書房、1979年、堺憲一、『新版あなたが歴史と出会うとき—経済の視点から』、名古屋大学出版会、2009年、林達、『一般経済史』、学文社、1995年等を挙げておきます。
世界史では、『詳説世界史B』山川出版社、 『世界史B』東京書籍、『世界史B 人、暮らしがあふれる歴史』第一学習社等があります。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験(60%)と小試験(40%)で評価します。
対面授業が前提なので、出席回数が総授業回数の3分の2に満たない者は定期試験の受験を認めないことがあります。

実務経験と授業との関連
なし
備考
受講者心得
1.事前に学習ポータル上に掲示された配布資料を各自が入手(ダウンロード)してください。
2.他の受講生の勉強の妨げになるので、授業中の私語は厳禁です。友達とのお喋りは授業時間外にしましょう。非常に騒がしくて授業の妨げになる場合は、教員が適切と考える処置を取ることがあります。