開発経済

21042

平本　賢了

アジア太平洋地域の開発

2.00単位

3年

2024年度後期

第二次大戦後、次々と政治的独立を果たした国々の開発をいかにすすめてゆくかを研究する学問が、開発経済です。すなわち、これらの国々が抱える負の遺産を解消するとともに、発展の可能性を導き出すことを目指して誕生したといえます。開発の遅れや貧困の問題は、今も大きな課題であり続けています。加えて、開発による生態系の悪化や環境破壊に対してどのように向き合うべきかなど、開発経済が取り扱う内容は多元化しています。本授業では、開発経済の基本的な考え方について学びます。その対象地域として、日本を含む東アジアの国や地域を取り上げます。この地域は、長期にわたる経済成長を達成したことから「東アジアの奇跡」(1993年)と呼ばれ、その背景や要因について世銀が検証と評価を行っています。本授業では、教科書を使いながら、今日にいたる東アジアの経済発展過程と成果について学びます。

本講義を通じて皆さんに身につけていただきたいのは、次の2点です。
1.東アジアの国・地域における開発の成果と課題について、簡単にを説明できることを目指します。
2.私たちの暮らしとのつながりや影響という視点で東アジアの国や地域を観察し、自分の意見や考えを持つことを目指します。
【身につく力】「知識・理解」、「問題解決力」、「論理的思考力・分析力」

本授業では、教科書を指定していますので、それに沿いながら進めてゆきます。

第1 回　講義のガイダンスと目標
第2 回 開発経済学の今日的課題
第3 回 開発とは何か
第4 回 アジア経済のダイナミズム
第5 回 開発計画と産業育成
第6 回 政府の役割と開発
第7 回 経済開発と貿易
第8 回 開発と技術
第9 回 地域間協力と連携
第10回　東アジアの開発①韓国・台湾
第11回 東アジアの開発②シンガポール・香港
第12回 ASEANの開発①タイ・マレーシア
第13回 ASEANの開発②インドネシア・フィリピン
第14回 開発と社会問題
第15回 持続可能な開発-講義のまとめ-

「国際経済基礎Ⅰ」、「国際経済基礎Ⅱ」、「アセアン経済」、「国際貿易論」をはじめとした国際経済にかんする科目を積極的に履修して、国際感覚を磨きましょう。

多岐にわたるトピックスを取り扱いますので、予習と復習が非常に重要となります。予習については、講義終了前に次回の予告をしますので、教科書の該当箇所に目を通しておきましょう。復習については、講義で説明した内容の振り返りをしっかり行いましょう。理解不足の箇所や疑問点は、図書館などを利用して確認しておきましょう。学習の効果を上げるために、予習と復習にそれぞれ30分以上かけましょう。

大野健一・桜井宏二郎著、『東アジアの開発経済学』、(有斐閣アルマ)、有斐閣

講義で使用する補助資料として、以下のものをあげておきます。
世界銀行、『世界開発報告』、ジェトロ・アジア経済研究所、『アジア動向年報』
その他、必要に応じて講義で紹介します。

定期試験を実施します。

成績評価は以下に基づき、総合的に評価します。
・定期試験:80%
・小レポートと授業への参加度:20%
　　※出席回数が11回以上の出席者については、授業への参加度に加味して評価をします。

気持ちの良い授業を行うことを心がけます。皆さんは以下のことを意識していただき、授業に参加してください。
(1)授業には毎回出席しましょう。
(2) 授業中の私語や飲食は厳禁です。