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 教員名 : 小笠原 礼以 
 | 科目名 国際通貨制度 授業コード 21043 担当者名 小笠原 礼以 単位数 2.00単位 配当年次 3年 開講学期 2024年度前期 教職免許種類 授業内容 国際通貨制度の講義目的は、現代の国際通貨システムのメカニズム、問題点についての理解を深めることです。通常、国内における経済取引の決済は当該国の通貨(国民通貨)を用いて行われます。例えば日本では「円」を、アメリカでは「ドル」を、中国では「元」を使用します。それでは、このように独自の通貨・決済システムを持つ国民経済の集合からなる世界経済において、国境を超える貿易取引や海外投資などに付随する「お金」の受け払いは、どこの国の「お金」を用いて、どのようにして行われるのでしょうか?「円」しかもたない日本企業はどのようにして、アメリカの企業に「お金」を支払うのでしょうか?またその過程でどのような問題が生じてくるのでしょうか? 現在、世界経済の不透明性が増す中で国際通貨・決済システムの在り方が改めて問われています。ドル基軸体制といわれる今日のシステムにはどのような問題があるのでしょうか?また国際通貨システムと今日の世界経済の不安定性(為替レートの急激な変動や金融危機、債務危機)との間にはどのような関係があるのでしょうか?講義ではこれらの問題にアプローチするとともに、東アジア地域における独自の通貨決済システムや中央銀行デジタル通貨の可能性についても言及したいと考えています。 到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連 世界経済が直面している国際通貨・金融不安の背景にある、国際決済システム、為替相場制度、国際通貨協調体制の現状と課題を理解することを講義目標とします。 【身につく力】 知識・理解 論理的思考力・分析力 授業計画 第 1 回 講義ガイダンス:国際通貨制度とは 第1部 歴史・制度編 第 2 回 中世イタリア商人の貿易決済 第 3 回 外国為替取引と国際決済システム 第 4 回 ブレトンウッズ体制:固定為替相場下のドル体制 第 5 回 変動為替相場制度 第 6 回 今日の国際通貨システム:様々な選択肢 第2部 理論編:為替相場制度とマクロ経済 第 7 回 国民所得勘定と国際収支 第 8 回 為替レートと外国為替市場 第 9 回 利子率と為替レート 第10回 物価と為替レート 第11回 為替レートの変動と国内総生産①短期分析 第12回 為替レートの変動と国内総生産②財政政策及び金融政策の経済効果 第13回 外国為替市場への介入と固定為替相場制度 第14回 変動相場制度と国際協調 第15回 まとめ:国際通貨システムの課題 関連科目 国際経済基礎Ⅰ・Ⅱ 国際金融論 準備学習等の指示 ・国際通貨問題は、新聞で頻繁に取り上げられるテーマです。毎日、新聞に目を通し、関連記事を読むように心がけてください。 ・国際経済基礎Ⅰ及びⅡとマクロ経済学で学習する基礎的概念を再確認しておいてください。 ・講義前日に30分程度、前週の講義の内容を確認しておくことを推奨します。 教科書 使用しません。プリントを配布します。 参考文献 必要に応じて講義中に指示します。 定期試験の実施 定期試験を実施します。 成績評価の方法 定期試験70%、課題点30%。出席回数が3分の2に満たない場合定期試験を受験することはできず、評価不能となります。 実務経験と授業との関連 備考 なし。 |