シラバス情報

科目名
職業指導
授業コード
14028
担当者名
餅川 正雄
副題
豊かな職業観をどの子にも
科目ナンバリング
単位数
2単位
配当年次
3年
開講学期
2024年度後期
教職免許種類
高校一種(商業)

授業内容
1 アメリカの職業指導・進路指導・キャリア教育の歴史的発展過程を学ぶ。
2 我が国の職業教育・進路指導・キャリア教育の歴史的発展過程を学ぶ。
3 進路指導・キャリア教育の諸活動と教師の役割について確認する。
4 高等学校段階における進路指導計画とその実践上の留意事項について考える。
5 キャリア・カウンセリング理論と各種のキャリア理論を学びその特徴を理解する。
6.ホワイト企業とブラック企業の特徴と見分け方を説明できるようになる。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
【身に付く力】 知識・理解、情報リテラシー

1 高等学校での職業指導(進路指導)の諸活動の基礎知識を修得し、簡潔に説明できるようになる。
2 高等学校における就職指導と進学指導の実践内容を踏まえ、キャリア理論と関連付けて論じることができるようになる。
3 高等学校の学級担任教師に求められるキャリア・カウンセリングの基礎技術を身につけることができる。
授業計画
第1回 アメリカの職業指導(Vocational Guidance)の歴史的発展
 ① パーソンズ理論「四角いクギは四角い穴に」
第2回 わが国の職業指導の歴史的発展
   ② マズロー理論「欲求6段階説」
第3回 ライフプランの作成指導
   ③ スーパー理論「ライフステージ(時間軸)」と「ライフロール(役割)」
第4回 キャリア・アイデンティテイを考える 
   ④ シャイン理論「8つのキャリア・アンカー」と ④ 金井理論「ドリフト」
第5回 キャリア教育(Career Education)で育成を目指す能力
 ⑤ サヴィカスの「21世紀のキャリア理論」
第6回 キャリア教育の活動
   ⑥ クランボルツ理論「計画された偶然性理論」
第7回 生徒の自己理解のための指導
 ⑦ フロイト理論「エス・自我・超自我」
第8回 教師による進路情報の収集
 ⑧ アドラー理論「嫌われる勇気をもとう」
   ⑨ フロム理論「愛は技術である」
   *各種のキャリア理論の中から二つ選んで、レポートを作成し提出します。
    レポートは、コメントを付して、後日、返却します。
第9回 高校生のインターンシップの実施
   ⑩ ホランド理論「ヘキサゴン(REASEC)」
第10回 キャリア・カウンセリングの実際
 ⑪ ロジャース理論「傾聴の3条件」
 ⑫ ジェラットの意思決定理論
第11回 ホームルーム担任の進路相談の実際
 ⑬ ホール理論「プロティアン・キャリア」
第12回 ホワイト企業・ブラック企業の見分け方
 ⑭ クラムの「メンタリング理論」
第13回 フリーター問題やニート問題を考えさせる指導
 ⑮ イバーラ理論「キャリアチェンジ術」
第14回 高等学校3年間を見通した進路指導
 ⑯ シュロスバーグ理論『人生の転機を乗り越える3ステップ」
第15回 若者の早期離退職に関する諸問題
 ⑰ デール理論「5種類のキャリアの成功」と講義全体の総括(まとめ)
関連科目
生徒・進路指導論、情報と職業
準備学習等の指示
予習の時間は毎回1時間程度必要です。また復習の時間も1時間程度必要となります。
 具体的な内容は、次に示すとおりです。 
1.高等学校商業科の教員を目指す者の立場から、高校生にどのような進路指導が必要なのかを考えてください。(2時間必要)
2. 労働基準法の内容を確認し、時間外勤務の制限についてどのように規定されているのかを予習してください。(1時間必要)
3..各種のキャリア理論の資料を配付しますので,従業の前にそれを読んで要点をまとめてください。(2時間必要)
4. スーパー理論について、配付資料等を利用してその主な主張を整理し、進路指導にどのように役立てるのかを検討してください。(2時間必要)
5. ホランド理論について、配付資料等を利用してその主な主張を整理し、進路指導にどのように役立てるのかを検討してください。(2時間必要)
6.『会社四季報』や『業界地図』などを見て、日本を代表的する企業名とその経営状況を把握しておいてください。(10時間必要)
7.毎日、日本経済新聞を読み、日本経済の状況や世界経済の状況を知るようにしてください。(1日に15分程度必要)
8. 日本では、サラリーマンの賃金・給料が30年間、上昇していない原因はどこにあるのかを検討してください。(2時間必要)
9.「福利厚生」とは、具体的にはどのようなものかを調べてください。(1時間必要)
10 .終身雇用制度や年功序列型賃金のメリット・デメリットを整理してください。(2時間必要)
11.退職金制度や年金制度、賞与(ボーナス)、福利厚生制度などについて整理し、ホワイト企業とブラック企業の見分け方を考えておいてください。(3時間必要)
12.「若者はなぜ3年で会社を辞めてしまうのか」を考えておいてください。(2時間必要)
13. 高卒の初任給や大卒の初任給がどの位か、また生涯賃金がいくら位になるのかを調べておいてください。(2時間必要)
14..高校生は進路についてどのような悩みをもっているのか、就職と進学に分けてを調べておいてください。(1時間必要)
15  高校生に職業教育が必要な理由を踏まえたうえで、現行の高等学校教育の本質的な問題点を整理してください。(1時間必要)
教科書
佐藤史人他 (2018)『新時代のキャリア教育と職業指導』法律文化社,¥2,420-
(ISBN 978-4-589-03953-8)

参考文献
村上龍著(2005)『13才のハローワーク』幻冬社,¥2,600−(ISBN4-344-00429-9)
中川浩・中川久恵(2020)『国家資格キャリアコンサルタントの基礎理論』秀和システム,¥1,760
(ISBN 978-4798062792 )
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験80%、課題レポート及び発表20%で評価する。
実務経験と授業との関連
県立の商業高等学校で、商業科の教諭を15年経験し、県教委事務局で指導主事を5年間経験したことを指導内容に反映しています。また、市立高等学校で教頭を3年、県教委事務局で主任専門員(課長補佐級)を2年経験したことを活かして、学校の管理や教員指導の視点からも講義します。
備考
職業指導は、商業科の教員になるために必須の知識です。高名な学者の学説を学び、それを高等学校での実際の指導でどのように応用するのかを考えながら学んでください。「人生をどのように生きていくのか」という問いをもって臨んでください。現在の高卒就職の現状と課題について、幅広く情報収集をすることを望んでいます。
試験の結果だけでなく、教職課程を履修する学生として相応しい取り組み姿勢・態度がみられるかどうかを重要な判断基準とします。すべての授業に出席することが大原則であり、遅刻や欠席があれば評価に反映させます。