シラバス情報

科目名
組織マネジメント論
授業コード
26022
担当者名
岡本 康昭
副題
組織によるマネジメント
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2025年度後期
教職免許種類

授業内容
組織は単なる「資源の集まり」ではなく、個人では成し得ない目標を実現するための力を持つ仕組みです。組織を動かすためには、「共通の目的」「協働する意思」「プロセスを支えるコミュニケーション」という3つの要素が欠かせません。この講義では、これらの要素を具体的に解き明かしながら、組織が持つ可能性を探求します。
講義の前半では、個人がどのようにモチベーションを発揮し、組織に貢献するかをミクロ的視点から学びます。後半では、組織全体を効果的にデザインするためのマクロ的視点を通じて、組織運営の全体像を理解します。また、リーダーとしてだけでなく、フォロワーとしての役割や影響についても考え、組織を多面的に捉える力を養います。
実際の企業や身近な組織の事例を交えながら、「組織とは何か」「どのように動かすべきか」「どのように変革できるのか」という問いに取り組みます。実践的で奥深い組織マネジメントの世界を共に探求しましょう。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
1. 経営組織に関する代表的な理論を修得し、自分の言葉で説明することができるようになる。
2. 自分の属する身近な組織について具体的で建設的な分析ができるようになる。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」
授業計画
第1回 オリエンテーション
—「授業の全体像と学びの目的を理解し、組織マネジメントの基本的な視点を掴む。」
第2回 組織としての企業 〜バーナードの3要素〜
ー「共通目的、協働意思、コミュニケーションが組織を成立させる鍵であることを学ぶ。」
第3回 個人のモチベーション 〜マズロー、マグレガー、ハーズバーグ、ブルーム〜
ー「個人のやる気を引き出す理論を探り、モチベーションの仕組みを理解する。」
第4回 集団のコミュニケーション 〜同調圧力、集団浅慮、コミュニケーション・ノイズ〜
ー「組織内の集団におけるコミュニケーションの課題と改善策を考える。」
第5回 管理者のリーダーシップ 〜コンティンジェンシー理論、パス・ゴール理論〜
ー「状況に応じたリーダーシップの在り方とその効果を学ぶ。」
第6回 組織構造の特徴 〜複雑性と管理原則〜
ー「組織構造の基本的な要素とその特徴について理解する。」
第7回 組織構造の機能 〜分業の類型、ライン・スタッフ〜
ー「分業と役割分担が組織の効率にどのように影響を与えるかを学ぶ。」終了後小テスト実施。
第8回 小テスト解説と中間のまとめ
ー「これまでの内容を振り返り、理解を深める。」
第9回 組織のデザイン 〜職能別組織と事業部制組織〜
ー「異なる組織デザインのメリットとデメリットを比較する。」
第10回 組織文化 〜経営理念、戦略的意義〜
ー「組織文化が経営の成功や社員の行動に与える影響を学ぶ。」
第11回 人材の育成と管理 〜人事制度、人事評価〜
ー「効果的な人材育成と公正な人事評価の仕組みを探る。」
第12回 組織をマネジメントする 〜リーダーシップとフォロワーシップ〜
ー「リーダーとフォロワー、それぞれの役割を通じて組織の動きを考える。」
第13回 組織の変革と阻害要因 〜ブリッジズとコッターの理論〜
ー「組織変革を成功に導くための理論と実践的なアプローチを学ぶ。」
第14回 イノベーションを生む組織 〜ジレンマとトラップ〜
ー「イノベーションを阻害する要因を理解し、乗り越える方法を考える。」
第15回 まとめ
ー「全体を振り返り、組織マネジメントの知識を自分のものにする。」
関連科目
経営組織論、人的資源管理論、経営管理論、経営戦略論
準備学習等の指示
予習:授業前日までにHUENAVにレジュメを掲示しますので、1時間を目途に目を通してテーマを把握しておきましょう。
復習:授業を聞きながら補記した内容などを含めて、再度資料等を活用して知識の定着に努めましょう。参考文献として掲げた資料などの該当箇所を読むと更に理解が深まります。復習は合計で2時間が目途です。
教科書
教科書は使用しません。事前にレジュメを掲示しそれを活用して講義を進めていきます。
参考文献
高木晴夫(2001)『組織マネジメント戦略』有斐閣、2,900円+税
金井壽宏、高橋潔『組織行動の考え方』東洋経済新報社、2400円+税
スティーブンP.ロビンス『新版・組織行動のマネジメント』ダイヤモンド社、2009年、3080円+税
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
定期試験70%:組織行動及び組織構造の両面の主要な考え方について客観問題または論述する問題で到達の度合を評価します。
中間小テスト30%:知識の定着を確認するために中間テストを実施し、評価の30%に充当します。
中間小テストは、HUENAVIにより、第7回目の講義後から第8回目の講義日前日までの間に自宅で取り組んでもらいます。
出席回数が11回以上の出席者は授業の参加度を評価に加味します。なお、出席回数が授業回数の3分の2に満たない場合は、定期試験の受験を認めないことがありますので注意してください。

実務経験と授業との関連
メガバンク、インターネットバンクで企業の経営分析、審査、コンサルを通して経営に関わってきました。その経験に基づいて、実務との関連に重点をおいて、フォロワーとしての視点とマネジメントする側の視点の両面から解説します。
備考
この講義で学んだ知識を活用して、自分の身近な組織をより発展させる建設的な方法を具体的に考えてみましょう。