シラバス情報

科目名
国際経済基礎Ⅱ
授業コード
21016
担当者名
野北 晴子
副題
貿易と国際収支の基礎を学ぶ
科目ナンバリング
単位数
2.00単位
配当年次
2年
開講学期
2026年度後期
教職免許種類
高校一種(公民)

授業内容
国際経済学は、大きく分けて貿易論(ミクロ経済学)と国際収支論・国際金融論(マクロ経済学)からなります。本講義は、そのような応用経済学を学ぶための基礎的準備としての講義です。
貿易は、古代より行われてきましたが、コロンブスから始まる大航海時代は、ヨーロッパ諸国に莫大な貿易利益をもたらし、とりわけその富を蓄積したイギリスに最初の産業革命をもたらしました。等価交換による貿易収支は均衡していますが、20世紀に入ると、金融システムの発達により、各国の資本移動が大きくなり、貿易収支の不均衡が常態化します。すなわち、国際金融問題の発生です。本講義では、経済分析において歴史的な視点をもつことの重要性を示します。
いま、世界経済は大きな転換期にあります。ウクライナ戦争以後、BRICS諸国の脱ドル化と通貨のデジタル化が、世界の基軸通貨としてのドルを揺るがしています。経済のグローバル化は、第一次トランプ政権から流れが変わり、いわゆるトランプ関税は、国の安全保障を経済的手段でおこなうという、地経学の時代に入ったことを示唆しています。日本経済の問題を分析し、必要な政策を考えるうえでこのような視点は重要です。
授業の進め方としては、①前回の復習、②本日の講義、③本日の復習、という三部構成としています。復習には、理解度チェックの問題を用意します。問題の解説は、①の前回の復習時に行います。
到達目標と卒業認定・学位授与の方針との関連
本講義の到達目標は、下記のようになります。
① 国際収支の見方、貿易論の基礎を学ぶことによって知識を高め 、現代の国際経済問題を体系的に理解できる土台をつくる。
②ネットを含むマスメディアの情報に左右されることなく、問題の本質を見極める分析力を高めることで、問題解決力を身に付ける。
②ERE経済学検定試験などの過去問を解くことで、復習を徹底し、基本的知識をベースとした論理的思考力・分析力をさらに向上させる。
【身につく力】「知識・理解」「論理的思考力・分析力」「問題解決力」
授業計画
第 1 回 ガイダンスとプロローグ(国際化とは何か)
第 2 回 すべてはコロンブスから始まった〜地中海の東方貿易から大航海時代
第 3 回 空港と航空路線
第 4 回 港湾と航路-世界の物流
第 5 回 国際収支と決済問題 
第 6 回 交易条件と貿易収支の改善
第 7 回 貿易依存度と日本の貿易構造
第 8 回 貿易財と非貿易財〜輸送費のために輸出も輸入もできない財がある
第 9 回 絶対優位の理論〜内外価格差が貿易構造を決める
第10回 内外価格差問題と価値観の相違
第11回 外国為替市場と日本経済
第12 回 比較生産費説〜為替相場に関係なく決まる貿易
第13回 通貨危機とリーマン・ショック
第14回 金本位制度
第15回 まとめと復習
※上記の内容や順番は、学生の理解度や経済情勢によって多少変更する場合があります。
関連科目
ミクロ経済学基礎Ⅰ・Ⅱ、マクロ経済学基礎Ⅰ・Ⅱ、経済政策論、国際経済基礎Ⅰ、国際金融論 、国際貿易論
準備学習等の指示
講義の理解度を高めるためには、国際経済学における専門用語の意味を確実に理解し、使えるようになることが早道です。その日の疑問は質問等で必ずその日に解決し、同時に30分程度の復習をしましょう。予習は必要ありませんが、関連する本を読んだり、新聞やテレビ・ネット等のニュースで今何が問題となっているかを常に把握し、問題意識を持つことが学修の第一歩です。
教科書
野北晴子編著(2019)『国際経済学の基礎(改訂版)』五絃舎
参考文献
大矢野、野北、矢野、松下 編著(2026)『日本の経済と経済政策』同文舘出版、大矢野栄次(2017)『テキスト国際経済学」同文舘出版、堤未果(2021)『デジタルファシズム-日本の資産と主権が消える-』NHK出版、W.ダルリンブル著小坂訳(2022)『略奪の帝国 上・下: 東インド会社の興亡』河出書房、川北稔著(1996)『砂糖の世界史』岩波ジュニア新書、岩波書店、他、講義の中で示します。
定期試験の実施
定期試験を実施します。
成績評価の方法
原則、定期試験80%、授業参加度20%、で評価します。授業参加度は、質問やプリントの取り組み状況で判断します。
実務経験と授業との関連
備考
毎回の授業の積み重ねが重要です。ミクロ経済学、マクロ経済学を学んでおくと、より理解が増すでしょう。